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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年3月18日(水) 14:00~14:12 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

発言要旨

新生活スタートに際しての啓発資料の公表についてです。
もうすぐ新年度が始まります。新しく社会人になる、あるいは大学生になるといったように、新生活をスタートさせる方もたくさんいらっしゃると思います。そこで、新年度を始めるに当たって注意すべきポイントを消費者の観点から取りまとめましたのでお知らせいたします。この啓発資料には、消費者トラブルとして比較的多いものや、最近の社会状況を踏まえたものを記載させていただいております。
具体的には、新生活のスタート前・スタート後の2段階で注意すべき点を整理しております。まず新生活スタート前からの留意点として、(1)お金のトラブルを招かないための3つのポイント、(2)エステ等でのトラブルでの注意点、(3)スマートフォンの使用時等の注意点、などを示しております。またスタート後の留意点として、ギャンブル等への「のめり込み」に注意するよう呼びかけるとともに、御実家の親類など、身近な方々の様子にも気を配るよう呼びかけております。
消費者庁においては本資料の広範な周知を図り、消費者トラブルの未然防止に努めていきたいと考えております。

質疑応答

NHKの秋山です。
本日、物価モニターの最新情報が更新されたかと思いますが、一部、ティッシュペーパーや紙おむつなどが前年比から上がっていたりするケースも見られたのですが、新型コロナウイルスの影響を受けた可能性はあるのかどうか、御見解を伺わせていただけたらと思います。

本日、御指摘のとおり、3月の物価モニターの調査結果を公表させていただきました。価格調査結果につきましては、全25品目のうち価格が上昇したのが21品目、下落したのは4品目でした。そのうち、価格が前月比1%以上上昇している品目は、ポテトチップス (+1.4%)、ティッシュペーパー(+1.6%)でございますが、ほとんどの品目において、新型コロナウイルスの影響で大幅に上がっているといったほどの上昇幅ではなく、通常の価格変動の範囲内だと考えております。トイレットペーパーやマスクの問題については、価格の問題というよりは、むしろ供給量の確保、店頭に並んでいるかどうかという問題で、確かに一部、転売禁止の議論があったような高値の転売は見られるものの、全体の大層を占めている店頭価格が上がっているという状況にはないと、私どもとしては見ているところです。

今、量の話が出てきましたけれども、改めてこの数量の状況などの情報の更新等、現在の状況が分かれば教えていただけますでしょうか。

既に報道されているとおりだと思いますが、マスクについては増産体制を敷いているところでありますし、消毒液などについても増産の要請をさせていただいているところです。トイレットペーパーにつきましては、量の確保というよりは、物流などのいろいろな全体の話でございますので、早晩解決するのではないかと思っております。

ウェルネスニュースグループの木村です。
先日、特定保健用食品の公正競争規約案が、消費者庁でパブコメが始まりましたが、特定保健用食品の表示に関する規約案が運用を開始されたとしたら、どのような効果が期待されるのかという点について長官のお考えをお聞かせください。

公正競争は特定保健用食品に限らずですけれども、私どもとしては個々の景品表示というよりは、できるだけ公正競争規約の形で業界内ルールが作られていくことが非常に大事だと思っております。

(表示対策課)特定保健用食品に関しましては、御存じのとおり、健康増進法と食品表示法において、容器包装上の義務表示というような規定があるわけですけれども、広告に関しては当然そこで義務表示があるわけではないと。そういった中で公正競争規約をベースとして、特定保健用食品でより消費者の方々に適切な情報提供を行うということを、事業者団体自らがコンプライアンス向上という意味で規約を作っていくというのが非常に望ましいことだと思っております。消費者庁としてもそこをフォローしていく体制を整えた上で、より適切な広告宣伝活動が事業者によって行われていくであろうということは、非常に良い方向性ではないかと思っております。

今後のスケジュール感があれば教えてください。

(表示対策課)一般論として、今はパブリックコメントが行われておりますので、原案が維持されましたならば、通常であれば数か月以内には運用、施行ということになるかと思います。

少し補足をさせていただきますと、特定保健用食品等の健康食品、必ずしも食品だけではないですけれども、今後そういった健康を気にする方向けの商品は非常に市場も大きくなっていくと思います。
そのときに、適切に表示がされて、消費者に正しく情報が伝わるということは、私どもとしても大事なことだと思っております。特定保健用食品や機能性表示食品等の制度が伸びていくことはとても重要なことだと思っておりまして、その際、先ほど申し上げたような業界内ルールがきちんとできていくということは、大変消費者行政としても良い方向だと思っておりますので、必要な支援があればしていきたいと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
新生活スタートに際しての啓発資料についてですが、新社会人であるとか、大学生であるとかということをおっしゃっていましたが、これはどこに配布するのでしょうか。また、これまでのバージョンとは違って、リコールの注意喚起などを知らせるなどの安全の分野が今回は入っておりませんが、そういったものはバージョン2といった形で公表されるのでしょうか。
もう一点が、消費者月間についてです。例年どおりですと今年もシンポジウムを開催されるかと思いますが、新型コロナウイルスの影響で、人の集まるイベントはほとんど中止になっています。今の段階で消費者月間についての御予定に変更はあるのかどうかお聞きしたいです。

まず、送付先ですが、本日中に都道府県・指定都市、それから消費者団体へ情報提供いたします。また、新規採用される方や、引っ越しを伴う人事異動をされる方、あるいは大学等に入学される方の目に触れるということが非常に大事だと思いますので、例えば、全国大学生活協同組合連合会ですとか、あるいは消費者関連専門家会議、これは物流の話ですが、日本ロジスティクスシステム協会、日本物流団体連合会などにも送るというふうに考えております。できるだけ幅広く、新規採用をされる方々などの目に触れると有り難いと思っています。
また、今回の啓発資料の特徴についての御指摘についてですが、昨年、あるいは一昨年の啓発資料には、併せて安全・安心系の話を記載させていただきましたが、今回は一般的に注意喚起をするというものではなくて、消費者トラブルとしてたくさん情報が寄せられているものを中心とした、特に気を付けていただきたいことを記載させていただきました。
また、今回の啓発資料で昨年のものにはなかったものを申しますと、スマートフォンなどは電気通信事業法の改正もあり、また新たに買い換えられる方もたくさんいらっしゃるのではないかということで、トラブル等の御相談も多いということと併せて記載することにいたしました。それから、引っ越しの時期をずらしてくださいという話は、昨年は宅配便は一回で必ず受け取ってくださいということのみを入れていたと思うのですが、繁忙期には値段も高くなりますし、ドライバー不足ということもあるので、社会の状況を踏まえた上で留意事項を記載させていただいたということでございます。
併せまして、今回の啓発資料は、新生活を送る人だけではなく、御実家を自分が抜けたときにお年寄りだけになるといった場合、お気を付けいただくことも併せて記載させていただいているのが特徴でございます。一般的な注意事項というよりは、特に気になるところを少しとがらせて今回はやらせていただいたということです。安全・安心に関する情報は新しく生活を始める人に限らない話だと思いますので、これは引き続き通常の注意喚起の中でやらせていただきたいと思っております。
また、消費者月間についてですが、新型コロナウイルスのこともございますし、シンポジウムのような形が消費者月間としての訴求の仕方として一番良いのかということも含め、議論をさせていただいているところです。決まりましたら、またお伝えしたいと思います。