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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年6月10日(水) 14:00~14:12 於:中央合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

発言要旨

既に大臣から御発言をさせていただいておりますが、まず、私の方から二点申し上げたいと思います。
一点目は、公益通報者保護法の一部を改正する法律の成立についてです。
8日の参議院本会議において、「公益通報者保護法の一部を改正する法律」が全会一致で可決・成立いたしました。今回の改正は、消費者の安全・安心を損なう事業者の不祥事が後を絶たない状況にあることに鑑み、法令違反の行為が早期に是正される環境を確保する観点から、事業者に必要な体制の整備等を義務付けるなどの措置を講ずるものです。
この法律は、今のところ6月12日に予定しております公布の日から、2年以内に施行することとしております。今後、1年くらいをめどに指針等の作成をする必要がございますので、関係者の御意見も伺いながら、それを整備し、また、十分な周知をしていく必要があると思っております。十分周知をした上で万全を期して施行できるように、私どもとしても準備を進めたいと思っております。
二点目です。昨日、令和2年版の消費者白書を公表いたしました。メディアで既にいろいろ取り上げていただいておりますことに関して、感謝申し上げたいと思います。今回、最近の消費者相談の状況のほか、特集として、食品ロスの削減を中心に「持続可能な社会の形成に向けた取組」について分析しております。
消費者庁としても、このような白書でお示ししたような現状なども踏まえまして、消費者への注意喚起などを進めるとともに、施策の検討も行っていきたいと考えております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
それから、もう大分収まってきましたが、新型コロナウイルス感染症に関する相談についても、併せて御報告をさせていただきたいと思います。
新型コロナウイルスに関する消費生活相談は、本年1月からの累積で4万件以上寄せられているところであります。直近の3週間、先週御報告したところですと、大体毎週4千件くらいの相談が寄せられておりましたが、6月8日までのこの一週間にPIO-NETに登録された相談件数は3,300件くらいになっておりまして、やや落ち着いてきている感じがします。
相談内容としてはそんなに傾向は変わっておりませんが、今後とも給付金詐欺等を始めとした新型コロナウイルス感染症に関連した様々な消費者問題に関して、注意喚起を始め、全力を尽くしていきたいと思っております。

質疑応答

共同通信の国枝です。
公益通報の件ですが、労働者に対する意識調査は平成28年度の調査が最後だったかと思いますが、今後意識調査等をしていく見通しはあるのか。あと附帯決議でいろいろと指針やガイドラインの策定の話が出ていたと思うのですが、そういったものの策定の見通しと、その周知の方法は、今後どういうふうにされるのかということをお聞きしたいです。

まず、労働者に関する調査は確かに御指摘のとおり、しばらく行っておりません。法律関係の作業の方を集中していたものですから、手が付いていないのですが、落ち着いたらまた調査も是非したいと思っております。
それから、附帯決議の方ですが、国会の法案審議の過程の中で、いろいろな宿題を頂いているところであります。これについては先ほど御説明しましたとおり、まず今の法律のきちんとした施行が優先でございますので、内部通報体制整備に関する指針ですとか、あるいは2号通報に関してのガイドラインも、今回の改正に合わせた見直しを当然していかなくてはいけません。様々なやるべきことがございますので、まずこれを先に行いたいと思っております。
先ほど申し上げましたとおり、大体1年くらいをめどに関係者の意見も伺って指針を策定し、それから、今御指摘いただいたような周知、それぞれ労働者に申し上げることもありますし、事業者に申し上げることもあれば、通報を受ける側の方の地方公共団体に対してもございますので、様々な方に対してこの制度の周知をしていかなくてはいけないと思っています。
その際には、当然、関係省庁に御協力いただかなくてはいけない部分も当然あろうかと思っておりますので、これは指針などを、法律施行に向けたいろいろな準備作業をする過程において、必要な人にきちんと情報が届くようによく目配りをしていきたいと思っております。

NHKの秋山です。
今のお話の関連ですが、周知だと、全国から人を集めたりすることがなかなか今は新型コロナウイルスの影響で難しいかとは思います。新型コロナウイルスが影響する可能性があり得るのかとか、何かアイデアとかはありそうですか。

制度そのもの、こんな改正をしましたという内容はもちろん御説明する必要はあろうかと思いますけれども、一方で、例えば、守秘義務のところについての刑事罰が今回入ったことなどについては、きちんとまた別にお話しなくてはいけないところもございますので、状況次第ではオンラインで行うということになると思いますが、関係者の意見をいろいろお伺いしながら、まずそれを作っていくということだと思います。
周知は恐らくそういったことをいろいろ行いながらということになろうと思いますので、今のこの新型コロナウイルス感染症の状況ということだけを考える必要はないかと思います。骨格のところは関係者の皆さんは比較的御存じだと思いますので、もっと個々のいろいろな労働者の方、あるいは事業者の方にきちんと届くためには、もっと詳細なことも併せて行う必要があると思いますので、そこはこの1年掛けていろいろ行っていく中において考えていきたいと思います。そうすると、先ほど申し上げたとおり、新型コロナウイルスの影響というのも少し変わってくるのかなと、そういったことを期待したいと思っています。
特に、いろいろな義務付けをするということになりますので、よく御理解いただいて、周知をしていくということは大変大事だと思っていますので、そこには十分意を用いて行っていきたいと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
最初に御発言のあった消費者白書についてですが、なかなか面白い特集があったりしますが、周知といいますか、白書の提供や配布はどうされるお考えなのか。各行政機関はもちろんのこと、いろいろあると思います。
もう一点、徳島に消費者庁新未来創造戦略本部が7月に開設されるということですが、開設予定は7月1日と考えてよいのでしょうか。

消費者白書は、消費者庁のウェブサイトに全文が掲載されています。また、市販版につきましては、7月下旬に出版社から発売予定となっております。全国官報販売協同組合 政府刊行物センターに問合せ、申込みをしていただくか、あるいは官報取扱書店や最寄りの書店に注文していただければと思っております。
担当の方もとても頑張って、面白い特集にしてくれたので、是非皆様方に御活用いただければと思っております。
徳島の消費者庁新未来創造戦略本部は、7月をめどにと既にお話をさせていただいているところでありますが、新型コロナウイルスの影響により、全体的に予算などのいろいろなことが少し後ろ倒しになっているものですから、7月1日開設とまだ決めきっているわけではございません。状況を見つつ、最終的に決めたいと思っております。

時事通信の片岡です。
今、NITEで検証が進められている次亜塩素酸水についてです。消費者庁の方から何か注意喚起をされるのではないかと思っているのですが、NITEの中間報告では、その効果がまだ未検証ということで、よく分からないということのようです。文部科学省は、使わないようにしてくださいというような通知を学校に出していますが、消費者庁としては今後どういった対応をとっていくのでしょうか。

御質問は、次亜塩素酸水というよりは、恐らく消毒や除菌効果をうたうものについての取扱いをどうするのかということだと思います。消毒や除菌効果をうたう商品というのは、手指に使うのか、物を拭くのに使うのかによって恐らく違ってくると思いますが、そういったことについて、どういったことに気を付けていったらいいかということを消費者庁としても発信はしていきたいと思っておりますが、関係省庁、今おっしゃったNITEの話も含めまして、現在調整しているところでございますので、できるだけ早めに情報発信をしたいと思っております。
今おっしゃったような、消毒剤等の空間噴霧は控えた方がいいのではないかというふうなことを文部科学省が通知されたのはもちろん承知しております。そういったことも含めて整理をして、近いうちに消費者庁としても関係省庁と連携して情報発信をしていきたいと思っております。もう少し御時間を頂ければと思います。