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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年5月27日(水) 14:00~14:17 於:中央合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

発言要旨

既にお知らせしておりますが、私は昨日より職場に復帰し、通常の勤務形態に戻っております。この間、テレビ会議による記者会見への御協力等々、大変皆様には御協力いただきました。本当にありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
まず、私からです。5月は消費者月間でございます。従前から行ってきたシンポジウム形式のイベントの中止については先日お伝えしたところでございますが、今般このようなときだからこそ、一人一人の消費と、社会のつながりを考えようという主旨で、豊かな未来に向かって具体的な行動を起こすきっかけとしていただくために、一言メッセージ動画の配信及びSNSへの投稿キャンペーンを行うこととしております。
皆さんに集まっていただくというシンポジウムの形ではなく、つながりを考えていこうということで、具体的には、著名人の方や有識者、それから消費者教育推進大使になっています地方公共団体のマスコットキャラクター等から、消費者としての豊かな未来への取組ということについてのメッセージ動画を頂いております。その動画をつないだまとめ動画を、本日、消費者庁のウェブサイト等で公表いたします。消費者の皆様からの「いいね」をお待ちしたいと思います。
また併せて、これを参考に広く消費者の皆様にも、豊かな未来へというメッセージを入れた一言メッセージ動画を、皆様御自身のSNS等に投稿していただくというキャンペーンを8月末まで行いたいと思っております。動画の作成方法などについて分かりやすく解説したメイキング動画も併せて公開をいたします。詳しくは消費者庁のウェブサイトを御覧いただきたいと思います。なお、投稿キャンペーンの結果については取りまとめの上、10月の食品ロス削減推進月間のときに公表を併せて行いたいとも思っております。消費者の皆様の積極的な投稿をお願いしたいと思っております。
また、新型コロナウイルス感染症に関する消費生活相談件数を毎回皆様に御報告しておりますので、これについても御報告させていただきます。全国の消費生活センター等からPIO-NETに登録されている5月25日までの件数は、新型コロナウイルス感染症関連ということで3万5,044件、5月19日から25日までの7日間では3,861件の増加ということですので、初め、確か2,000件弱だったのが3,000件くらいになって、先週から4,000件くらいと、このようになっております。うち給付金詐欺等に関しては251件となっております。
相談の中身につきましては従来から御報告しているとおりですが、特に給付金関連ですと、前に申し上げたように、給付金の手続ができると思って個人情報を伝えてしまったとか、代理と名のる人に何か聞かれたとか、あるいは、支援金を支払うというメールが届いて、手続費用として電子マネーやクレジットカード決済でお金を払ってしまったというようなものもありますので、引き続きこういったことに関する注意喚起をしたいと思いますし、何かございましたら消費者ホットライン188、又は新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン0120-213-188(にいさんいやや)に御相談を賜ればと思っております。

質疑応答

NHKの秋山です。
オンラインで、いわゆる在宅で2週間やられていたということで、今は新しい生活様式ということですが、その長官御自身がされた上で、この新しい生活様式の中で、このオンラインとか在宅というのは今後、消費者庁としてはいつくらいまで続けるとか、若しくは、どのように今後、感じていらっしゃるのでしょうか。

在宅勤務については、私ども、消費者庁全体でいうと、テレワークの環境自体も実はそんなに完璧には整っている状態にはなくて、随時、機器の整備等々もしてきたところなので、そういった体制は今後も引き続き整えていく必要があるだろうと思っております。
私自身は2週間完全に自宅だったので、テレワーク自体は、メールや電話、あるいはテレビ会議でできるとは思いましたけれども、一方でどうしてもメール等だけですと表情がよく分からないということもあり、実はテレビ会議も、画像の質が良くないということもあるのですが、皆さんがどういった表情で御質問されているのかよく分からないというところがあって、もう少しデジタル化のレベルが上がってくると違ってくる面もあるのかなと思ったりもしました。また、2週間完全に、というのは結構きついなと。リアルで集まって行った方がより効率が上がるものと、遠隔でも十分なものがあるというのが私の感想です。これ以上長いと結構厳しいなと、個人的にはそういうふうに思いました。職員の方も、私に直接会って言った方が早いのにという部分も多分あったと思うので、その点は大変皆さんに御協力いただいたと思っております。感謝しております。

併せて消費者の方に、今後新しい生活様式の中で過ごされていかなくてはいけないわけで、注意喚起やメッセージは既に出されているとは思いますが、御自身が2週間在宅だったことの経験を踏まえて何か感じられたことがあれば教えていただけないでしょうか。

まず、私の場合は感染症で陽性になったのが父で、非常に高齢だったものですから、症状が結果的にはなくて良かったのですが、非常に心配いたしました。感染症で陽性になられた方は、恐らく入院されたり、いろいろな状況の方がいらっしゃるのだと思いますが、まずはお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、今闘っていらっしゃる方には心から御快復をお祈り申し上げたいと思います。また、その関係者という方々も大変心を痛められていると思います。私も本当に大変だったので、思いを一にするものであります。
その一方で、そういう状況にない方、恐らく緊急事態宣言が解除されて比較的経済活動も増えているとは思いますが、やはりそういうふうになると本当に大変です。症状が出るともちろん大変ですが、仮に出なくてもそれ自体への心配もありますし、それから、自分自身やその家族、関係者などにうつしているのではないか、あのとき誰に会ったのか、とても気になりましたので、とにかく十分な手洗いの徹底や3密の回避などの新しい生活様式を前提に生活をしていただきたいと思います。
先週の金曜日に業界のガイドラインを逆方向で、消費者側から見たものを消費者庁のウェブサイトに掲載させていただいていますが、しばらくは新しいやり方というのを皆さん考えながらやっていく必要があると思います。職場復帰をした私の個人的な感想も含めて申し上げると、一旦そういうふうになると本当に大変ですので、消費者の皆様も、十分そういったことに気を付けていただければと思います。
また、消費者庁といたしましては、これに便乗するような動きについては、引き続き情報提供を行い、また、十分監視をした上で必要な対応は厳正に行っていきたいと思っております。

共同通信の国枝です。
公益通報者保護法が先週末に衆院通過して、来月頭にも恐らく成立すると思いますが、14年ぶりに改正ということで修正案も出されましたが、長官としての受け止めをお聞きしたいと思います。

公益通報者保護法、久方ぶりの改正ということでございます。やはりまず公益通報、会社自体のそのガバナンス、コンプライアンスというのは非常に大事ですし、そのことによって結果的に見ると消費者被害が起きるということを断固として防がなくてはいけないというのが私どもの立場です。
その上で今回、内部通報体制整備を始めとするいろいろな対象の拡充等、様々なことを法案に盛り込ませていただきました。国会審議の中でまだまだ宿題として残っている部分はあろうかと思いますが、まずはこれから参議院の方でしっかり御議論いただいて、成立させていただいた上で、指針等々あるいはガイドラインといったような形で、具体的な施行に向けて、しっかりと今の法案の内容について対応してまいりたいと思います。
その上で、いろいろなことを動かしていきながら、御指摘いただいた宿題についても勉強していきたいと思っております。公益通報者保護については、大企業を含めて不祥事が多かったと思いますので、そういったことが早いうちに未然防止される。通報を受けて、早いうちに不祥事を防げて、かつそういった通報をされた方が守られるという環境を作っていきたいと思っております。

ウェルネスニュースグループの木村です。
新型コロナウイルスの影響で、保健所の業務負担が今は大きいかと思うのですが、毎年夏にやっている食品の夏期一斉取締りのときに、消費者庁が行う食品の表示の一斉監視は今年はどのような形で行うのか、若しくは行わないのかというところについて、もし分かれば。

原課に確認をしていただいてよろしいですか。すみません。
※本年は新型コロナウイルス感染症対策等で、今回一律に重点項目を決めるという形では行わず、地域で柔軟に対応していただくよう通知済。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
二点あります。一点目が、5月が消費者月間のことについて、先ほど、動画の配信ということがあると。その中で、マスコットキャラクターということをおっしゃっていました。これは各自治体のということで、今回のこの5月のキャンペーンでは各自治体が参加されたものとして放映されるということですか。

はい。動画は、エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーの冨永愛さん、エシカル協会の末吉さん、落語家の立川平林さんのほか、消費者教育推進大使、これは地方公共団体の公認のマスコットキャラクターで、消費者教育の推進、あるいは消費者市民社会の概念の普及に関する活動を担うということで、消費者庁が委嘱したマスコットキャラクターについてもメッセージを頂いておりまして、そういうのをつなげた動画になっております。
非常に若手の職員が頑張って、動画の作り方というのも自分たちでやってくれていまして、大変面白いものになっているので是非御覧いただければと思っております。

もう一点、消費者庁の方で4月10日に食品表示基準の弾力的運用というのがありました。緊急事態宣言の解除に伴って、これを解除される場合には何か目安基準があるのか、それとも、解除する予定をどういうふうにされているのかということをお聞きしたいです。

緊急事態宣言が解除されて、食品流通の状況がどうかということだと思います。緊急事態宣言は御案内のとおり国内の問題です。食品表示基準の問題というのは、海外から輸入される様々なものがなかなか順調に入ってこないということに伴う問題も実はあって弾力的運用を行っておりますので、国内の緊急事態宣言が解除されたからといって、直ちにその状況は変わるかどうかと言われると難しい部分はあると思いますが、それは世界全体の流れの中での食品の流通の状況がどうなるのかということをしっかりと見極めた上で、必要がなくなればやめるということになろうかと思っております。まだ今の段階では、それを判断できる状況ではないと思っております。

時事通信の片岡です。
プライベートな話で聞きにくいところではあるのですが、御自宅で、高齢のお父様に陽性反応が出て、御自宅で過ごされているときに大変だったことなどを、もう少し教えていただけるとうれしいのですが。

それは申し訳ないですが、消費者庁長官としてのお話ではないのであれですけれども、父は、通所施設で陽性が出たので、施設の全員検査をして、父は症状がなかったのですが、陽性になったということです。
本人は別に隔離されておりましたが、ヘルパーさんなども当然濃厚接触者になるわけで、そうするといろいろなことが止まりますので、それはなかなか大変なことだなと今回思ったところです。