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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2020年3月4日(水) 14:00~14:24 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

発言要旨

昨日、衛藤大臣が記者会見の冒頭に申し上げましたけれども、「新型コロナウイルス感染症」に関する食品表示基準の弾力的運用について申し上げたいと思います。
中国産輸入原材料の供給不足を受けて、農林水産省と連携し、食品表示規制のうち原料原産地表示について弾力的に運用する旨を、昨日、3月3日付けで関係行政機関等に通知いたしました。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大が経済的活動に影響を及ぼしている現状において、一般消費者の需要に即した食品の安定供給に向けた生産体制を確保する観点から、「中国産」との表記と実際の原材料の産地に齟齬(そご)がある場合であっても、店舗内におけるポップ表示による告知等によって適正な産地情報が伝達さえされていれば、当分の間、取締りを行わなくても差し支えないとするものであります。規定につきましては、被災地ということで適用したことはございますけれども、全国的に適用するのは初めてということになります。なお、消費者をだますような悪質な違反に対しては、これまでどおり厳正な取締りを行っていく考えであります。

質疑応答

朝日新聞の兼田です。
学校の休校に伴いまして、小売店の店頭などで飲食品が、巣ごもり消費というか、かなり売れて一時的になくなり、その情報がネットで拡散されて品薄だとかそういった騒ぎが、トイレットペーパーと同じような感じになってきているのですが、改めて消費者への呼びかけなどありましたらお願いします。

まず国民が必要とされる物資がきちんと確保されているということは当然とても大切なことだとは思いますが、一方で、この間のトイレットペーパーもそうですが、実態として在庫がないという状況ではないにも関わらず、間違った情報に基づいた行動が出ているということはとても残念なことだと思っています。もちろん、いろいろな流通の確保等を含め、常に皆さんが必要なものが確保できるということが第一だとは思いますが、是非、正しい情報を見極めて、デマに惑わされず、冷静な購買活動をお願いしたいと思います。また、買占めや転売などの行為によって必要な方に必要なものが届かないといったことがないように、皆様方にも是非御協力をお願いしたいということを改めて申し上げたいと思います。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
国民生活センターが新型コロナウイルスに関する便乗商法について注意喚起を出しましたが、悪質な便乗商法について、消費者庁としての対応をお聞きしたいと思います。
もう一つが、消費者庁の体制についてですけれども、新型コロナウイルスの問題については、旅館やホテル、イベントといったところのキャンセルの問題などが消費者トラブルとしていろいろ出てきております。また、訪日観光客の相談窓口であるとか、耳の不自由な方々の相談もいろいろ出てきているのですけれども、現状は今週に、学校の一斉休校であるとか、民間事業者への要請、全国の消費者への行動要請があったということで、消費者問題としての段階がとても緊急的な事態になっているような気がします。
消費者庁として一元的な消費者行政の在り方であるとか、あるいは司令塔としての機能、そういうものを含めて、こういう時期に対して消費者庁庁内の体制というか、新型コロナウイルスについての体制があればお聞きしたいと思います。

新型コロナウイルスということを念頭に置いた消費者庁の体制そのものを作っているわけではありませんが、御指摘のようにまず、新型コロナウイルス感染症を契機として、それを引っ掛けた形での悪質なものであるとか、あるいはこういうものが新型コロナウイルスに効果があるといった、その手の一種優良誤認的な性格のものだとか、そういったものが見受けられていることは問題だと思っております。
法と証拠に基づいて、悪質なものについては厳正に対応したいと思いますが、ただ一方で、どうしても時間は掛かりますので、そういった観点からは早めに注意喚起をするということも大切だと思いますので、この両面から考えていきたいと思います。
二つ目の話としては、消費者トラブルについてのお話でございます。今年に入ってから受け付けた新型コロナウイルス感染症に関する消費者生活相談として、3月2日までにPIO-NETに登録された件数は1,044件になっております。2か月ぐらいで1,000件ということは比較的多い方ではないかと思います。
御指摘のありました相談内容としては、各種の旅行宿泊代理店のキャンセルですとか、イベントの関係でのキャンセルに伴うもの、あるいは従来からお話があったマスクや消毒液、トイレットペーパー等の不足に関するものなどがあると承知しております。
キャンセルそのものにつきましては、個別のものということではあるとは思いますけれども、先日の会見でも申し上げたとおり、まず規約を確認していただくということが大事だと思いますが、一方的に余りに消費者に不利ではないか、というようなことがありましたら、消費者ホットライン「188」の方に御相談いただくということもあるのではないかと思っております。
また、弱者支援というお話もございました。これは新型コロナウイルスに関わらず、消費者自体が非常に多様化しているということの中で、先ほどおっしゃったような観光客を始めとする外国人対応をどうしていくか、あるいは障害者対応をどうしていくかといったことは大事な問題だと思っておりまして、これは今回作らせていただく第4期消費者基本計画の中でも記載をさせていただいているところであります。これは引き続き、しっかりと行っていく必要があると考えております。

読売新聞の加藤です。
転売のやり方の中で、その商品自体の価格は下げるが、送料で利ざやを取るようなやり方が一時的にありました。今もあるのかは分からないのですけれども、消費者庁ではプラットフォーマーに対する規制とか検討会も今は立ち上げてやっているところですが、そういう転売のやり方については、どうお考えになりますか。

転売のやり方自体というお話ですけれども、例えば今マスクなどについて見ますと、大体9割ぐらいが店頭で、1割ぐらいがインターネットとなっています。
インターネットでも事業者が販売している場合と、転売事業者が販売している場合、それから個人が販売している場合があります。転売事業者や、個人の出されているものに、いかがなものかと思われるものがみられると聞いております。
また、送料の話も、先週の会見でも申し上げましたとおり、普通の常識からかけ離れたものについては、プラットフォーマーの方に併せてよく配慮して見ていただきたいというお願いを、私どもの方からもさせていただいているところです。
いずれにしろ、今回のような緊急の事態においてそういった行動をされるというのは残念なところがありますので、今後どういうことがやれるかについては、関係省庁ともよく相談をしていきたいと思っております。

もう一点、個別の話になってしまうのですけれども、楽天が、一定額を買ったら送料込みにするというようなやり方に対して、公正取引委員会が調査しているという状況で、楽天側も言っていると思うのですけれども、分かりやすい送料にするためだという部分があるかと思うのですが、一消費者として考えればそういうこともあるし、一定額買ったら送料が一律だというのはある種消費者保護の観点からすれば、まあ正しいのかなと思う部分もあったりするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

送料無料というような表現を一律にされる、それも明らかにその送料自体を転嫁するのを許容した上で送料無料と言われると、それは本当に送料無料という言葉が正しいのかという課題はあると考えております。今回は事業者とそのプラットフォーマーとの関係がメインだと思っていますので、担当の公正取引委員会において適切に対応されるものと承知しております。

ウェルネスニュースグループの木村です。
食品添加物表示の検討会が先日、結論を取りまとめたのですが、今回の結論に対しての長官の受け止めをお聞かせください。

非常にいろいろな議論を整理させていただいて、次の段階に行けたということは非常に良いことだと思っております。
御案内のとおりで繰り返しになって恐縮でございますが、食品添加物についての一括名、簡略名、類別名表示については、基本的には現行制度を維持するものの、使用した個々の物質や目的について事業者が消費者へ自主的な情報提供をしていくということになりましたし、また二つ目の無添加表示に関するガイドラインに関しては、令和2年度中に検討会を開催するという考えでおります。
また「人工」「合成」の用語の削除については、消費者委員会の食品表示部会に諮問する必要がございますので、できるだけ早く施行できるようにしたいと思っております。
ほかにも栄養強化目的で使用した食品添加物の表示については、原則全ての加工食品について表示する方向で検討するということで実態調査をまずやるということでやっていますので、少し時間が掛かっているところはあるとは思いますけれども、一つずつ階段を上っているという感じがしています。食品添加物も皆さんの御関心も高いということを承知していますので、私どもとしても、できるだけ丁寧早く取り組んでいきたいと思っております。

今の御説明だと、施行時期というのは幾つかに分けてスタートするという理解でよろしいのでしょうか。

ものによって、例えば今の「無添加」「不使用」の表示についても、無添加表示に関しては、では、どういったものを、という表示禁止事項というのをもう少し明確にする必要がございますので、もう少し議論を行った後、令和2年度中に検討会を開催するということになっていますが、一方で、消費者の誤認を防止する観点から、「人工」「合成」の用語を削除するということはできるだけ早く行いたいと思っております。ただ手続としては、消費者委員会の食品表示部会に諮問する必要がございますので、そういった手続をとった上で早くやると。こういうふうにものによって、次の段階には行ったのだけれども、もう少し丁寧に具体化していかなくてはいけないもの、それからすぐやれるものというのが報告書の中には混じっておりますので、それぞれに分けて次のステージに進んでいきたいと思っております。

読売新聞の田中です。
先ほどおっしゃっていたことに関連してなのですけれども、新型コロナウイルスに便乗した悪質商法ですとか、こういうものが効果があるといった情報の中に誤った情報が見受けられているというのは非常に問題だと御発言されていたと思うのですけれども、悪質商法については先日、国民生活センターが注意喚起をされていたと思いまして、こういうものが効果があるという情報の事例で、例えばどういったものを問題視されていて、それについてどういう注意喚起をされていくか。
また先日、Twitterでリツイートされる形で、ビタミンDがコロナウイルスに効果があるという誤った情報は消費者庁のTwitterで拝見したのですけれども、その他にどんな事例があるのかを教えていただきたいです。

それにつきましては、また整理をして、皆さんに御提示できるようになったら提示をさせていただきたいと思います。

毎日新聞の岡です。
マスクの高額化についてですけれども、現在でもまだ大手のサイトなどではかなり高額のマスクが売っているかと思うのですが、これはプラットフォームに要請されているということでしたけれども、何か続いて手を打たれる御予定があれば教えていただければと思います。

私どもの方がまず要請し、それからオークションサイトなどについては、経済産業省の方から、3月14日と日を切った上で、それ以降はそういった取扱いをしないようにという要請をされていると承知しております。
そういったことをやっているのですが、御指摘のように、一部にそういうものが見受けられるというのは確かでありますので、それについてどうしていくかということは、経済産業省や厚生労働省など関係の部局と連携して考えていきたいと思います。

もう一点、国民生活安定緊急措置法が、主務大臣は厚生労働大臣ということですけれども、地域を拡大したりすることについて、長官として御意見があれば教えていただけますか。

この法律自体は、生産とか輸送とか保管とか、個別の物資の内容によって主務大臣が決まっていく仕組みです。今回マスクということでしたので、厚生労働大臣が主務大臣としてやられたと思っております。
まず御案内のとおり、昨日付けでマスクを、厚生労働省が買い上げた上で北見市等に供給するということを発表されたわけでございますが、また今後更にということについては、厚生労働省を中心として、新型コロナウイルスの状況などを見ながら、それぞれの御担当でお考えになられると思っております。

NHKの秋山です。
今の関連なのですけれども、緊急措置法ですとか、買占め防止法だと、価格の高騰が前提条件になっていて、指定物品などとか指定価格などの動きになってくるかと思うのですが、やはりここ最近の動きだと物品が日に日に目まぐるしくネット上で変わってしまうので、なかなかそれを追いかけるのが現状難しい状況にあるような気がするのですけれども、プラットフォーマーなどに、その日々の価格変動などを情報提供いただくとか、そういったことを要請の中でお願いするというのは検討されたりしないのでしょうか。トイレットペーパーですとか、今回、新型コロナウイルスの影響を受けたと思われるような商品の情報提供というところの価格のところで、情報提供を検討したり、若しくは既に価格情報も入手されている等、その辺りはいかがでしょうか。

価格というのは非常に難しいところがあると思うのですけれども、マスクのように、皆さんが必要だと思われていて、一生懸命頑張っているものの、なかなか供給が追いついていないというものと、トイレットペーパーみたいに、一部いろいろな風説もあって、実需とは違うところで物事が動いているという話は分けて考えた方がいいのではないかとは思います。量そのものの確保の問題と、価格がどうかという問題、マスクの場合はむしろ量がまず足りないということが一番大きいので、まずマスクの供給を拡大するということが大事だと思います。どのぐらいの在庫があるとか、先ほど、トイレットペーパーについては在庫が十分あるということを業界団体が発表されていましたけれども、消費者に対して、そういったきちんとした情報を出すということはすごく大事なことだと思います。引き続き、私どもの方も、業界や関係省庁と連携して、情報発信できるものはしていきたいと思っております。

今の時点で、2倍の価格が悪いとか、3倍の価格が悪いといったボーダーが定められているわけではないですし、オークションサイトだとそれが現実的に難しい状況にあるとは思うのですが、プラットフォーマー側がガイドラインを変えても、送料に転嫁されたりしてしまっている現状がある中で、どれぐらいのものがというのを示すためにも、一定の情報収集ですとか、価格設定というのは必要ではないかと思うのですけれども、今回の教訓に何かそういうことを、このプラットフォーマーの検討会などで議論していく可能性というのは、いかがでしょう。

今のお話は、プラットフォーマーの問題なのかどうかということもあると思います。そこは御意見と受け止めさせていただきたいと思います。

新型コロナウイルス関連ではあるのですけれども、少し話が変わって、学校給食が滞った結果、食品ロスが発生しているという話もありますけれども、一方で、自治体で好事例として、子ども食堂に配布されたり、あと加工したりとか、いろいろ食品ロス対策を取られている事例も少しずつ報道では出てきております。そうした好事例を紹介するとか、何か把握されたりとか、そういったお考えというのは直近、お持ちだったりされますか。

報道していただいているとおり、生鮮食品だとお売りになられる、あるいは加工に回す、それから、子ども食堂に出す、あるいは別の学校では給食をやられるとか、いろいろな工夫が各地域で既になされていると思いますので、私どもは消費者向けにというよりは、むしろ学校関係者や地方公共団体ということだと思いますので、そういったところで情報共有化などを含めて、いろいろな対策を打たれるものと思っております。

体制は具体的に何か形の見える形でプロジェクトチームが新型コロナウイルスに関して作られているわけではないと理解していますけれども、今、本年度の補正ですとか、来年度予算で新型コロナウイルス対策の予算付けの動きも出てきていますが、国民生活センターのPIO-NETで1,000件を超える相談が出てきていることなどの対応を含めて、何か予算付けで検討されていることというのはあったりするのでしょうか。

今、具体的に申し上げられるようなものはないのですけれども、私どもの方で、必要なものがあるかどうかについては今後精査していきたいと思っております。