伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年7月8日(水) 14:00~14:15 於:中央合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)
発言要旨
まず始めに、7月3日からの豪雨被害によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。引き続き大雨が続いている地域もございます。被災地の皆様におかれては十分警戒していただきたいと思います。
消費者庁としては、既に大臣から御報告をさせていただいておりますが、食品表示基準の弾力的運用などの必要な対応を行っているところでありますが、引き続き、被災地の状況に寄り添い、適時適切に必要な対応をしていきたいと思っております。
二点目は、令和2年度「子どもの事故防止週間」についてです。
令和2年7月20日から7月26日まで、「子供の事故防止に関する関係府省庁連絡会議」の取組として、令和2年度「子どもの事故防止週間」を実施いたします。令和2年度のテーマは「家の中の事故に気を付けましょう」です。これは、この4~5月は新型コロナウイルスにより御自宅で過ごされる方が非常に多かったと思いますが、家の中でのヒヤリ・ハットの御経験について、実は私どもの方でアンケートをさせていただきました。この結果をまとめまして、これを基に家の中の危険な場所や物をもう一度見直していただきたいということをお願いするものです。
主なポイントですが、6月16日~18日に行った調査で、4人に1人くらいの方が家の中の事故、またはヒヤリ・ハットの経験があると。これはお子様がいらっしゃる方に対してアンケートしているわけですけれども、そういった御経験があるということでございまして、事故内容については「落ちる」事故が最も多く、中でも階段が多くなっております。また、発生場所については、台所、リビング、階段の順に多いということになっております。チラシの方で、それぞれのところで気を付けていただくことを書かせていただいておりますので御参照いただければと思います。なお、こちらの方のポスターも併せてウェブサイトに掲載しておりますので、ご覧いただければと思います。
また、「子どもの事故防止週間」の広報といたしましては、政府広報のラジオ番組での紹介や、全国の地方公共団体へのポスターの配布、「子ども安全メール」、「消費者庁 子どもを事故から守る!」Twitterの集中発信などを予定しているところであります。
質疑応答
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問
NHKの秋山です。
冒頭の大雨の件ですが、今後エリアが拡大して、西日本豪雨などの規模になる可能性もあるのではないかと個人的に思っていたりするのですが、いわゆる豪雨のホットラインのような、消費者相談のバックアップみたいなことは今後も検討される余地はあるというお考えでいらっしゃるのでしょうか。 -
答
今、0120につきましては御案内のとおり、例の給付金の話をやらせていただいているところであります。もう一個それをやるかどうか、全体の流れをまず見たいと思います。こういった被災地と消費者との関係ですが、まず今回、食品表示基準の話をしましたが、これは、避難所にいろいろなものを、例えば外装表示のない食品、レトルト食品とか弁当とかを出していただくときに、安全性に関わるもの以外のはいいですよというのが今回の趣旨です。これがまず一番始めにあって、それから、188(いやや)が、もしつながらないようなところがあればそれをバックアップしていく。市町村のがダメであれば県がやるし、県がなかなか大変であれば国民生活センターの方でつなぎ合わせていく。こういう形でネットワークを張るということがまずあります。そのあと今御指摘いただいたような、だんだん復旧段階になってきますと、それに伴ういろいろな詐欺まがいのことがありますので、それについてはお気を付けいただきたいということについて、また情報発信もしたいと思います。そのように段階を経ていろいろ行っていく必要があろうかと思いますので、状況を見て必要であれば検討していきたいと思います。
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問
ニッポン消費者新聞の丸田です。
「子どもの事故防止週間」についてですが、ラジオ番組とかポスターとか安全メールで周知されていくということですが、幼稚園とか保育園とか小学校とかということについてのプッシュって、何かありますでしょうか。
もう一点、先ほど出ました食品表示基準の件ですが、4月10日の、新型コロナウイルスに起因する食品表示の弾力的運用というものと、昨日の、災害指定地域対象の弾力的運用ということについて、中身が若干違うところがあるような気がしております。この違いというのはどういうふうに設定されたのでしょうか。 -
答
まず、「子どもの事故防止週間」については、関係省庁の連絡会議がございまして、内閣府、警察庁、消費者庁などのほかに文部科学省が入っておりますので、文部科学省とも連携して、どういった情報提供をしていったらいいかはまた御相談をさせていただきたいと思います。
それから、新型コロナウイルス感染症に関する食品表示基準の弾力的運用との違いでございますが、新型コロナウイルス感染症に対する運用については、一般消費者の需要に即した食品の生産体制を確保するという観点から、原材料等の調達に支障が生じた食品に対しての原材料や、原産地、重量順の記載の変更などに対応したということで、変更した表示の内容を事業者が消費者に伝達することが必要となるということでございます。ですから、全てではなくて非常に限定された、今の新型コロナウイルス感染症に関するいろいろな流通だとか、生産体制に起因するものに限ってやらせていただいているということです。
一方で、今回の自然災害に関する運用というのは、食品を被災地に迅速に供給するという緊急時の対応として、アレルギー表示や消費期限といった安全性に非常に関わるところ以外のところについては、緊急時ですので、被災者への食品譲渡や販売の際に、それ以外のことについての情報提供は必ずしもなくても構わないという整理をさせていただくというものなので、もともとの持っている目的というか背景が違いますし、対象とする弾力化の内容も異なるということになろうかと思います。 - 問 今回の場合はアレルギー表示と消費期限ということでしたが、前回はアレルギー表示と消費期限のほかに、加熱処理とかというのが入っていたのですけれども。
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答
原材料とか原産地とか重量順とか、その手のこと以外は、逆に言うとちゃんとやらなくてはいけないということなので、新型コロナウイルスの話の方がより記載しなくてはいけないとしているものは多いということになります。
- 問 以前消費者庁は子どもの事故防止に向けた冊子を作られておりましたが、今回のも、なかなかポイントがまとまっていてよいと思います。これは配布されるのかなと思っていたのですが、見たい方はウェブサイト上から入手ということですか。
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答
もともとニュースリリースとしていた文字のものだけでは、やや分かりにくいかなと思ったものですから、チェックができるような1枚を用意させていただいたので、これを御活用いただくということではないかなと思っております。いろいろな方々から御要請があれば何かしますが、基本的にはこれを打ち出していただいてお使いいただければと思っております。
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問
NHKの秋山です。
新型コロナウイルスについて長官の受け止めを伺いたいことが一点ありまして、新型コロナウイルスの予防を標榜するものですとか、高額転売関係の書類送検だとか逮捕者が引き続き出ていて、一定の効果が出てきている一方で、まだ詐欺まがいというか悪質なものは一定数あるのではないかなと思っております。引き続き逮捕が出てきていることの受け止めと、今後の注意喚起の必要性というのを改めて伺えないでしょうか。 -
答
マスクにしても、アルコールにしても、転売の禁止をさせていただいて、一定の効果はあったと思いますが、一方で、御案内のとおりそういう違反をされた方がいらっしゃるというのは事実で、報道等により承知をしているところであります。
特に、今のはアルコールの話をおっしゃっているのだと思います。一部の一般の小売店舗の店頭では、まだアルコール消毒商品が品不足にあるということを背景にしているのだろうと思いますが、これは先週の会見でお伝えしたとおり、アルコール消毒用品はもちろん非常に有効ではございますが、それ以外にも用途に応じた有効な消毒、除菌などの方法があるということをお伝えさせていただいているところであります。手指だったり、物に対してだったり、それぞれによって違うということで、それぞれきちんとポイントを見ていただいてお使いいただきたいという御紹介をさせていただきました。消費者の皆様におかれましては、このような情報も是非御活用いただいて、その場、その利用用途に応じたものを使っていただければと思っております。こういったことについての情報発信をきちんとしていくということも我々としては非常に大事な役割だと思っておりますので、引き続きそういった取組をしたいと思っております。
なお、先週お答えをさせていただいたもので、なかなかそうはいっても、チェックポイントといっても濃度などは書いてないというお話をさせていただいたところですが、これについては小売団体等に対して適切な情報提供をしていただくようなお願いの文書を、昨日、経済産業省と連名で出させていただいたところであります。この間のチラシももう一回、もう少し丁寧に記載を書き換えたところもございますので、それを見ていただいて御活用いただければと思っております。 -
問
朝日新聞の前田です。
今の話の関連で、次亜塩素酸水が、正しい使い方というものがあるにせよ一定の効果がありますよということが証明されて、やっぱり使えるんだと思って購入される消費者の方もいると思います。一方で、今お話があったみたいに、濃度が書いてないなどの表示の問題があって、今業界団体に文書を発出したということですが、法律的にその縛りがないので難しいかもしれないのですが、それがきちんと運用されているかじゃないですけど、店頭に並ぶものがきちんと消費者に分かりやすいような表現、表記になっているかということは、何かしらの方法で確認されたりとか、それを担保するようなことは今考えていらっしゃいますか。 -
答
次亜塩素酸水の場合は、表記よりも使い方の問題が大きいので、濃度がこれだけあればいいというだけではない問題はあろうかと思いますが、この間チラシに出させていただいたとおり、手指に関しては医薬品、それから指定医薬部外品を含む医薬部外品か、アルコールが、これは体積で60%のものが有効というふうになっていますので、実は重量表記で60%以上のものが火気厳禁と書かれることになっているので、これも一つの目安にしていただけるといいということを申し上げたと思います。物品等については界面活性剤等々が代替品として使えますよということを申し上げました。更に細かいことになると、恐らくお店の方に聞いていただくしかないので、そこを先ほど申し上げたように、できるだけ情報提供していただくようにお願いしております。
表示で全部対応するというよりは、使い方の問題ももちろんありますので、そこは消費者の方がそれぞれ何に有効かというのをよく見ていただく必要もありますし、できるだけお店の方でもそういった誤解がないよう、例えばPOP表示といったことをしていただけるようにお願いしたいと思っております。