文字サイズ
標準
メニュー

伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年1月20日(水) 14:00~14:10 於:中央合同庁舎第4号館12階全省庁共用1208特別会議室)

発言要旨

1月15日が日本で初めて新型コロナウイルス感染症が確認された時なので、ちょうど一年くらいたつので、改めて最近の私どもの取組について、大臣からもお話してはいるので、ちょっと補足説明をさせていただきたいと思います。
私どもの方の仕事として大きく分けて二つあって、一つは生活関連物資の需給の問題があって、これについては大臣が昨日お話をさせていただいたとおり、今回、非常に需給バランスが悪くなっているとか、そういうことは見られていません。これは、1月の物価モニター調査などでも、やはり事業者の方も消費者の方も恐らく慣れてきているというところもあって、消費者側の方も、トイレットペーパーも、あるいは食品系、あるいはマスクとか衛生用品に関しても比較的買い置きをされているということもあり、いろいろ急に無くなって大変だということが起きる状況になってないということが一つあるのだと思います。
それから、もう一つはコロナ関連の悪質商法の話ですが、これも先週の金曜日に、2件、景品表示法に基づく処分をさせていただいたところですけれども、令和2年度になって景品表示法の措置命令は、1月15日時点で見ると16件やっていまして、そのうち12件がコロナ関連と言われるものですので、正に令和2年度というのはやはりコロナ関連の年、まだ終わっていないので今後3月末までまだ出てくると思いますけれども、そういう状況です。もちろん措置命令以外にも、9事業者125商品の改善要請ですとか、13事業者に対する行政指導も、これは公表した形でやらせていただいているのは御案内のとおりだと思いますけれども、そういうのも含めて、以前よりは明らかにコロナをうたうっていうのは減ってきているものの、やはり関連したものは、いまだ、残念なことにありますので、引き続き十分やっていきたいと思います。
併せて、新しい生活様式等々の話がありますので、また引き続き、情報発信をするべきことがあったらやっていきたいと考えております。まだ緊急事態宣言下に私どもはあるわけでございますが、引き続き消費者の皆様におかれましても、そのような落ち着いた対応、それから便乗した悪質商法に対する注意を改めてお願いしたいと、このように思っております。

質疑応答

NHKの秋山です。
冒頭の発言に関連してですが、生活関連物資は特に不足は今起きていないということだと思うのですけれども、去年、デマ情報による買占め騒動なども起きたと思いますが、それに付随する悪質な高額転売と思われるケースなどもありましたけれども、そうしたものへの対策というのは、今何か教訓を得ながら対応されていくというようなお考えはあるのでしょうか。

先ほど申し上げましたように、現時点では品薄なものを買い占めて転売するといった動きがあるという状況にございませんので、具体的に何かをどうしようということはないのですけれども、こういった緊急時における対応をどうしていくかということは大事な話ではないかと思っています。
消費者行動そのものについては、先週も御報告いたしましたけれども、消費者教育推進会議においても、緊急時などの対応ということはおまとめになられて、私どももチラシを出させていただいたところですが、引き続き緊急時における情報発信の在り方とか、あるいは品薄対策みたいなものについては、今回を教訓にしてまた議論したいと思っています。

米の表示に関して、先週、消費者委員会の食品表示部会でおおむね通して了承されたという形で、あとはもう手続を残すのみというふうには伺っているのですが、やはり最後の議論でも、理解の部分が重要なのではないかというふうな補足意見が出されていたのですが、改めて長官として、今回の変更に当たっての消費者向けの情報発信などは何かお考えのことはあるのでしょうか。

1月15日に食品表示部会が開催されて、玄米及び精米の表示の見直しに係る食品表示基準の一部改正案について、おおむね了承していただいたと認識しています。今後、最終的な文言調整をされて、消費者委員会から附帯意見を付した答申が当庁宛てに発出されるものと考えておりまして、これを踏まえて今年度中の公布、それから施行日については令和3年7月1日の予定で動かしていきたいと思っているわけです。今御指摘のように、事業者に対する周知と、それから消費者に対する周知があると思います。事業者に関しては、農林水産省と連携していきながら、今回の改正の趣旨、それから当然不正が起きないようにということもしっかりやっていきたいと思いますし、また、消費者についても、新しく情報提供がされるので、こういった点を見ていただきたいということについては、公布又は施行のときに併せて是非やっていきたいと、このように思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
食品表示のことなのですが、食品表示基準の弾力的運用ということがコロナのあれで一つあって、昨年度も大雨のことでたしかあったということで、大雨の方はたしか廃止になりましたけれども、今回は大雪というようなことについて何かお考えはあるのでしょうか。

大雪については、確かに局地的に品薄の状態などがあったというのは事実かと思います。ただ、非常に短期で解消されたということもあって、例えば大雨のときの災害のような、避難所に対しての食品の供給をしなくてはいけないとかですね、そういった事態が起きているわけではないので、今のところ特段の対応を用意しているわけではありません。ただ、地元なりから、もしそういう要望があれば適切に対応していきたいと、このように思っております。

NHKの秋山です。
先ほど開かれていた消費者委員会の中で、特商法、預託法の改正の中の議論の一つとして出ている、契約書面のオンライン交付の対応について、委員の一部からは厳しい意見も出ている状況でした。改めてこの見直しについて、まだ庁内の議論の過程であるとは思うのですが、こういった意見が出ていることに対して、長官はどのようにお考えでしょうか。

特定商取引法、それから預託法では、事業者に対して契約の締結前や締結後などに必要な事項を記載した書面を消費者に交付しなければならない、いわゆる書面交付義務が規定されているところです。これは非常に消費者にとって大切な制度だと思っていますが、一方で、デジタル化の推進を踏まえて、例えば全てデジタルで完結するような契約などもございますので、電子メールなどによって必要な情報を受け取りたいといった消費者も一定程度いらっしゃることも事実だというふうに思っておりまして、契約書面等の電子的交付についてもできるようにできないかということで、在り方を検討しているところです。
ただ、消費者団体等からも、高齢者を始めとして、そういったデジタル化に不慣れな人がだまされるのではないかといった御懸念があることは聞いておりますので、消費者がきちんと承諾する場合、また承諾に当たっても、だまされないようにどうしていったらいいかという観点からも十分に検討したいと思っております。