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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年4月8日(水) 14:00~14:14 於:中央合同庁舎第4号館12階全省庁共用1208特別会議室)

発言要旨

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、御案内のとおり、昨日、7都県を対象とする緊急事態宣言が行われました。消費者庁といたしましても、例えば同一の班、係で勤務する職員を交代で出勤させるなど、在宅勤務、いわゆるテレワークを徹底していきたいと思っております。また、外部の方を招いての検討会が幾つか予定されておりますが、延期、または書面審議にする、あるいはオンライン会議開催にするということを検討しており、実開催は避けたいと思っております。
また、こうしたことを踏まえまして、5月は消費者月間でございますが、シンポジウム形式といった直接人が集まる形式では行わずに、異なる形で開催を行いたいと思っております。消費者支援功労者表彰につきましては、行いますけれども、これも表彰式という形では行わずにやりたいと思っております。具体的な内容については後日またお知らせしたいと思います。
なお、新型コロナウイルス感染症に関連する消費生活相談ですが、4月6日までに、1万513件、PIO-NETに登録されている件数が上がってきております。3月31日にお伝えしたものからは、1,900件ぐらい問合せが増えている状態です。内容としては、相変わらずキャンセルの話、ものが不足している話のほか、それに便乗しているのではないかといったような御指摘も頂いているところであります。今後、また消費者不安に便乗したものが出てくる恐れがあると思っておりまして、引き続き注視し、情報発信をしていきたいと思っておりますので、御協力をお願いしたいと思います。
また、買物等につきましては、食料等の供給は安定的になされ、そのための外出も可能であるとされておりますけれども、買物はできるだけ混雑時を避けていただいて、ほかの方に感染させないよう、気遣いをしていただきたいと思います。また、マスクなどについて、一部、消費者による行き過ぎた言動が報じられております。お店に意見を言っていただくということは大事なことではありますけれども、その際には伝え方などもお考えいただいて、是非協力して、引き続き冷静な購買行動をお願いしたいと思います。
また、農林水産省と経済産業省と消費者庁で作りました、買物をするときのお願いについての啓発チラシがありますので、是非、こういうものですとか、あるいは当庁のウェブサイト、公式Twitterからもいろいろなことを発信させていただいているので、御覧いただければと思います。
また、家にいらっしゃって、デジタル・プラットフォーム事業者を介して、そこのショッピングモールサイトも使われて、ものを購入されることも多いと思います。昨日、偽ブランド品について行政処分をお伝えさせていただいたかと思いますが、これは事業者自体が誰か分からない、一種不明であるといった非常に特殊な事案だったと思っております。消費者におかれては、取引相手はデジタル・プラットフォーム事業者ではなくて、個々の出品者、出店者であることも多いと思いますので、信用できるかどうかについて、御自身でも是非御確認いただきたいと思います。現在進めているデジタル・プラットフォームに関する検討会においても、このような事案なども参考にしながら検討を進めていきたいと思っております。

質疑応答

毎日新聞の小川です。
お話の中で、消費者に行き過ぎた言動があるといったことでしたが、例えばどういった場所でどのような事例があるのかということと、統計的な何かデータのようなものがあれば教えていただきたいです。

統計はないのですが、特にマスクの不足に関しては、従業員に対して暴言を吐かれたり、従業員の方を結果的には謝らせたり、そういった事案があると幾つか聞き及んでいるところであります。どうしても、ものが手に入らないということで、非常に不安に駆られやすい状況ではあるとは思いますけれども、従業員の人たちもできる限り頑張っているという状況ですので、その点についてはよく御理解をいただいて、協力してお買物をしていただければと思います。どうしても不安な状況になると、そういった行動になりやすいと思いますので、意見をどう伝えるかという、古谷先生の資料もTwitter及びウェブサイトに掲載しているので、御参考にしていただければと思っております。

読売新聞の田中です。
令和2年度の補正予算案で、地方消費者行政強化交付金と、あと、訪日観光客等相談体制強化ということで、消費者庁の方で発表されていると思うのですけれども、改めて新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、どのような点を強化される思いか、お聞かせいただければと思います。

今回の補正予算において、地方消費者行政強化交付金が4億円、訪日観光客等相談体制強化が1.35億円、消費者庁のテレワーク環境整備で0.15億円を補正予算で計上させていただいたところであります。
この二つの地方消費者行政強化交付金及び訪日観光客等相談体制強化、共に新型コロナウイルス感染症の拡大に関連して増加が見込まれるいろいろな消費者相談に対して、例えばオンラインで相談を受け付けるですとか、あるいはAIやIT技術を活用してというようなことも含めて、体制整備を進めていくための費用を計上しているところであります。
消費者相談そのものは、今の状況を申し上げると、一部対面を取り止めたり、あるいは交代制にしたりして、地域の消費生活センターにはいろいろ御努力をいただいているところでございますが、今後更に消費者相談は増えると見込んでおりますので、そういったことに対してきちんと対応できるように、この補正予算を計上しているところであります。
仮に市の消費生活センターに支障が生じるようなことになれば、都道府県の消費生活センターや国民生活センターがバックアップ、あるところができなければバックアップしていくとかですね、そういった形で相談業務の継続性を可能な限り確保するというふうに思っておりますので、私どもとしては、そういったことを通じて地方公共団体、それから国民生活センターにおける消費者相談体制の強化について取り組んでいきたいと思っております。

朝日新聞の前田です。
補正予算案に関連して、二点目の訪日観光客等相談体制強化というのは、今はそんなに訪日観光客がいないかと思うのですけれども、具体的にはどういった事態を想定しての予算なのでしょうか。

海外に行かれる、あるいは日本に来られる予定だった人のキャンセル等々の話は現時点では起きておりますので、それに対応することが一つと、それから、落ち着いた後での対応ということもあろうかと思っておりますので、その両面をにらんでということでございます。
今現在、交流が非常に多いというわけではありませんので、それに関しての話ではなく、前後を含めてということで考えていただければと思っております。

NHKの秋山です。
今のに関連してなのですけれども、緊急事態宣言の対象地域となる消費生活センターに伺ったところ、現時点だと体制維持と伺ってはいるものの、人が少ないところだと、もし感染者とか濃厚接触者が出たら厳しい状況ですとか、施設の消毒に伴っていちいち休止せざるを得ないというような声も伺っております。補正予算でオンラインなど進められるということですが、もしめどなどがあればというところと、具体的に消費者の方々が電話相談以外で対応できるような仕組みで何かお考えのものを教えてください。

先ほど申し上げましたけれども、御指摘のとおり、現時点では各地域の消費生活センターでは、対面での御相談は取り止めたり、あるいは交代制にしたりということで維持をしていただいていると理解をしております。
基本的には電話相談ですので、特別濃厚に接触するということではないので比較的リスクは少ないかとは思いますが、御指摘の点も確かに心配なところであります。
仮に市の消費生活センターでそういうことが起きたら、その都道府県の消費生活センターでまずバックアップをしていただく。都道府県の消費生活センターでもなかなか難しければ国民生活センターがバックアップすると、そういう形で対応を取ろうということで相談をさせていただいているところです。
ですから、補正予算でいろいろなシステム自体についても、今後のこともございますので対応はしていきたいとは思いますが、そういった重層的な対応によって、消費者相談というのが社会的なインフラとして途切れることがないようにさせていただきたいと思っております。

朝日新聞の前田です。
買物をするときのお願いに関連してなのですけれども、今は混雑を避けるために、あと、商品の安定供給のために、スーパーマーケットなどがチラシを自粛しているという現状があって、そのせいで何が安いか分からず、幾つもスーパーマーケットを渡り歩いてしまう、あるいは逆に値段が分からないから買物に行く気にならないというような声が相次いでいます。毎日買物をしていた人が3日に1回にするとか、生活習慣を変えるのはすごく難しいのではと思っているのですが、こういった現状を乗り切るために、こういった現状でも上手に日常生活の買物をするための方法というのも、具体的にどこかで発信していかないといけないのかと思うのですけれども、そこについてはいかがでしょうか。

買物については農林水産省、経済産業省と連携して、この啓発チラシは作らせていただいているところです。
もし御指摘のような話があるのであれば、農林水産省及び経済産業省にもお伝えして、どういった工夫ができるかということを考えたいと思います。
今の状況ですと、買物の中身というよりは、お店の営業時間がどうなっているかという情報がきちんと伝わることがまず第一だと思いますので、そういったことをまず第一に行っていただいた上で、今御指摘のような形で、自粛しているつもりがかえって消費者の行動に混乱を起こすような、あるいは御心配になられるようなことが起きることがあるのであれば、それぞれのお店の方でどういった形で情報発信をしていただくかということについてもお考えいただくということはあるかと思います。ただ一方で、毎日お買物をされていたのが、ある程度外出機会を減らすという観点から、買いだめるという意味ではなく、まとめ買いをされるというのはあり得ることだとは思いますので、今のような事態においては、普段の生活に少し工夫をされるというのが絶対悪いかというとそうでもないのではないかと思います。もしそれがとても混乱を起こすような本当に困ることだとするならば、農林水産省及び経済産業省と連携して何らかの発信をしていきたいと思います。御指摘ありがとうございました。