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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年7月14日(水) 14:00~14:14 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

本日、令和3年7月の物価モニター調査結果を公表いたしました。エシカル消費の一環として、当庁でも食品ロス削減の取組を推進しておりますが、今回はファッションに焦点を当てて、消費者の意識調査を行いました。ファッション産業においては年間約51.2万トンもの衣服が廃棄され、このうち約49.6万トンが家庭から廃棄されていると言われております。そういう意味で、衣服の大量生産、供給、廃棄といった課題が指摘される一方で、サステナブルなファッションへの取組も始まっております。こうした現状に関する認識をモニターに尋ねたところ、聞いたことはあるが具体的には知らないというのと、知らないと回答したものを合わせると6割弱ということで、まあ問題についてあまり知られてないということであります。また、衣服を買う時に特に重要だと思うポイントを尋ねたところ、価格、デザインということを回答するモニターが多い状況にございます。一方で、環境などへ配慮した製法、素材かどうか、これが7.8%、リサイクルしやすいかどうかというのが2.1%で、こういうような回答は低位にとどまっておりますが、サステナブルファッションの現状と課題についてよく知っていると回答したモニターほど衣服を買う時にはこうした点を重視しているほか、着なくなった衣服の処理に関しても可燃ゴミとして出すという選択をする方が少ない傾向があるということが分かりました。この結果から、ファッション産業の現状において認知度は現在まだ高いとは言えない状況ではございますが、認知していればサステナブルな行動にもつながる傾向が見られ、まずはこの問題について消費者に広く知ってもらうことが重要であると考えております。
なお、もう一つ、昨年の7月にレジ袋が有料化されてから一年経過いたしました。その一年経過後の意識や行動の変化も尋ねております。レジ袋の有料化をきっかけに、無料で提供してもらえる場合であっても辞退し、マイバッグを活用するようになったというのが16.7%、マイバッグを活用する以外にも、具体的に行動するようになったというのが8.3%といったように、実際に、以前と行動の変化があったと回答したモニターが合計で55.7%というふうになっておりまして、やはりそういった制度の変更に伴って、皆さんの意識が変わっているということが出ているのかなと思いました。引き続き消費者庁としても、エシカル消費の推進に努めていきたいと考えております。

質疑応答

NHKの秋山です。
冒頭の、エシカルファッションの関係なのですが、月曜日に徳島の方でイベントもあったかと思いますけれども、この認知の低さというか、まだ広がってないことに対して、今後、長官としてはどういう取組というか、働き掛けを更にしていきたいとお考えでいらっしゃいますでしょうか。

経済産業省、それから環境省でも、こういうサステナブルファッションについて、どう考えていくかという取組、検討を進められているというふうに聞いておりますので、関係省庁とも連携して、事業者がやるべきこと、それから消費者がやるべきことということを整理した上で、また連携して取組を進めていきたいと思っておりまして、まだ現在、整理している段階でございますので、また皆さんにお伝えできる時がありましたら公表したいと思っております。

今のに関連してですが、食品ロスだと今の3省庁かと思うんですけど、ファッションというと、井上大臣の所管でいうと、文化の面っていうところとかもあるかと思うのですが、そういった面での、今後、コラボレーションというのは考えていらっしゃらないのでしょうか。

食品の場合ですと先ほど申し上げた経産、環境のほかに、農水、それから厚労、文科というのが入っているかと思いますが、今回申し上げたのは、具体的に今、各省で検討を進められていると聞いているのが、経産省と、それから環境省であります。もちろん、今御指摘頂いたところも含めて、視野には当然入るべきだというふうには思いますが、まずはそういった、既にいろいろな議論を進められているところと連携を進めるのが先かなというふうに思っております。消費者庁の立場としては、こういった現状について、幅広く皆さんに共有をして、まず買う時、それから利用する時というか、着る時、それから廃棄する時ということにおいて、どういうことを気を付けていったらいいかということについて、また整理をしてお願いをしたいなと思っております。

朝日新聞の前田です。
今日この後予定されている消費者関連団体の皆様との懇談会なんですけれども、こういうふうにマスコミとかにやりますと言って懇談会をやる、消費者関連団体の方と大臣や長官が懇談をやるというは随分久しぶりなのではないかなと思うんですけれども、どんな意見交換をされたいと思っていますか。

大臣もお話をされたかというふうに思いますが、消費者関連団体と、どうしてもコロナ禍においてなかなかこういう機会が大臣も持てなかったというふうに思われているところがありまして、先ほど特商法の話ももちろんございましたが、それとは別に、消費者基本計画の見直しなんかでもお示ししたような、今申し上げたような良い消費の有りようという議論もあるでしょうし、あるいは、そのデジタル対応という話もあろうかと思いますので、幅広い議論をさせていただければなというふうに思っております。
なかなか個別にじっくりと直接お話しする機会がないので、今回大臣が中心になってやっていただけるということでありますけれども、できればそういう機会をできるだけ作っていくことが大事かなと思っております。

あと、月末に第1回が予定されている契約書面の電磁化を踏まえての検討会ということなんですけど、昨日の大臣会見で、下にワーキングチームを作ってというお話もあったんですけれども、どのように進めていかれる予定なのかというのを少し詳しく伺ってもよろしいですか。

詳細は7月30日に委員の先生方に掛けて決めることにはなると思ってはおりますが、基本的に会議は河上先生、要はもともとの特商法預託法の制度の在り方に関する検討委員会の構成を基本的に踏襲した上で、デジタル分野の有識者にも新たに参加していただくというふうな形でやりたいと思っております。
大臣がワーキングチームというふうに言ったのは、具体的にいろいろな事業者、それから消費者、デジタルの関係者から、どういうところに気を付けたらいいかどうか、あるいはどういうところが問題になりそうかということを、もうちょっと丁寧にお伺いをしたいというふうに思っておりまして、それはなかなか本委員会でたくさんの人数でやるという性格ではないものですから、そういうヒアリングをした上で、どういう点を気を付けるべきか整理するためのワーキングを設けると、こういう趣旨でワーキングというふうに申し上げたということであります。
大体おおむねワーキング会合を1か月に1回程度の頻度でやらせていただこうと思っておりまして、様々な方からいろいろな参考になる御意見を頂いた上で、具体的な政省令等につなげていきたいと、こういうふうに思っております。
ですから、まず1回目をやって、ワーキングでいろいろな整理をして、また親委員会と言ったら言い方は変かもしれませんが、また御報告をして議論していただくと、こういうやり方をしたいと思っております。

昨日頂いた書類だと、何か基本的に公開という言葉があったと思うんですけれども、いわゆる親委員会が公開という理解になるんでしょうか。ワーキングは非公開なんですかね。

それはワーキングでヒアリングする者と御相談しなければいけませんが、できるだけ公開はしたいと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
大雨による水害、災害が全国で発生しておりますけれども、消費者庁として、災害救済法ですか、幾つかの地域がそういうふうに指定を受けているかと思うんですが、食品表示法上の弾力的運用であるとか、消費者庁としてできることというのは、もう措置されているんでしょうか、これからなんでしょうか。

今御指摘のように、消費者庁として話が出てくるのは、一つは消費生活相談のところがちゃんと途切れないようにやれるかという問題と、それから、食品表示の弾力化が必要かどうか、こういうことが一番初めに出るわけですけれども、まず、一番初めの消費生活相談の方は途切れることなくできる状況だというふうに聞いておりますので、バックアップの必要があるという状況にはないと思っております。
また、食品表示についても、現段階で地元の自治体から弾力化をお願いしたいと、これはよくあるのは体育館等に行かれる場合に、そういう食事が提供される、そのときに食品表示の弾力化をするというのがあるわけでございますが、現段階では、今そういう御要望を地元から頂いている状況にはございませんので、私どもの方で何か今やるという状況にはないというふうに思っております。もちろん御要望があれば適切に対応していきたいと思っております。

NHKの秋山です。
先日、新潟の方で、給食のパンを食べたお子さんが窒息して亡くなられるという痛ましい事故があったと思いますが、その後、SNS上で子どもの安全の注意喚起はされていると思うんですけれども、給食ということで、これまでの窒息事故、御家庭の窒息事故とはまた毛色の違う問題かなと思うんですが、何か新しい取組とか、文科省との連携とかって何か今考えていらっしゃることってあるのでしょうか。

お尋ねの件についての報道は承知しております。大変痛ましい事故であり、亡くなられた方の御家族には心からお悔やみを申し上げたいと思います。
今御指摘頂いたように、物を口に入れたままで走ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりすると、誤って吸引し、窒息とか、誤嚥するリスクがあるということですので、食べているときは姿勢をよくして食べることに集中するということが大事かというふうに思いまして、これは令和3年1月20日に消費者庁においても既に注意喚起をしております。それから、今御指摘頂いたように、事故発生の翌日の7月9日にも消費者庁のTwitterで注意喚起の内容を再度発信しております。
これについて、更に文科省と連携して何かをやる必要があるかというと、ちょっと今、様子を見させていただいているところではあります。学校の現場において、よく気を付けるということと、それから、それぞれの子どもたちの方にもよく注意喚起をするということが大変大事だというふうに思っておりますので、必要であれば連携していきたいと思います。

先日の大臣会見であった、あのパブコメの廃棄について、長官としては今後どのように対応していきたいのか、改めて教えていただけないでしょうか。

私どもの預託法の政令に関して、公文書の取扱いが今となっては必ずしも適切ではなかったと思われる事案があったということで、8日に大臣から、私ども幹部が集められて訓示を頂いたところであります。
当時の状況からいたしますと、公文書管理に対する体制が十分ではなかったという点と、それから、その公文書管理について、概要は保存してはいたのですが、原本そのものを保存しなくてはいけないということについては認識が不十分であったということが発生の原因だというふうに思っております。
大臣からの訓示を受けて、公文書監理官の方から職員の方に注意するべきことをやっているところでありますが、人事異動の季節でもございますので、また人が異動するということもあるので、いろいろな機会を捉えて、研修をしていって、二度とこういったことがないように私どもとしてもしっかりとやりたいと思っております。大変重く受け止めております。