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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年1月13日(水) 14:00~14:18 於:中央合同庁舎第4号館12階全省庁共用1208特別会議室)

発言要旨

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。まず、私からは二点申し上げたいと思います。
まず一つ目は、緊急事態宣言を踏まえた消費者への呼び掛けについてです。
先週8日から2月7日まで、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の1都3県を対象とした緊急事態宣言が行われております。また、対象の拡大の動きもあるところであると思っております。不要不急の外出・移動の自粛、特に20時以降の外出自粛を徹底いただくとともに、接触機会の低減に向け、在宅勤務等を強力に推進するというような行動を取っていただきたいと思っております。
また、消費者の皆様におかれましては、過度な買いだめや買い急ぎはせず、引き続き落ち着いた購買活動をお願いしたいと思います。また、従業員に意見を伝える際には「伝え方」にも十分御配慮いただきたいと思います。消費者教育推進会議において、緊急時における消費者と消費者行動についての取りまとめがなされておりまして、これを踏まえて、この伝え方の資料である別紙1に「消費者が意見を伝える際のポイント」を整理しておりますので、御参考にしていただければと思っております。
また、在宅やオンライン利用が増えると、これに乗じた商品の送り付けや詐欺の電話・メール、ネット通販のトラブル等が増えることが懸念されるため、くれぐれも御注意いただきたいと思います。これについては、別紙2(悪質商法等にくれぐれもご注意ください)に改めて御注意いただきたいポイントを整理いたしましたので、それを御参照いただければと思っております。例えばで言いますと、行政機関等のなりすましですとか、身に覚えのない商品の送り付け、インターネット通販を巡るトラブル等々が出ておりますので、引き続き十分御注意いただければと思います。
なお、これまでに消費者庁や関係省庁から公表している、感染予防、新しい生活様式、悪質商法の注意喚起に関する資料を改めましてまとめて、御参考までに配布させていただいておりますので、報道に当たっての御参考としていただければと思っております。
困ったときは一人で悩まず、消費者ホットライン188に御相談いただければと思っております。これが一つ目です。
二つ目は、降雪に関する消費者への呼び掛けでございます。
1月7日からの大雪により、全国で4県22市町村に災害救助法が適用されております。降雪のピークは一旦過ぎておりますけれども、今後も暴風雪となるおそれがあると言われておりまして、引き続き除雪作業中の事故防止や、大雪による被害に関連する消費者トラブルに御注意いただきたいと思っております。お手元に資料を配らせていただいておりますが、降雪地域における除雪機の使用に伴って、事故が発生しております。既に消費者庁Twitterでも注意喚起をしておりますが、除雪機を使用される方におかれましては、まず、作業中に周囲に人を近づけないこと。それから、除雪機に安全装置のデッドマンクラッチがある場合に、ひもで縛るなど固定したままでお使いになられると非常に危険ですので、そういう使い方はやめていただきたい。それから、一酸化炭素中毒を防ぐために屋内ではエンジンを始動せず、風通しの良い屋外で始動すること。やむを得ず屋内で始動する場合には十分に換気すること。をお願いしたいと思っております。これについても、除雪機による事故を防ごうという、除雪機安全協議会のチラシがございますので御参考にしていただければと思います。
また、大雪等の災害の後には、本来必要ない工事を勧めたり、「保険を利用すれば実質的に無料で修理できる」などと契約を迫る業者とのトラブルが一般的に多く発生しております。便乗した悪質商法にはくれぐれも御注意いただきたいと思います。また、除雪・排雪サービス等の利用において消費者トラブルが起こることも懸念されるため、慎重に御判断いただければと思っております。これも、困ったときには一人で悩まず、消費者ホットライン188に御相談いただければと思っております。

質疑応答

共同通信の国枝です。
この消費者が意見を伝える際のポイントなのですが、これはチラシと捉えていいのですかね。

チラシだと捉えてください。

こういうチラシを配布する背景なのですが、従業員から、消費者のクレームが増えているという声が寄せられているのですかね。

別に今の時点というよりは、緊急事態等々、やはり通常でない事態になると、どうしても皆さん精神的なゆとりがないということもあり、前回の緊急事態宣言下においても、大きな声を出したりといった行動が見受けられるというところもございましたので、そういったことについて、きちんと伝えるためには、一呼吸置いて丁寧に伝えていただく方が有効であるということをお示ししたということであります。

飛沫が飛ばないような配慮も、というような呼び掛けも?

これは意見を伝える際のポイントですので、当然新しい日常において、お買物をするときのポイントとして、当然マスクを着用するとか、あるいは一定の距離を置くといったことは別のチラシの方にも載せておりますので、ここでは意見を伝えるときの「伝え方」ということにフォーカスをしてやらせていただいております。これはもちろん緊急事態宣言のときに限らずということではあるので、それだけをまとめさせていただいているということであります。

NHKの秋山です。
冒頭、緊急事態宣言でこれまで消費者に情報提供されたものを取りまとめられたということですが、現時点で消費者相談の現状というか、また増加傾向にあるなど、何か把握されていることがあれば教えていただけないでしょうか。

新型コロナウイルスに関する消費生活相談そのものは、直近の状況を見ますと、特段ものすごく増えているという状況にはないのですが、別紙2を付けさせていただいておりますが、注意喚起のものを出させていただいたのは、比較的これまで新型コロナに関する相談として結構多かったものから拾って、このようなものを出させていただいているということになっております。
具体的に消費生活相談の数を言うと、例えば行政機関等のなりすましに関して言うと、例えば給付金詐欺といったものもあったかと思いますが、これは1,600超くらいありました。また、身に覚えのない商品の送り付けといったものも6,000超、それから、インターネット通販トラブル、これはいわゆる定期購入等々の話も含めてということになりますが、これは2万超という形になっております。新型コロナウイルス関連の相談全体が8万くらいあるのに対して、特にこういうことが多かったので、それをお気を付けいただきたいということで例示して出させていただいたということでございます。

読売新聞の加藤です。
年が明けて、ダイエット食品の相談が急増しているという報道があったかなと思いまして、それで、2019年度は過去最多だったというふうな報道がされているのですが、もしこれの件数とかがあれば教えていただきたいと思ったのですが。

恐らく健康食品なんかが非常に増えているということは、巣ごもり消費等々もありますけれども、特にダイエット商品等がすごく増えているかというと、そういう数字そのものは我々の方で正確には把握をしておりません。具体的には担当の方に聞いていただければと。
ただ、この健康被害というお話も併せて報道されていたかと思うのですが、これは私どもとしては二つの対応があって、一つは消費者安全法上、これは以前、「ケトジェンヌ」と称する健康食品について注意喚起をさせていただいたところでありますし、また、食品衛生法とリンクした形で、例の指定成分等含有食品の指定、それから食品表示法上の表示基準の改正もさせていただいているかと思いますので、もしそういうような健康被害等々があれば、もちろん188に御相談いただくということも大切ですが、我々としては、そういう消費者安全法上の注意喚起なり、あるいは食品衛生法、これは他省庁でございますけれども、そういうところで対応させていただくということだと思います。
特にこれに限らず、そういういろいろなことに効果があると称する不当表示についても、非常に外出自粛時において増えるであろうとは思っておりますので、監視、強化をしっかりしていきたいと思っております。数字そのものについては担当の方に聞いていただければと。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
資料を見ていて、ちょっと聞き漏らしたので確認なのですが、先ほど一酸化炭素中毒のことをおっしゃったのは、除雪機のことですか、それとも停電時の発電機のことなのか。屋内で使わないで、屋外で使ってと。

除雪機の話です。これは物置の中で、エンジンがかかった状態の除雪機により一酸化炭素中毒になったと見られる報道もあったので、始動させるときは換気をよく考えてやっていただきたいということです。

それと、もう一つがコロナ対策なのですが、1月7日に対策本部の方から対処方針についての改定版が出たということで、先月の緊急事態宣言、その中で勤務の7割削減。消費者庁もそういうふうな方向だということで目指していくということを大臣がおっしゃったと聞いております。
一つ気になっているのが、各地の消費者生活センターの相談業務というのは、そういう対象になるのか、それは自治体による判断になるのか、ホットライン188(いやや)にということが書いてありますので、そこのところをちょっと確認したいと思ったのですが。

消費生活相談と外出自粛の話でございますが、消費生活相談自体は途切らすことがないようにしたいと思っておりまして、市町村の方で対応できなければ県が、県が対応できなければ国民生活センターで、という形でやらせていただきたいと思っております。それぞれの地域によってコロナに対する対応が違いますので、私の方で一律にこういう形でというふうに申し上げるということはしておりませんけれども、どうしても、例えば時間短縮をするとか、いろいろな形での対応、それぞれの地域で出ようかと思いますが、それについては、より広域の方でカバーしていくということにすることによって、消費者相談自体が途切れることがないような体制を私どもとしてはとりたいと思っております。
なお、今回なかなか間に合わないのですけれども、やはりPIO-NET自体がどうしてもリモートでできないという問題、もともとの本質的なところではございますので、これはPIO-NET改革の中で対応していくべき問題であろうとは思っております。

朝日新聞の兼田です。
今日は年の初めの会見ですが、今年、特に力を入れていきたいとか、通常国会も始まりますけれども、法改正含めていろいろ取り組むテーマというのはあるかと思うのですが、長官が特に力を入れたいと思っていらっしゃるようなことを教えてください。

もちろん法案、御案内のとおり、預託法、特商法、それからデジタル・プラットフォームと消費者庁の関係の法律については、是非やっていきたいと思ってはおります。また、公益通報者保護法の施行準備とかもありますが、今日この緊急事態宣言下であることも踏まえると、まず一つ目は、やはりコロナ対策として、消費者がだまされないようにするということが非常に大事だろうとまず思っております。
それから二つ目は、2022年の4月からの成年年齢の引下げということでございます。あと1年強ということでございますので、成年年齢の引下げに対する対策というのを、この1年より一層強化していく必要があろうかと思っております。
三つ目は、当然先ほど申し上げたようなデジタル化対応ですとか、それから地方消費者行政等々、今までやってこなくてはいけなかった宿題が、今まで引き継いできた、食ロスなり、消費者志向経営なり、たくさんございますので、これに意を用いる必要があろうかなと、このように思っております。
今の時点で言えと言われると、コロナ対策、あと1年の成年年齢の引下げ、それからいろいろな宿題と、こういうふうに申し上げるということかなと思っております。

NHKの秋山です。
少し話が変わって、お米の表示の件ですが、間もなく食品表示部会の方でも、ある程度の結論が出されるのかなとは思うのですが、これまでの議論で、体制の強化と周知徹底というところが幾つか委員から言われているところかと思います。施行のタイミングも含めて、その辺りやはり関心が高いというふうに意見が出ていたと思うのですが、今何かそういった意見が出されている中で、周知だったり施行のタイミングというのは、長官、何か今検討されていることというのはあるのでしょうか。

今おっしゃっているのは、農検以外のものもきちんと表示ができるようにしていく、こういうことでよろしいですね、お米の話っていうのは。
それについても、消費者委員会の御意見もお伺いして、最終的な取りまとめをしようとしているところだと承知しておりまして、実施するに当たっては、当然関係の業界の方々などにきちんと周知した上でやっていく必要があろうかと思います。具体的に今こういうスケジュールでということを申し上げる状況にありませんけれども、そこは相談してやりたいと思います。
もちろん消費者にとってたくさんの情報、表示の情報が増えるということは決して悪いことではないと思っています。ただ一方で、きちんとやってもらわなくてはいけないということも事実でございますので、それは両方にらみながら、遺漏のない格好でできるように頑張っていきたいと思っております。