伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年6月2日(水) 14:00~14:16 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)
発言要旨
私からは1点、国の災害用備蓄食品の提供について、補足の情報を申し上げたいと思います。食品ロス削減推進については、事業者と協働した取組として、この2月に、賞味期限は「おいしいめやす」であるということの普及啓発、それから昨日、「てまえどり」の積極的な推進ということの呼び掛けを実施しているところであります。また、入替えによりその役割を終えた国の災害用備蓄食品については、本年4月21日に、原則フードバンク団体等に提供することを関係府省庁で申合せを行いました。この申合せを受け、各府省庁の提供予定や、これまでの提供実績等を掲載するポータルサイトが、農林水産省において構築され、先週5月28日にその運用が開始されました。
このような備蓄食品については、農林水産省、消費者庁等で既に取組をしてきたところなのですが、この申合せをした4月21日以降、既に環境省、内閣府で提供済みです。また、防衛省が今募集中と、こういう状況になっております。ポータルサイトにおいては、今後いつ頃、どの省庁のものが出るかということも情報提供できるようになっております。今回の取組は、まず中央府省庁において始めたところでありまして、今後同様の取組が地方公共団体や企業にも広がることを期待したいと思っております。
質疑応答
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問
読売新聞の松本と申します。
先日、警察の方からだったと思いますが、聖火リレーの中継サイトの詐欺サイトがあるので注意してほしいという呼び掛けがありまして、これに関して消費者庁の方に、実際に詐欺に遭ってしまったとか、そういった相談というのは寄せられていますでしょうか。 -
答
担当の方に聞いてみますが、私の方には、そういうのがあったという報告はまだ寄せられておりません。
- 問 先日、大臣から、あと担当課からも御説明がありましたが、アフィリエイト広告に関しても検討会を立ち上げて、庁内の方でも大規模な実態調査を進められていらっしゃるというお話がありましたが、これに関しまして、検討会もそうですし、大規模な調査もそうなんですけれども、結果ですとか、検討会の内容を、まとまった意見を踏まえて、ガイドラインの作成とか、規制の強化をするとか、そういった目標みたいなものはあるのでしょうか。
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答
御指摘のとおり、アフィリエイト広告の検討会というのは10日に第1回を始めまして、年内を目途に取りまとめをしようと思っております。最終的にどういうやり方をするかというのは、議論している中において決めていくことなので、今、必ずこうしますと申し上げるような状況にはないのですが、アフィリエイト広告自体が悪いわけでは全くないのですが、アフィリエイト広告というのが、ある意味で言うと悪質化しやすいところもあり、あえて消費者を誤解させるようなものが見受けられるのは事実でございますので、こういったものに対して私どもの方がどう対応できるのかということについて、しっかり勉強していき、それぞれの広告主、ASP、それからアフィリエイター、それぞれの役割というのもあると思いますので、そういったことを整理した上で対応したいと思っております。
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問
朝日新聞の前田です。
冒頭の食品ロスの関連なのですが、昨日大臣も「てまえどり」のことを閣議後会見でお話されていましたけれども、食品ロスを減らしていくためにはどういった取組が効果的なのかというのを考える上で、例えばコンビニ業界ではどれくらい出てしまっているのかとか、詳しい調査が今後必要不可欠になってくるのではないかと思うのですけれども、その調査に例えば予算を確保しているだとか、今後こんな調査をしていく必要があると考えているとか、ありましたら教えてください。 -
答
食品ロス自体のデータそのもの、今、量の推計は農林水産省で実施されているところでして、具体的に、どこで、どのくらいということについてのデータは恐らくないのではと思います。消費者庁というより、食品産業とか流通の段階の議論がもちろん基本的に多いだろうというふうに思いますし、大臣の方からは、もっと早く推計が出ないかという話も実は言われておりますので、そういうことについては関係省庁とよく相談してみたいと思っております。
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問
フリーの木村です。
先週お話しされたかと思うのですが、リコールサイトの新しい運営についてなんですけれども、消費者庁のホームページから入っていくと、ちょっとたどり着くまで面倒くさいなという感じもするんですけれども、また、どこにあるのかというのを、消費者庁のホームページから見つけにくいという感じもします。その辺りの改善というか、工夫の余地があるのかどうかと、今後どうやって一般の消費者に知ってもらうのか、その辺りお願いします。 -
答
リコールサイトの話については、事業者の方が自主回収したときには届けてくださいという、どちらかといったら供給者側目線で制度ができているところがあって、御指摘のように、では、消費者から見たときにそれが一元的に分かりやすいのかとか、そういった問題は確かにあろうかと思います。消費者庁のホームページから、うまく分かるようにというふうには思ってはいるのですが、御指摘の点、あるとすると、できるだけ分かりやすくできるように改善はしたいと思っております。
また、消費者側からしても、処分されたものと自主回収されたもの、両方、非常に大事な情報だと思いますので、それがよく分かるように、私どものホームページの方でも分かるように考えたいと思っております。 - 問 現在、食品添加物不使用とか無添加の表示のガイドラインを作るための検討会が始まって、今まで2回開かれていますが、まだ検討中でお話しできないかもしれませんけれども、今までの議論を聞いて、長官が何か感じられたような点とか、気付いた点があれば教えてください。
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答
無添加のガイドラインは5月31日に第2回をやって、食品添加物の不使用表示について、どういうふうにしていくかを、関係業界などにもよくヒアリングをさせていただいた上で決めるということですので、どうしても時間が掛かるので、年度内を目途に整理をしたいと考えています。まだ今の段階で、どういう、というところはまだちょっと早いかなというふうに思いますが、しっかりと対応したいと思っております。
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問
NHKの秋山です。
ワクチン詐欺の関係で、現状の数値などがあれば教えていただけないかなと思うのと、何か傾向などがあれば教えていただけないでしょうか。 -
答
新型コロナ関連のワクチン接種、ワクチンに関する相談件数ですけれども、金銭とか個人情報の詐取疑いに関する相談は、少なくとも5月31日までの登録分で言いますと、145件となっていますので、先週に比べて特段に増えているかというと、そういう状況ではないかなと思っております。ほかの予約等に関する相談ですとか、その他ワクチンに関する相談が820件という状況です。
この前、ワクチン詐欺の議論があったときに、予約代行と名のる者というのが、新しいパターンとしてあるかもみたいなお話を、私から、あと大臣からもあったかと思いますが、更に新たなパターンが出てきているという感じではなくて、無料予約を手伝うので電話くださいとか、あるいは情報をくださいとか、従来のようなものが多いという感じではありますが、そんなに特段に増えているという状況にはないと思っております。 - 問 徐々に、高齢者から更に若い方に、接種対象がより広がってくるというような報道も、どんどん増えてきているとは思うのですが、長官としては、改めて注意が必要な状況が続いているという認識なのか、あるいは落ち着いてきているという認識なのか、警戒感としては依然持っておいた方がいいのか、その辺りはいかがでしょうか。
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答
どうしても、こういったいろいろな人が動くときには、必ずそこで、それを悪質事業者が利用するという傾向はあるので、引き続き警戒はする必要があろうかとは思います。恐らく今は誰もワクチン接種自体が有料だとは思っていなくて、無料だということは割と周知されているので、ワクチン接種をやりたいならお金を払えというのが行政から来るというのはまずないということは、比較的皆さん、お分かりになられているかと思います。ただ、どうしても優先して接種するとか、そういったことに関する話はあろうかなと思います。
予約状況などについても、いろいろなところでの展開もされるようになって、やや落ち着いてくると、そういった変な、早くやるならお金を払えみたいな、そういうような話が出てきにくい状況にはなるかなと思います。ただ、御指摘のように、これからまた新たなものがいろいろ出てくるかもしれません。そこはしっかりと我々としては見ていって、そういうようなワクチンに絡む形での詐欺がないように気をつけていきたいと思っております。 - 問 緊急事態宣言が延長されまして、民間企業も含めて、引き続き出勤抑制を、ということがあったと思いますが、消費者庁の方での出勤抑制の状況とか、テレワークの状況というのは、今どういった状況になっていらっしゃるのでしょうか。
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答
手元でデータを持っていないのですが、今、私どもは法案を抱えているということがあって、7割を達成できているかと言われると、大変そこは厳しい状況ではあります。できるだけ交代できる者は交代するということでやらせてはいただいております。そんな状況です。
- 問 共通義務確認訴訟、いわゆる消費者特例裁判で、東京医科大に続いて、2件目が残念ながら敗訴というか、認められなかったわけですけれども、つい先日、3件目というか、埼玉の消費者団体が出していたものが控訴をお互いせずに確定したということで、2段階に進むということを伺ったのですけれども、着実に使われている現状も見えてきているとは思うのですが、そうした現状、敗訴したケースも出てきてしまった一方で、着実に2段階目に進んでいるものも出てきているという、この現状を改めて長官は今どのように認識されていらっしゃいますか。
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答
消費者裁判手続特例法については、今、既に検討会も始めさせていただいているところです。御指摘のように、いろいろな事案が出てきているので、その事案なども参考にしながら、何が不足なのかとか、そういったことをよく関係者とお話をさせていただいて、今後の消費者被害の回復に向けての着実な運用ができるように、制度的な検討を進めていきたいと思っております。
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問
ニッポン消費者新聞の丸田です。
大臣も御説明されたと思いますが、今、いろいろ社会的に関心の高い、政令改正のときのパブコメについての文書管理の問題について、庁の中でどういう調査をされ、現在、どんな調査を実施されているのかお聞きしたいと思います。 -
答
平成25年の預託法の政令改正時に実施したパブリックコメントにおいては、提出された意見について、意見内容と意見提出者ごとにまとめた資料を作成して保存していたのですが、一方で、意見そのものを保存していなかったということは事実であります。大臣からも指示されておりますので、公文書監理官室において調査を行っておりまして、現在、国会審議中の法案を担当している部局が聞き取りの対象になるので、そうした者は法案が終わってからというふうになろうかと思いますけれども、当時、関係していた人とか、そういった方々なども含めてヒアリングを随時進めているところです。