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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年7月29日(水) 14:00~14:16 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

まず私からは、新未来創造戦略本部の開設についてです。
消費者庁は明日7月30日(木)に、徳島に「新未来創造戦略本部」を開設いたします。大臣と共に、私も徳島での看板かけ等のイベントに参加する予定です。私自身、この本部の「本部長」を務めさせていただき、日下部英紀審議官が現地を統括する「本部次長」を務めることとなっております。日下部審議官は御案内のとおり、直前まで総務課長をやっておりまして、もともと試行的に設置しておりました消費者行政新未来創造オフィスの立ち上げ時にも、参事官として現地のトップを務めていて、本当に適任だと思っております。この本部の機能の発揮に向けてのリーダーシップを期待したいと思っております。
また、この本部に設置する「国際消費者政策研究センター」のセンター長には、依田高典京都大学教授を任命いたします。依田教授は私どもの方の、デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会の座長も務めていただいておりますし、試行的にやっておりました消費者行政新未来創造オフィスでも、研究プロジェクトを主導していただいているということでございます。引き続き、行動経済学の豊富な知見を活用しながら、国際的な研究を牽引してもらうことを期待しております。

質疑応答

徳島新聞の久保です。
これ、人員の人数というのは、オフィスの何人から、戦略本部は何人とかっていうのは分かりますか。

開設時点では、国の職員とか、地方自治体、それから企業から派遣された職員、大学の研究者等の約60名で開設を始めます。今年度末までに順次拡充していく予定です。新型コロナウイルスの影響などもあり、人の派遣が遅れている部分もありますので、そういう予定としております。なお、以前の試行的なオフィスのことをお尋ねになっていると思いますが、消費者庁分でいうと49名でございました。国民生活センターが別にありましたが、それは別にして、消費者庁分に掛かるものとして今の60名に対比するものとしては、そういうことになっております。

本部長をお務めになるということで、改めて抱負をちょっと一言。

消費者庁は10年たっておりまして、これから新しいステージになるということだと思います。そうした中で、消費者といってもいろいろな立場の方がいらっしゃる。例えば、この間のG20のサイドイベントでもやらせていただいたようなデジタル化対応ですとか、あるいは国際化に対する対応というような、常に新しい消費者問題に対してどう対応するかということについての研究を進めていかなくてはいけない。これが一つ目です。
それからもう一つは、消費者庁は御案内のとおり、消費者庁そのものは現地を持たない組織でございますので、現場でいろいろな実証的なことを行って、それを全国に展開するということも非常に大事だと思っておりまして、実証的なことを行うフィールドとしての役割が非常に大きいだろうと思っております。
この二点を最大限発揮して、我々としても、地方創生と消費者行政、その両方がうまくいくように頑張っていきたいと思っております。

朝日新聞の兼田です。
Go To トラベルキャンペーン等で、結果的に消費者がいろいろと振り回される格好になって、キャンセル等の相談もひょっとしたら増えているのではと思うのですが、新型コロナウイルス関係のその後の相談状況はいかがでしょうか。

新型コロナウイルス関連と恐らく豪雨関連、それから今おっしゃっているような一般的なGo To トラベルを始めとするお話というのがあろうかと思いますが、若干報告をさせていただきますと、まず、新型コロナウイルスに関する消費生活相談の件数でございますが、集計日までのPIO-NETの登録件数でいうと、集計日である6月1日の時には4,000件近い3,992件まで1週間の増加数があったのですが、直近7月27日締めの1週間を見ますと1,021件となっております。大分落ち着いてきたかなと思っております。
一方で豪雨関連でございますが、これは既に御報告したとおり、0120-213-188で給付金・豪雨関連消費者ホットラインも設置したところですが、188と併せまして、7月27日締めの時点で約30件の豪雨関係の相談を受けております。内容としては、保険金ですとか、あるいは賃貸住宅の解約や退去の話、義援金や募金に関する話、それからキャンセルの話が主な相談だったという報告は受けております。
Go To トラベルに関しては、それそのものの相談は実はそんなにあまりなくて、恐らくGo To トラベルの担当に質問が行っているのではないかと思います。当方には、一時期キャンセル料負担に納得いかないとか、そういったのが2件くらいあったという報告は受けているのですが、これは国土交通省、観光庁の方で方針をお示しになられたので、その後そういうお問合せが当方にたくさん来ているという状況にはないと聞いております。

別件ですが、昨日、特商法と預託法の検討委員会が骨子をまとめて一区切りを迎えたわけですが、ある程度施策の方向性というのも見えてきたものもあると思うのですが、今の段階での受け止めというのを教えていただけますか。

昨日、特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会において、2月からの数次の委員会の議論をまとめて報告書骨子案を提示して、活発な議論が行われました。
これについては、詳細はいろいろと修正する部分はあるのですが、検討委員会の皆様のコンセンサスが大体得られたと思っております。大方針をお示しいただいたと思っておりますので、今後は具体的な詳細の制度設計に入っていかなくてはいけないと思っております。方針を受け止めて、特に販売預託と詐欺的な定期購入などを始めとする様々な課題がたくさんありますので、そういうことを含めていろいろな課題をお示しいただいたので、できるだけ早期に具体化を図っていきたいと思っております。

共同通信の国枝です。
徳島の本部の件ですが、研究内容を国際シンポジウムで世界に発信されるということですが、新型コロナウイルスの影響で、海外の研究者が来たりとか、国内でも徳島に集まるというのは難しくなると思います。秋にも予定されているということですが、どういった形で開催されるのか。新型コロナウイルスを考慮した形でされるのか、その辺をお聞きしたいです。

まず、今回は看板がけをして、できれば秋に開設の記念となるようなシンポジウムは行いたいと思っていますけれども、シンポジウムの持ち方などについては今の御指摘のとおり、なかなか海外の方をたくさんお呼びして行うというのは今の時期難しいのではないかと思っていますので、そこはどういうやり方があるか、工夫をしたいと思っております。

ウェルネスニュースグループの木村です。
昨日の特商法と預託法の検討委員会の件ですが、骨子案ではアフィリエイト広告の違反行為だとか、通販の適格消費者団体の差止請求の範囲拡大とか、本来かなり重要な案件が何か今後の課題に整理されているのですが、現段階で話せる範囲で、消費者庁としてはどういったタイミングで、どういう形でこういった残りの積み残しの課題を整理していこうということになっているのでしょうか。

骨子の中の今後の検討課題に入ったことを言われているのだと思いますが、もちろん今後の検討課題の中にも非常に大切な課題があろうかというふうに思っています。ただ一方で、かなり詰めなくてはいけないところがありますので、ここは少し時間が必要かなということで、今後の検討課題にしたものです。
まず、骨子に示した今後の検討課題以外のものも、正直申し上げて相当意欲的な御提案を委員会からしていただいたと私自身は認識しておりますので、それをまずしっかり受け止めてやることが大事だと思っていますので、その上で、そういった課題があるということは決して忘れることなく引き続き考えていきたいと思っております。

NHKの秋山です。
販売預託の今の関連で、ほかにも今同時に動いているデジプラの検討会と消契法の検討会もまだ動いていると思うのですが、まだ特商法ももう一回、来月もあるとは思うのですが、ある程度もう骨子として見えてきた中で、デジプラの検討会とか、消契法の検討会に橋渡しするというか、やり取りみたいなものっていうのは、骨子の中からは、デジプラの方についても触れられていたと思うのですが、何かほかの検討会に影響というのは、今、長官の方で何か考えていらっしゃることはないでしょうか。

消費者基本計画の工程表をこの間発表させていただいたところですが、その中において特商法と預託法、この夏に一定の結論を得ると書かせていただいているかと思います。
それから、デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引に関していうと、年内に一定の整理をすると言わせていただいているところかと思いますので、そういったスケジュールに乗ってやっていきたいと思いますが、御指摘いただいたとおり、昨日の中でもデジタル・プラットフォームのところの言及も当然あるので、両方どういうふうな整理をしていくかは今後少し議論していきたいなと思っています。
消契法の話や裁判特例法に関わるところもございましたので、それは橋渡しできるものは今回橋渡しし、各々のところで受け止めてやるべきものもあるだろうと思っています。そこは昨日頂いた骨子を基に、御提言いただいたものが最終的に実現できるように考えていきたいと思っております。

もう一点、マスクの需給のことで伺いたいのですが、菅官房長官が昨日、十分に足りてきているというような御発言をされたと伺って、最近話題のあの8,000万枚の話題に関連して、ある程度マスクは足りてきているのではないかというような発言をされたと報道で出ていたのですが、今消費者庁としてどのような情報が入っているかについて。
私の認識としては介護現場とかにはもちろん不足しているのですが、市井の方で、ある程度一時期の状況よりは足りてきていると。一月6億枚の増産体制も取れてきているというような御発言があって、一時期の足りない状況よりは、ある程度供給が戻ってきているというような御発言をされていたと認識しているのですが、高額転売の規制のときなどには一定数不足している状況があるというような下で発動されていると思うのですが、今後の推移などで今消費者庁として認識などがあれば教えていただけないでしょうか。

御指摘のとおり、輸入の方も割と順調ですし、国内での生産も相当程度動いてきておりますので、そうした意味においては比較的需給のひっ迫状況は緩和されている状況であることは確かだと思います。
一方で、ある特定のものについてはひっ迫する場面もあるかと思います。全体としては御指摘のとおりかと思いますが、個々個別の状況はございますので、それをしっかり見た上でいろいろなことを考えていく必要があるだろうと思っております。感染者の状況を含め、よく見極めた上で議論していく必要があるのではないかと思っております。