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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年2月17日(水) 14:00~14:13 於:中央合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

発言要旨

福島県沖を震源とする地震に便乗した悪質商法に関する注意喚起についてです。まず、13日の夜に発生した福島県沖を震源とする地震により被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
今回も住宅等の建物被害が出ております。災害に便乗して、住宅の修繕費用の補償に係る保険金の申請代行やその修繕についての勧誘に際し、悪質な勧誘を行う事例が度々発生する傾向にあります。お手元にお配りさせていただきましたが、消費者庁においては、災害に便乗した悪質商法に注意を呼び掛けるため、関係省庁、それから業界団体と連携して注意喚起資料を作成し、代表的な手口を紹介しております。これまでも、うその理由で保険金を請求するように持ち掛けてくるケースもありますが、特に今回はコロナ禍であることを踏まえて、書面・写真の提出で請求ができるといったことに付け込んで、このようなケースが多く発生するおそれがあると考えております。結果的には消費者が困る事態に陥るということもありますので、くれぐれも御注意いただきたいと思います。不審・不安に思ったら、注意喚起資料に記載してあるように、消費者ホットラインを始めとする関係のところに御相談を賜ればと思っております。
また、お手元に令和3年2月の物価モニター調査結果をお配りさせていただいております。調査期間は2月4日から2月8日までということになっております。今回、意識調査で、緊急事態宣言前後の買物に関する行動の変化等について尋ねておりまして、やや興味深い結果が出ておりますので御紹介させていただきたいと思います。今回の緊急事態宣言の前後で、買物の頻度及び買物一回当たりの購入量は「変わらない」と回答したモニターの割合が共に6割を超え、最も高くなっております。一方で、昨年5月に同じ調査を行った際には、買物頻度を減らし、一回当たりの量を増やしたというような行動変容が見られておりまして、今回とはちょっと違うという形になっております。今回はそれほど大きな行動変容が起きたという状況ではないということであります。こうした背景には、先月実施した買い置きに関する調査の結果のとおり、半数以上の方がトイレットペーパーや米や乾麺などの主要な食料を買い置きしていることとか、新しい日常の中で、落ち着いた購入行動がやや定着してきているといったものが背景にあるのかなと思っております。一方で、買物頻度、買物一回当たりの購入量が共に増えたという層も、若い層等を中心にしてございまして、これは、飲食店の営業時間の短縮、あるいは在宅時間の増加などによる家庭での食事の機会が増加した影響もあるのではないかなと考えております。引き続き感染対策をしていただきながら、落ち着いた購買行動をお願いしたいと思います。
なお、今週の消費者庁の関係でございますが、既に大臣から御発言をさせていただいておりますけれども、2月15日(月)に「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」を開設しております。0120-797-188(なくな、いやや)という番号にしておりますけれども、現在のところ、そんなにたくさん来ているという状況にはございませんが、ワクチン接種が始まりましたので、またしっかりと対応していきたいと思います。また同じ日に、食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議を開催しておりまして、くるみの義務化に向けた取組を進めていきたいと思っております。

質疑応答

共同通信の国枝です。
地震のところで、ちょっと最後の方が聞き取れなかったのですが、保険金の請求時にコロナ禍によってどういった詐欺が?

従来、損害保険会社というのは被災状況の立会調査を原則としていたのですが、去年、コロナ禍であることを踏まえて、立会調査を省略して、書面とか、書面記載内容を確認する写真の提出ということでも手続ができるようにしていますので、逆に言うと、便乗する人が増えるのではないかという意味で申し上げたということであります。
手続が、コロナ禍であることを念頭に置いて、直接立ち会うというのではない方法も可であるとされたために、業者だけが介在して結果的に消費者が最後だまされることになって、本来対象にならないものをできますよみたいなことを言われるとか、あるいは保険の対象にならなかったから工事をキャンセルした時に見積などの手続料を下さいみたいなことが起きやすくなるのではないかということで申し上げたということであります。

これは金融庁が、コロナにおいて変則的に認めているということなのですか。

やり方については、損保協会全体でお決めになられている話でございますので、金融庁が決めているというものではないと聞いております。

NHKの秋山です。
冒頭の最後にあったアレルギー表示に関してですが、専門家のアドバイザー会議を立ち上げられたということで、消費者庁ができて10年余りですけれども、今回、立ち上げた意義というか、その辺り長官はどのように感じていらっしゃるのでしょうか。

もともと平成13年4月に食品衛生法の下で食物アレルギー表示というのができて、平成21年9月から消費者庁で運用するという形になっているわけですが、今まで、表示推奨対象品目を消費者庁になってから増やしたというのはあるのですが、義務表示まで至ったものはないために、そういう定常的な組織ではなくて、それぞれのことが起きたときに専門家の先生にお伺いしながら進めてきたという形になっておりまして、この際、やはり食物アレルギーというのは非常に大切な問題なので、今回はくるみというのをとにかく急いでやるということはあるのですが、恒常的なそういうアドバイザリーボードを持っていた方がいいのではないかということで、組織を設置したということです。まず初めは、くるみがとにかく喫緊の課題なので、それをお願いしたいとは思っておりますが、その他幅広く専門的なお立場から御助言を頂くという形にしたいと思っております。

前回のを拝見して、議論を進めてられているという印象を受けたのですけれども、とはいえ、かなり義務化に至ってはきっちりした体制づくりとか、かなりしっかりした検証ができる状態にしていかないといけないとは思うのですけれども、このスケジュール感というか、スピード感みたいなところは、どのようにやっていきたいと感じていらっしゃいますか。

今御指摘いただいたとおり、義務にするということは、違反した場合は罰則をかけるということで、罰則をかけるに当たっては、当然、それについてのエビデンスといいますか、私どもの方も検証できるようにしないといけないということで、そういう検証方法というのをきちんと確立していく必要もあると思っておりまして、これにはやや時間が掛かるということです。
ただ、大変大事な話ではあるので、できるだけ消費者庁としても早くやりたいという思いはあります。ただ、今いろいろと動かしている義務化表示についての調査や、今の公定検査に時間が掛かるので、さすがに今年度中、すぐ数か月後にできるという感じではちょっとないかなとは思うのですが、いずれにしろ、できるだけ早くやれるようにしたいなとは思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
冒頭の、災害便乗の悪質商法に注意ということについてですが、国民生活センターが2月15日にスタートした「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」という、今回の風雪害であるとか、要するに地震であるとか、これはある意味で今後もコロナとか、震災とか、風雪害とか、いろいろな事案に絡んで、いろいろな苦情が重複的に、同時的に発生してくる可能性というのを考えるときに、消費者の利便性というかですね、を考えたときに、ワクチン詐欺に限らない統一的相談受付体制とかということの整備とか、今ではないのですけれども、ということのお考えというのは何かあるのでしょうか。

もともとそれは188がそうだろうとは思いますが、PIO-NETの刷新をやるに当たって、今全部直接受け取るのがいいのか、少しセグメントというか、課題に分けて対応がもっと迅速にできるように、例えばチャットボットで幾らかは対応できるようにするとかですね、いろいろなやり方が必要だろうと思っております。今のようなお話、対象となる事案の問題もあれば、電話とか、SNSとか、いろいろな形で、いろいろなツールで受けることができるということも当然大事だと思うので、そこは消費者相談体制のデジタル化の中で是非議論していきたいと思っております。御指摘ありがとうございました。

先日、国民生活センターが、ネット通販で仕入れた商品をフリマサイトなどで転売する転売ビジネス、これについてトラブルが増加しているという形で報告をされました。高止まりというかですね。消費者に注意を呼び掛けたのですけれども、割合としては、20歳代の方々が占める割合が非常に高くなっていると。コロナ禍によって収入が減ったことが背景ではないかということも指摘されているのですが、被害事例を見る限り、とても悪質な例があるということで、減少ではなくて増加傾向にあるということについて、消費者庁として何か対応をお考えなのかどうかということをちょっとお聞きしたいのですが。

転売ビジネス自体がどうかという議論ももちろんあるとは思いますが、転売でもうかるよ、みたいな形でやられるようなものについて、一種詐欺的にサポートするというような人たちもどうも見受けられるようでして、そういったものについては、しっかりとした注意喚起をしたいと思っておりまして、整理をして対応したいと思っております。

消費者庁の消費者志向経営優良事例表彰の表彰式というのが、確か以前は3月の御予定ということだったのですが、3月ですか。

近々公表したいと思いますが、3月に予定しております。