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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2019年8月21日(水) 14:00~14:14 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

発言要旨

今週、月曜日に、宮腰大臣の方から「消費者庁 新未来創造戦略本部」について発表させていただいたところでございます。
それ以外には、私どもの方からはございませんので、御質問を受け付けたいと思います。よろしくお願いいたします。

質疑応答

NHKの秋山と申します。
今、お話にもありました徳島の件ですけれども、長官としては、今回の恒常設置についてはどのような受け止めをお持ちでしょうか。

今週19日、宮腰大臣が徳島における恒常的な拠点として、「消費者庁 新未来創造戦略本部」を2020年度に設置する方針を発表させていただいたところであります。
この9月で消費者庁は創設10周年になりますけれども、そういった、今後更なる先を見据えた上で、消費者行政の機能強化を図るという上で、非常に有用なのではないかと思っています。
今までやっていることより、更に先に向かってやっていくということを徳島において位置付けていただいたと思っておりますので、我々としては、まず、「戦略本部」のために、この夏に、予算要求、組織要求をしていかなくてはいけないということになります。大臣の御指示に従いまして、これをしっかりやっていく。
それから、併せて、「戦略本部」を本当に有用なものにしていくということが非常に大事だと思っておりまして、これにしっかりと取り組まなければならないと受け止めているところであります。

朝日新聞の野村と申します。先日、としまえんのプールで起きた死亡事故についてですけれども、亡くなった小学生の女の子はライフジャケットを着て、水上に浮かんだエア遊具の下で発見されました。事故原因については、現在調査中ではあると思いますが、遊具そのものの構造に問題がなかったのかですとか、安全のために着ていたライフジャケットが原因の一つになってしまったのではないかということが指摘されています。
消費者庁の方では、子供の事故を防ぐために、これまで様々な取組されていると思うのですけれども、事故を受けて、水上のエア遊具について注意喚起を出したりですとか、今後、事故原因の調査だったり、安全対策の検討をしていくようなお考えはありますか。

御指摘の報道、本当に痛ましい事故だったと思っております。まずはお亡くなりになられたお子様のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
その上で、御指摘のように、消費者庁では先日、エアフロートについての話を情報提供したように、こういった水の上の事故についての対策についても、十分注意喚起をしてきたところであります。
今回の事故の話は、現在、何が原因だったかということについては調査中でございますので、関係機関とも連携して、私どもとしても情報収集したいと思っています。
その上で、原因等が明らかになって、消費者により一層注意をしていただく必要があるようなことがあれば、当然、私どもとしても情報提供していきたいと思っています。今の段階で、何をどうしてほしいということを申し上げるという段階ではないと思っております。

日本消費経済新聞の相川と申します。
予算概算要求と機構定員要求が近いということで、少しお考えをお聞かせいただきたいのですが、徳島問題が始まってから消費者庁は本当に、本庁の新規事業というのが少なくなっていて、本年度は徳島と共催の国際会合しかありません。
それから、人員についても、去年は、地方消費者行政分析担当官を要求しましたが、一人も認められておらず、今、交付金の減額で地方から悲鳴が上がっているというような状況があります。
国民生活センターは、地方で研修をやってくれという全国からの非常に強い要望が出ている中で、また徳島での研修を一部残すということなのですけれども、運営費交付金は、去年、7%削減されています。
そういった中で、本庁の予算とか新規事業を、定員要求はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

予算要求については、議論をしている最中でございますので、今ここで申し上げる段階ではないと思います。もちろん、8月末までには、当然、皆様方に、こういう格好でやりたいということをお伝えするということになると思います。
地方における消費者行政の強化についても、どういうやり方をするか、大切な点だということでということで、議論をさせていただいているところであります。

別件ですが、この前、2度の行政処分を出していただいたWILLについてなのですが、実は、9月の7日から11日まで、3,000人規模のハワイ世界大会をするということで人を募っています。
それから、業務禁止命令、停止命令が出た関連会社の下にマルチの上位会員が立ち上げている、別の会社が同じ取引内容の勧誘を、割引価格で、非常に積極的にしているという状況があり、契約をしている人も、確認できました。
目の前で被害が拡大しているのに、消費者庁は、今、何もできないのでしょうか。

御案内のとおり、WILLについては、会社として、また役員についても、この間行政処分をさせていただいたところであります。
今、御指摘いただいた話自体は、担当課の方できちんと整理をさせていただきたいと思います。

できれば、同様の勧誘をやっている別会社を早急に処分していただきたいと思っていまして、そのためには、今の人員、スタッフでは非常に心もとないところがあって、ここを強化していただきたいです。
それから、地方自治体の行政処分、景品表示法の措置命令が出せていないところが、消費者庁創設以来、1件も出せていないところが4分の1あります。
また、特定商取引法の行政処分を行えていない都道府県が、この5年間、1件も出ていないところが4分の1あります。
これに対しては、どのような対策を採っていくのか。これに対して、次の概算要求で何らかの手立てを考えられるのか。

処分に対する体制は、取り分け地方公共団体の問題については、公共団体における消費者保護行政の取組をどう考えるか、あるいは、私どものバックアップをどうするかという問題もあると思っています。
もちろん、消費者庁ができて10年ぐらいで、実績も積み上げられている中で、ある程度分かりやすいものについては、当然公共団体の方でもしっかりやっていただきたいと思っておりますが、一方で、公共団体によって非常にばらつきがあるということについては事実だと思っていまして、我々としてもどういう格好でそれに対してバックアップができるかということについては、今後、十分考えていきたいと思っております。

通販新聞の佐藤と申します。
新設された消費者教育推進課についてですけれども、消費者教育を推進していくということで非常に期待しているところもあるのですけれど、具体的にはどういったことをやられていくのでしょうか。

消費者教育自体は、消費者被害の防止、それから正にエシカル消費を含めて、賢い消費者、自立した消費者ということが非常に大事だと思います。
取り分け、直近ですと成年年齢の引下げに対して、どう考えたらいいかということで「社会への扉」を作成したり、情報提供もしているところでありまして、そうした消費者全般、高齢者から若い人まで、それぞれの段階においていろいろなことをやっていかなくてはいけないと思っております。学校現場などとも連携しながら、あるいは消費者の地方の現場とも連携しながらやっていきたいと思っております。
併せて、消費者被害に遭わないという面と、食ロスなどもそうですけれども、それぞれ消費行動を通じて社会を変えていく、ということも大変大事だと思っていまして、そういう行動を変えていくという面で消費者教育の一環としてやっていくということで、消費者教育推進課があると思っております。そういう役割を是非果たしていきたいと思っているところであります。

国民生活センターで先日、発表があったのですけれども、例えば機能性表示食品とか、健康食品を、治療のために利用している消費者の方もいらっしゃったりして、そういった面で、要は医薬品と混同して利用しているような消費者がいるという、そういう面でその制度の認知とか、そういったところで何かここの課に担われるというようなことというのは何かありますか。

先日の美容関係の話は、安全課の方でやらせていただいていると思うので、全てを消費者教育推進課でやるというわけではないと思いますが、繰り返しになりますけれど、例えばそういう事例も含めて、未然に消費者被害に遭わないために何をしたらいいか、どういうことに気を付けたらいいかという点と、消費を通じて社会を変えていく、その二つの面で消費者教育というのはすごく大事なことだと思っています。SNSの話もそうかもしれません。そういったことをきちんと個々の消費者の方にお伝えすることが一番大事だと思いますので、一義的にはそういうことを担っていただく。
個々の話については、それぞれの担当課もございますので、抽出して、必要なことは現場に持っていくという役割があるのではないかと思います。

共同通信の田中と申します。
来月開催されるラグビーのワールドカップのチケットに関して、非公式サイトでの転売に関するトラブルが増えていまして、昨年9月から今年7月23日頃までで、国民生活センターによると、少なくとも650件程度あるということですけれども、その転売サイトというのが海外の事業者がやっているところが多くて、なかなかその入場券不正転売禁止法で取り締まるのも難しいのかというところはあるのですけれども、この件に関して、文化庁や、警察など、そういったところと連携して何か取り組まれるところはありますでしょうか。

(消費者政策課)今は情報がないので、また改めてお答えさせていただきます。

NHKの秋山です。来月の国際会合について、長官としては今どういった期待をお持ちでしょうか。

デジタル時代ということでの国際会議ということであります。私どもが当初予想していた以上にたくさんの国、機関に御参画いただいたということは大変有り難いです。
その上で、テーマはデジタル時代のということであります。これは各国が、いろいろな新しい取組をするという意味において、皆さん非常に御関心が高いということです。発表したいという方々がたくさんいらして、さばくのが大変であったと聞いておりますので、非常に皆さん積極的に御参画いただいていると、これも大変有り難いことだと思っています。私自身もたくさんの国の方々と意見交換をさせていただくのを楽しみにしているところです。
詳細は、遅れていまして申し訳ありませんが、また来週に御報告をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

併せてですけれども、いわゆる日本初開催ということで、日本のリーダーシップ、G20で各会合、担当会合で示していっているような状況かと思いますが、今回は宣言ですとか、まとめみたいなものとしての成果物というのは、長官として、御検討されていますか。

現時点では、各国全部寄り集まった上での合意の何かを発表するとか、そういうことは考えておりませんが、私どもとして全体としてどういう形での総括ができるかについては、検討してみたいと思っております。