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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年3月25日(水) 14:00~14:15 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

発言要旨

一点目は、感染症に関連した消費者トラブル回避のための啓発資料の公表についてです。今年に入ってから受け付けた新型コロナウイルス感染症に関する消費生活相談ですが、3月23日までにPIO-NETに登録された件数は6,295件になっております。
主な相談内容としては、前回の会見でも申し上げましたが、キャンセルや商品の不足に関するものが依然として多い状況ではありますが、一方で、直近の傾向といたしまして、新型コロナウイルスに関する予防効果を標ぼうする商品への当庁が行った注意喚起をきっかけにしたもののほか、深刻な消費者被害につながりかねないものも見られております。例えば、フィッシングに関するものや、ネガティブ・オプションに関するものなどが見られるようになっております。このようなものは今後増加する恐れがありますので、本日、新たに注意喚起資料を作成いたしましたのでお知らせいたします。表面には、いろいろなものを注文しようと思ったら、偽のウェブサイトへの誘導等によって個人情報が取られたといった例、それから、借金の問題に関する相談、あるいは新型肺炎対策補助金の申請をうたうメール等々による相談なども寄せられている旨を記載させていただきました。裏面には、いわゆるネガティブ・オプション、身に覚えのない商品の送り付け商法について、例えば、消毒用ジェルのようなものが送られてきたという例がありまして、これについては場合によって具体的な対応が変わりますので、分かりやすく整理をさせていただきました。なお、御不安な方は消費者ホットライン「188」に御相談いただければと思います。
二点目は、機能性表示食品の事後チェック指針の公表についてです。消費者庁では機能性表示食品の事後チェック指針を策定し、昨日3月24日に公表いたしました。本指針は、本年4月1日から運用を開始することといたしましたのでお知らせいたします。
機能性表示食品は、御案内のとおり2015年4月の制度運用開始から約5年ということでございますが、届出公表件数が3月23日時点で2,556件になっております。
昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画においては、機能性表示食品の事後チェックの透明性向上に係るガイドラインの策定等が求められておりまして、これを受けて本指針を策定いたしました。機能性表示食品の制度が健全に発展するためには、消費者に信頼される制度となることが非常に大事だと思っております。今後、本指針に基づき、業界団体の御協力の下、当該制度の更なる円滑な運用が図られるとともに、事業者の自主管理の推進によるコンプライアンスの向上が図られることが求められると思っております。消費者庁としては、今後とも適切な制度運用に努めていく考えです。

質疑応答

NHKの秋山です。
冒頭の新型コロナウイルスの注意喚起についてなのですけれども、まだ件数は少ないとは伺っておりますが、いち早く注意喚起をされた、長官としての思いや狙いといったところがあれば教えていただけますでしょうか。

新型コロナウイルス関連の様々な問合せにつきましては、かねてより御報告しておりますけれども、毎週、大体1,700~800件くらいの数ですが、やや状況が変わってきておりまして、今までですと、キャンセルをしたいのだけど、どうなるのだろうかというようなお話ですとか、あるいはマスクが手に入らないとか、そのようなものが多かったのですが、これは災害も同じなのですけれども、少しフェーズが変わってきていて、新型コロナウイルスに便乗するようなものがかなり出てきており、今までと状況が変わったため、それを早めに申し上げておく必要があるのではないかと考えました。とりわけ災害時ですとか、こういった感染症拡大時といったような緊急事態の時には、どうしても消費者心理としては、通常ですと落ち着いて考えられることが、不安心理から、ある意味でだまされやすい状態になっているところがありますので、こういうことについては早めに注意喚起をした方が良いだろうということで一度整理をして公表させていただいたということでございます。今後も、このような類似のもので、これはお知らせした方が良いということがあれば、早め早めに情報提供をさせていただきたいと思っております。

関連してなのですが、消費者だけでは、どうしても不安に思ってしまったり、悪質な手口というのは今後も類似して出てくる恐れがあるということですけれども、例えば、今回でいうとクレジットカード会社ですとか、通販会社ですとか、いわゆる民間業者への協力も消費者の心強いサポートにつながるのではと思うのですけれども、そういった幅広い連携というところは、消費者庁としてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

今回の、このような啓発資料につきましても、消費者一般に向けてお知らせするのと併せまして、関係の団体についてもお届けするようにしたいと思っております。特に今回はお金の話もございますので、金融庁とも連携して、金融関係団体から所属の個別事業者へも配付されるように依頼をしているところです。
どういったところに周知するかということですが、まず本日中に、都道府県、指定都市及び消費者団体への情報提供を実施いたします。それから、日本通信販売協会、日本訪問販売協会を通じた周知、また併せまして、先ほど申しましたように金融庁を通じて金融関係団体から所属の個別事業者へ、具体的には日本貸金業協会、全国銀行協会といったところに配付されるように依頼することを考えております。引き続き、こうした関連者とも連携して、消費者被害が起きないように消費者庁としても努めていきたいと思っております。

ウェルネスニュースグループの木村です。
機能性表示食品の事後チェック指針の運用が開始されたら、機能性表示食品制度にどのような効果が期待できるのかという点について、長官のお考えをお聞かせください。

この指針は私どもが公表した後、今後業界団体の方でも、この事後チェックが行われるために、客観的に評価する組織を設置すること。それから、科学的根拠や広告表示についての相談窓口を設置すること。この二つが予定されていると伺っております。
以前も申し上げましたが、機能性表示食品、必ずしも健康食品だけではなのですけれども、高齢社会の中では非常に関心が高い分野だと思っておりまして、それだけに、先ほど申し上げましたとおり信頼される制度に育っていってもらわないと困ると思っております。
今回の指針がそういった点で寄与すると、実際には業界団体の方もですが、それぞれの業界の方がいろいろな商品を開発するに当たってのめどにもなりますし、結果的に、そういったきちんとした形でのエビデンスに基づいた表示がなされるということは、消費者にとっても大いに利益になるのではないかと思っております。

別件ですが、来週の4月1日から食品表示法の完全施行がスタートしますけれども、消費者庁としては今まで普及啓発してきたかと思いますが、スムーズにスタートが切れそうかどうかという点についての印象をお聞かせください。

丁寧な経過措置期間も取っておりまして、関係の業界団体なども通じまして、数次にわたって周知を図っているということでございますので、私どもとしては特段何かトラブルがあって困るという状態にはないと思っておりまして、円滑なスタートが切れるのではないかとは思っておりますが、4月1日から完全施行ということではございますので、引き続き十分に注視をしていきたいと思っております。

読売新聞の田中です。
先日、新型コロナウイルスの予防効果を標ぼうする商品には根拠がないということで注意喚起を出されたと思いますが、その後、新型コロナウイルスの予防効果を標ぼうする新たな商品が次々に出てきている状況なのか、それとも注意喚起の結果、一定程度落ち着いている状況なのか、教えていただければと思います。

まず、当庁が注意喚起をさせていただいた商品については、前回御報告した際に、あと1事業者が残っていると申し上げたかと思いますが、その事業者についても表示を取りやめておりますので、注意喚起をしたものについては全て私どもの注意喚起を受け入れていただいて、修正をしていただいたと承知しております。
ただ、その後も違う形で、新たなそういった表示が見受けられます。現在整理をしておりますので、整理をし次第皆様方にも公表したいと思っております。

共同通信の田中です。
昨日、東京五輪の延期が決定されました。観戦される方々は、航空券やホテルなどを予約していたと思います。今後予約のキャンセルや旅程をずらすということも考えられると思いますが、事前決済や返金不可のケースがあるという話も聞いております。今後、何か消費者庁としてどこかの機関と連携したり、あるいは対応を要請したりといったことは考えられておりますでしょうか。

そういった旅館とかホテルの関係は、民民でのものでございますので、それぞれのケースによって様々なものがあると思いますので、一律にこういうことをやってくださいとお願いをするという性格のものではないのではないかと思っております。
ただ、様々な動きがございますので、私どもとしても十分に注視をしていきたいと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
先週の3月19日に、国民生活センターが商品のテスト結果を発表されて、自走の車椅子とおむつ台について、注意喚起をしてほしいということを消費者庁に対して要望をされました。事故も起きているということですので、注意喚起についてはどのような方法をお考えかお聞きしたいと思います。

御指摘の件は、国民生活センターが公表した車椅子の事故ついての話だと思います。当庁の消費者安全課の担当の方で、事故情報については全体を取り扱っているわけでございますが、そうした中でどういった取扱いを要するかについて、また議論していきたいと思っております。

NHKの秋山です。
先日、消費者機構日本が裁判を行っていた共通義務確認訴訟が東京地裁の方で判決が出まして、東京医科大学が敗訴、消費者団体側が勝訴という形になりました。制度としては初めて活用された結果ということで、確定も出ましたが、今後消費者庁としてはどのように制度についての発表をされるのか、また今回の制度利用をどう受け止められたのか、長官の御意見をお聞かせください。

消費者機構日本の主張が認められたということは、消費者被害の集団的回復を目的とした消費者裁判手続特例法の成果の表れだと思っております。
その上で、今回判決が確定しましたので、手続としては次の段階に入るということになると思いますが、私どもとしてはこの内容について、今回の確定判決を受けて、消費者機構日本から正式に報告を受け次第、消費者裁判手続特例法に基づき、速やかに確定判決の概要等を取りまとめて、まずウェブサイト等において公表することを予定しております。その後、手続としては第二段階に入っていくと思いますので、随時注視していきたいと思っております。
また、この判決に関わらずですが、この消費者裁判手続特例法については、また見直しについても議論をしていかなくてはいけないと思っておりますので、こういったこともきっかけにしながら議論を進めていきたいと思っております。