文字サイズ
標準
メニュー

伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年4月21日(水) 14:00~14:10 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

私からは、令和3年4月物価モニター調査結果について御報告をさせていただきます。本日、令和3年4月の物価モニター調査結果を公表いたしました。今回、意識調査で、やや興味深い話がありましたので御紹介いたします。今回、「電力の小売全面自由化以降の新電力等へのスイッチングの状況」を尋ねております。電力会社等を変更したモニターの割合は34.3%と、約1年前の調査(31.1%)とほぼ変わらない状況であります。変更した理由でございますが、「今よりも安い料金プランが出たこと」など料金面のほか、ほかの契約との抱き合わせである、いわゆる「セット割」の案内・勧誘をきっかけにしたというものも上位に出ております。例えばで言いますと、変更した理由として、「インターネットや携帯電話の契約変更の際に勧誘を受けた」、あるいは、「光熱費や通信費などの他の請求や明細と一緒にセット割の案内があった」とか、こういったものであります。一方で、こうしたセット割の契約に関しては、国民生活センターに対し、「電気とガスをセットで契約したけれども実際はこれまでの合計金額より高額になった」ですとか、「ケーブルテレビと電気の契約をしたが、解約しようとしたところ思いがけず違約金を請求された」などの相談も寄せられていると聞いております。セット割は契約内容も複雑になる可能性がありますので、消費者の皆様におかれては、思わぬトラブルに遭わないよう、契約内容を十分に確認し、理解した上で契約を行うよう御注意いただきたいと思います。

質疑応答

NHKの秋山です。
冒頭の件についてですが、今回、電力自由化、ガス自由化の側面が、どちらかというと継続調査としてはやっていらっしゃるっていう理解をしているのですが、今回、携帯プランというところが入ってきたと。で、これに関しては、従前から総務大臣と消費者担当大臣との2大臣会合の方でも「消費者に対する契約内容の丁寧な説明をしなさい」というような要請を引き続きしていると思うのですけれども、電気事業者ではなくて、携帯の会社側への働き掛けなどは何か考えていらっしゃることはあるのでしょうか。

携帯については既にやっておりますので、それ自体、事業者に対して何かということは今ないのですけれども、今回、値段だけではなくて、契約の仕方をきっかけで変えられるというのは非常に新しい特徴ではないかと思っております。携帯のときもそうだったのですが、なかなかセット割だと比較がしにくいとか、あるいは、それ自体の契約は解除が非常に簡単なのだけれども、セットの方に縛りがあったり、違約金があったり、ということを意外と気が付かないで契約をされる場合が結構あって、相談事例でもそういったものがたくさん寄せられているということだと思っております。
もちろん、そういった悪質なものについて、私どもの方でやるべきことについては対応していきたいとは思っておりますが、ちょっと勧誘されて、即断即決をするということがありがちではないかと思われますので、一度立ち止まってよく読んでいただいて、比較していただいて、契約をしていただくことが必要ではないかと、このように思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
関連なのですが、国センの事例を見ますと、2020年がセット割に関するものが多いという事例なのですが、つまり、最近はセット割に関するものが増えてきているということと考えていいのかということが一つ。
あと、国民生活センターは確か、経産省の電力・ガス等監視委員会でしたか、そことの連携があって、そこと事例を共有しながら指導にも当たっているというふうに聞いております。これはそういう事例の対象になるのでしょうか。

まず二つ目の御質問についてですが、消費者庁及び国民生活センター等より、セット割に限らず契約内容を十分確認するよう累次にわたり注意喚起をしていて、直近では令和2年の12月に、国民生活センター、消費者庁、経済産業省の連名で、電力・ガスの契約内容をよく確認しましょうという注意喚起はしております。ただ、セット割ということに特段注目をしているわけではありません。
なお、セット割についての数字のお尋ねですが、なかなかセット割かどうかを分析するのがかなり難しくて、数字そのものはないのですけれども、そういったきっかけでという方がたくさん出てきていると。要は、全体としては、そんなにたくさん契約変更したという人の割合は増えていないにもかかわらず、そういうことが上位に出ているというのは、そういうセット割の御提案をされる例がたくさん出てきているということではないかなとは類推はしております。

読売新聞の松本と申します。
電力の関係で、ちょっとセット割とは離れてしまうのですけれども、確か今シーズンの冬に新電力の価格がすごく高騰したというような報道が多々あったかと思いますが、そういったことに関する契約の相談というのも消費者庁の方には寄せられていたりですとか、注意喚起というのは行っているのでしょうか。

電力の話、その当時は結構あったと思いますけれども、あの件については経済産業省の方で直ちに上限幅を決められたりされたので、比較的すぐ落ち着いたというところはあろうかと思います。
一方で、今回の調査でも契約関係に対してやや不安に思っているという人が増加しております。もしかしたらあのような事態があって、新しい料金プランというのはちょっと慎重にならなきゃいけないよね、というふうに思われた方がいるかもしれないなと思ったりはしました。あのこと自体については、相当今は落ち着いている、もともと変動の大きいプランを使っている人の割合は大きくはなかったものですから、あの後すごく引きずって、たくさん相談があるという状況ではなかったと思っております。
補足すると、変更していないと回答した人の理由の中では、「変更することに不安を感じる」というのが、去年は19.6%で、今回は24.7%であり、非常に高くなっているというところが今回の特徴でもあります。

NHKの秋山です。
物価モニターに関連して、今回の4月のデータにはなかったのですが、総額表示に関して表示方法がどう変化したかという調査は、今回はされていないのでしょうか。

はい。今しておりません。しばらくして落ち着いてから、どうするかについて、また必要があればということでいいかと思います。

直接の所管ではないとは思いますが、先日、厚労省の指摘を受けて、アルコールの表示がグラム表示に変わったという動きが結構大きく報道されていて、基本的にはアルコール依存の対策の大きな一環だとは思うのですが、やはり飲料の表示は、大きな意味で言うと、食品表示を意識的に見てもらうというか、意識付けるということはとても重要なことだなと思っておりまして、改めて消費者庁もグラム表示の変更に関しては、何か連携して動くとか、御予定あったりされるのでしょうか。

グラム表示については特段連携するとか、そういったことはありませんが、御指摘のように、この間の食品表示に対するアプリの実証実験もそうですけれども、結局この表示というのはどういう意味があるのだろうかとか、そういったことを正しく伝えていくということは非常に大切なことだと思っておりますので、そういったことについては引き続きしっかりと意識して考えていきたいと思っております。