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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2019年12月4日(水) 14:00~14:21 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

発言要旨

昨日、衛藤大臣から御発言があったとおり、消費者庁においてデジタル時代への対応として、二つ検討会を本年12月に立ち上げることと致しましたので、お知らせをさせていただきます。
デジタル化は、消費者の利便性の向上に資する一方、新たな消費者トラブルが増加しているのは御案内のとおりです。この点については、成長戦略での位置付け、本年9月に徳島で開催されたG20消費者政策国際会合での議論のほか、消費者庁・国民生活センターにおいても、具体の事案について、複数回、注意喚起をさせていただいたところです。こうしたことを踏まえまして、まず、デジタル市場における消費者利益の確保の観点から、「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」を開催いたします。この検討会では、取引の場の提供者としてのデジタル・プラットフォーム企業の役割や、デジタル・プラットフォーム企業から消費者に対する情報提供の在り方などについて議論をしていただきます。
また、2つ目として、デジタル化や、それに伴う新しい技術・サービスに対する消費者の向き合い方について、「消費者のデジタル化への対応に関する検討会」を開催いたします。なお、検討に当たりまして、内部での検討を深めるため、消費者庁内に高田次長を室長とする横断的なプロジェクトチームを設置しましたので、併せて御報告を申し上げます。
次に、「消費者契約に関する検討会」についてです。
消費者契約法については、本年9月に「消費者契約法改正に向けた専門技術的側面の研究会」により報告書が取りまとめられたところです。これは専ら法技術的な側面を中心に検討したものですが、今後さらに、実効性の確保や実務への影響への観点も踏まえ、検討を深化させる必要があると考えております。今般、消費者・事業者の関係者を含め、新たな検討会を設置いたします。デジタル・プラットフォームに関する課題とも関係がありますので、先程も述べました検討会とも充分に連携しながら検討を行う予定です。座長は京都大学大学院の山本敬三先生にお願いしておりますが、複数のメンバーがデジタル・プラットフォームに関する検討会とも重なっているという形でやらせていただく予定でございます。なお、第一回目につきましては12月24日に開催する予定です。

質疑応答

テレビ朝日の北田です。
ジャパンライフの元会長が「桜を見る会」に招待されていた件で何点かお伺いしたいと思います。まず野党会合で示された、消費者庁内の会議資料とみられる文書について、まず、長官御自身は、あれはどういったたぐいの文書があの場に出たというふうに認識をされているかお聞かせください。

あの資料自体は、確か以前の国会で配られたものだと承知しておりますけれども、一般論といたしまして、事案の調査に関連する文書でございますので、それについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

文書の中に、本件の特異性ですとか、政治的背景による余波を懸念するというようなコメントが書かれていましたが、それについてはどういう意味だとお考えですか。

先程申し上げましたとおり、その文書自体が消費者庁のものかどうかも含めて、お答えを差し控えさせていただきますので、内容についても、当然、コメントについては差し控えさせていただく、こういうことでございます。

大臣がその文書について、長官もおっしゃるとおり、現在確認を進めていると閣議の後の会見でおっしゃっていたかと思いますが、消費者庁として何らかの調査を行っていたり、現在調べていらっしゃることがあれば教えてください。

御質問ですが、それは文書そのものについての話でしょうか、何に関する調査という意味でしょうか。

ジャパングループのこの文書に関する調査と、当時の行政処分の在り方が正しかったかということについて、改めて検討されるおつもりはあるのかということです。

まず、文書については、先程も、一般的に法執行に関するものについてはお答えを差し控えさせていただくと申し上げましたが、執行に当たっての手順などがいろいろな形で開示されると、今後のいろいろな法執行に当たっての阻害要因になりかねないと思っております。この案件に関わらず、どういうものか開示するというスタンスをとっていないということであります。したがって、この内容が正しいか正しくないかというものについて、何かを調査するとかしないとか、そういったたぐいのものではないと思っております。
それから今のお話は、行政処分までに時間が掛かったのではないかという御趣旨だろうと思います。御案内のとおり、消費者被害の防止のためには悪質情報に対しては一刻も早く対処するということが非常に大事だということは、我々としても認識しているところであります。その一方で、事業者の意に反して業務停止命令等の不利益処分を行うということに当然なりますので、これについては、法と証拠に基づいて法違反行為をきちんと精査する必要があると。したがって、内容によっては、行政処分まで時間が掛かるものもあります。特に、このジャパンライフの案件については、消費者庁としては初の預託法違反事案であること、それから預託等の取引ですとか、訪問販売、連鎖販売取引が非常に複雑に絡み合っていた案件だということでありますので、特に慎重な調査が必要であったのだろうと類推しているところであります。

テレビ東京の廣海と申します。
「桜を見る会」にジャパンライフの元会長が招待されていたとされている件に関連してお尋ねします。
今の御質問の回答に対して、慎重な調査が必要だっただろうとおっしゃっていましたけれども、立入検査の方針が2014年に先延ばしに変更された理由は何でしょうか。

立入検査をするかしないか、変更した変更しないかどうかも含めて、事案をどう取り扱うかということでございますので、それについてお答えするということは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げれば、この事案に関わらず、立入検査するかしないかについてはいろいろな案件や観点から議論するということで決めておりますので、今おっしゃっているのは、恐らく政治的な背景があってという御質問だろうと思いますが、私ども、行政執行をするに当たっては、そういうことに関わらず、事実と証拠に基づいてやらせていただいていると認識しております。

今、政治的な背景とおっしゃいましたけれども、政治的な背景だったり、影響だったりというのは何のことなのでしょうか。

そちらの方がそのようにおっしゃるので申し上げただけですが、私からそれについて言及するつもりは全くありません。

消費者庁からジャパンライフに天下りや転職した方というのは、何名ぐらいいらっしゃるのでしょうか。

出向元のところにお戻りになられて辞められた方が、私どもが知っている限りにおいては1人いらっしゃいます。

政治家から、ジャパンライフについて立入検査をやめてほしいという問合せや依頼というのは、今までどれぐらいあったのでしょうか。

当時の担当に聞いている限りにおいては、そういう話はなかったと聞いております。

絶対になかったと言えますでしょうか。

私どもが聞いている限りにおいては、なかったと聞いております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
先程おっしゃったデジタル・プラットフォームと消費者契約の検討会のことですが、デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引については、一部はあったとしても全体的な取引を対象とする法律がないということが、消費者委員会の方の提言の中に書いてあります。業法がないということですね。
今回の、デジタル・プラットフォーム検討会は法律制定ということも射程に入れていらっしゃるのか、次長を中心としたプロジェクトとおっしゃったので、そういうことも含めているのかということをお聞きします。

今、プラットフォーマーに対して業規制がないという話と、それから、今回の検討会自体が法制的なものも含めてなのかとあったかと思います。今回の議論については、当然、議論の結果、いろいろな法制度の議論が必要であれば、そういうものも視野に入れたいと思っておりますが、現段階で何をどのように変えたいということが決まっているわけではありません。

朝日新聞の兼田です。
ジャパンライフの関連で教えてください。招待状がジャパンライフのセミナーなどの場で利用されていたということを、消費者庁が確認できたのはいつでしょうか。

平成28年7月時点で、山口会長が花見について言及されていたということは承知しております。なお、招待状を使って宣伝されていたかどうかについては、私どもとしては把握しておりません。

花見について言及というのは、「桜を見る会」のことでしょうか。

「桜を見る会」とは、実は言われていません。私どもがいろいろとヒアリングする中において、会長が花見の話をされていたというお話があったということでして、「桜を見る会」の招待状がどうだとかいう話は明示的には出てきておりません。

招待状については、承知していなかったっていうことでしょうか。

そうです。

大臣の答弁だと少し違うような気もしたのですけれども、勘違いでしょうか。

いえ、それは大臣も恐らく報道によって接したということでして、今おっしゃったのは、いつから知っていたのかという御質問だろうと。

例えば、立入検査とか、内偵でそういった情報を得ていたのでしょうかというお尋ねです。

そもそも立入検査でどのような情報を入手するかについては、これも全体としてお答えは差し控えさせていただきます。
なお、今申し上げたとおり、いつ消費者庁が、ジャパンライフ社が「桜を見る会」の招待状を使って宣伝していたのかを知っていたかということにつきましては、私どもも最近知ったということであります。

報道を通じて知ったということですね。

はい。

共同通信、田中です。
本日の参院の委員会で衛藤大臣が、11月29日の閣議後記者会見で、ジャパンライフで騙された方を、あたかもその人たちが悪いような言い方をされたということに対して陳謝されましたが、そのことに関して長官はどうお考えですか。

これについては、大臣がお答えされたとおりだと思っております。大臣自体は個人的な、一般的な思いを語られたとおっしゃっていましたけれども、それが結果として、そういうような捉え方をされたとすると非常に残念だとおっしゃっていたかと思いますけれども、私からはそれについて付け加えることはございません。

時事通信の片岡です。
先程、野党本部の共産党側で提出した文書が消費者庁のものかどうかについても回答しないということですけれども、法執行に関わるものとおっしゃっていたので、消費者庁のものではないのかと私は受け取ったのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

一般論として、事案の調査に関連するかもしれない文書ということになりますと、私どもとしては消費者庁のものかどうか、その中身も含めてお答えは差し控えさせていただくということであります。

共同通信、田中です。
今の文書に関連する質問で、その法執行に関わるもの、関わる可能性があるものについてはお答えしないということだと思うのですが、文書が全く関連しないとは思っていないということでよろしいのでしょうか。

それも含めて、お答えいたしません。

テレビ東京の廣海と申します。
ちなみに伊藤長官は山口元会長、ジャパンライフの山口元会長とお会いしたことはありますでしょうか。

ありません。

朝日新聞の兼田です。
先程、招待状が宣伝に使われていたのを知ったのは、報道を通じてだというお話ですけれども、どういう趣旨で伺ったかと申しますと、もしあれが、安倍総理が宣伝に使われていたとなると、やはり被害を拡大させる大きな一因になる、実際にそう受け止めたと、被害者の皆さんはおっしゃっているわけですけれども、一刻もその被害の拡大を食い止めるという意味で、知っていたらどのような対応をしていたのでしょうかと、お尋ねしたかったのですけれども、その調査の過程で、立入検査してから時間が空いていますし、いろいろな資料を現場では入手していたのではないかと思ったものですからお尋ねしました。入手していた資料の中に、そういうものを含め一切なかったのか、念のための確認です。どの程度の調査能力かということも含めて聞いています。

申し訳ありませんが、立入検査のときにどういう資料を入手したかどうかということは、極めて法執行上重要な話でございますので、それについて、何をどういう形で入手したかについては、お答えをしないということを申し上げているということであります。
法執行のために必要なものを重視して見ますので、宣伝のためとかではなく、どういう形で事業をなされていたか、特に、取引関係を中心にして見るということですので、当然そちらの方を一生懸命我々としては見ているということはあるかと思います。

おっしゃるとおり、その特定商取引法や、預託法の法執行というのがメインの仕事であると承知していますが、一方で、やはり安倍総理が宣伝に使われていたということを知っていたのであれば、早急に何か対応をすべきであったのではないかなと。
ただ、それはもう知らない、知らなかったということで整理させていただいていいですか。長官、答えることができないと言いながら、答えている部分もあるので。

仮定の話には、お答えは差し控えさせていただきます。

一度、ないと言い切っていますけど、それはないというふうに。

私として知ったのは報道です。