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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年9月17日(金) 11:01~11:13 於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

発言要旨

科学技術政策担当大臣として報告します。
昨日、CSTIの「教育・人材育成ワーキンググループ」の初会合を開催しました。
第1回の会合では、教育デジタル・トランスフォーメーションを推進しつつ、子どもたち自らの関心や認知の特性を踏まえた主体的な学びができるよう、教育をめぐる時間や人材、財源といったリソースをどう充実し、再配分するかについて具体的な議論を行いました。
各委員からは、一斉授業が基本で、学校種や学年、教科などの縦割り構造の現状の学校教育から、子どもの学びの在り方を大きく変え、時間の使い方も学ぶ場所も、子どもの状況に応じて多様化していくことの必要性について指摘がありました。また、それに関連して、学習指導要領の見直し、ギフテッドと呼ばれる子どもの教育環境の整備の必要性などについての指摘もあるなど、活発に意見交換が行われたと報告を受けております。
これらの課題は、既存スキームにとらわれずに、オールジャパン・省庁横断的な視点が必要なものも多く、今回は霞が関でも初の試みとなる、CSTI、中教審、産構審の合同ワーキンググループとしました。
内閣府としてしっかりとリーダーシップを発揮し、今年度末までに取りまとめを行う予定であり、引き続き闊達な議論を期待いたします。
以上です。

質疑応答

今のワーキンググループの件なんですけれども、改めて中教審、産構審を交えた合同の場で、これからの子どもたちをどういうふうに導いていくかという検討をするということの、改めて意図としてお話しいただきたいということ。そのバックグラウンドとして、CSTIは、いわゆる科学技術・イノベーション政策というところからすると、今回のワーキンググループのミッションはちょっと幅広過ぎるのかなというところで、その点、場所を提供したということも含めてお話を聞かせていただければと思います。

例えば教育デジタル・トランスフォーメーションということで、いろいろな技術の進歩とか社会の状況の変化とか、そういったことに応じて、教育をめぐる時間、人材、財源について、今一度、整理をし直そうといったような趣旨で行っております。
科学技術政策ということで、女性研究者の推進などでも、やはり教育段階まで立ち返って政策を取っていくべきではないかといったことはあります。やはり教育というものは、将来の科学技術人材の輩出に対して大きな影響を与えると思っております。そういう意味では、科学技術政策としてもしっかり教育分野に手を打っていかなければいけないと思っています。
あとは、やはりCSTIはいわば取りまとめ、司令塔機能がありますから、文科省や、あるいは経産省にわたる部分をしっかり取りまとめて、そして司令塔の機能を果たしていきたいと思っています。

産構審に関して言えば、例えば新しい技術や何かを使い回せる人材が産業界で活躍する産業振興、そういう意味で、中教審は大元のところ、それから出口思考的に言うと産構審のミッションのところと重なるので、というふうな理解でよろしいわけですよね。

基本的にはそういう理解がされますけれども、むしろそういうふうに考えないで、そう切り分けていくと縦割りになってしまうので、やはり一体として子どもたちのためにどういう教育が必要かということを考えていくということだと私は思っています。

CSTIは別の話として、ムーンショットの話も同時に有識者懇談会のほうで話し合われたと思うんですけれども、そちらの新目標案として気象制御に関する話と心の問題の話ということ、2つが候補ということで合意になったかと思うんですが。大臣、まず、この2つの新目標案についての受止めをお願いしたいんですけれども。

まさにコロナ、あるいは地球温暖化といった今の社会の状況の変化に応じて、必要な野心的な目標を設定するということで考えております。
ムーンショットの目標ですから、それは簡単ではない、非常に野心的だとは思いますが。しかし、気候の制御も心の問題も、実際、目標達成できれば非常に社会への貢献も高いと思いますので、これをしっかり実現するように、これから取り組んでいくということではないかと思います。

その中で、気象制御については特に提示されていましたが、社会実装のためにはELSIの問題が大事だというところもあり、議員さんの話では、「ELSIをチェックできる人材をはじめからチーム内に入れるべきではないか」みたいな話も出ていたんですけれども。これに対して大臣はどのようにお考えかというのがもしあればお願いします。

私もそのとおりだと思っています。具体的には、国家間での条約や国内での法令の整備、また経済合理性の検討、気象制御を受け入れられるかなどの課題を解決していく必要があるということで、本目標の研究実施体制の中に、必ずこれらの課題の検討を行う、いわばELSIに関する専門家チームを設置するよう、私からも指示をしたところです。

本日、自民党の総裁選が告示となりました。4人の候補の方が立候補されましたが、大臣としてどのような政策論争を期待されるか、改めてお聞かせいただければと思います。

従前から申し上げているとおり、この自民党総裁選挙においては、やはり候補者の方々が大いに政策論争を繰り広げる、そしてそれを広く国民、党員の皆さんに是非聞いていただきたいと思っています。
もちろん、今の国政の課題というものは非常に山積をしております。新型コロナ対策をはじめとして様々な課題がある中で、やはりこれからの日本をどのように舵取りをしていくのかという視点から、いわば志の高い大きな議論をしていただければありがたいなと思っています。

関連してなんですけれども、大臣の御所管されている分野、科学技術政策とか宇宙ですとか、そのあたりの議論というのは、特に期待されるようなことというのは具体的にございますでしょうか。

私の所管している、今、御質問のあった中でも、科学技術や、あるいは宇宙戦略というものは非常に重要だと思います。これからの日本の国の在り方、あるいは国力そのものを決めていくほどの重要な分野だと思っています。
しかし、他方で、ともすれば、なかなか中身が専門的だったり難しかったりということもあるんだと思いますけれども、どうしても国民に広くなかなか関心を持ってもらいづらいといったテーマでもあります。そういう意味で、この総裁選挙を機会に、各候補者が科学技術や宇宙戦略ということについても大いに議論をしてもらって、それを国民、党員の皆さんに聞いてもらいたいと思います。

関連なんですけれども、大臣、河野さんを支持されると、この前表明されていましたけれども、改めて河野さんの魅力といいますか、どういうところに期待するのか、改めてお話しいただけますか。

そういう意味では先般も、やはり突破力とか、あるいは行動力とか、そういったことに期待していると申し上げたところです。あるいは、現在まさにワクチン接種という新型コロナ対策の鍵となる、そういった分野を担当されておられます。あるいは、規制改革、行政改革ということで、これは国の根幹にも関わる非常に重要な分野を担当されておられます。そういった分野についてしっかり実績を残し、あるいは今後の方針についてもきちんとした考えを発信されておられますから、こういった国民の関心の高い分野についてもしっかり取り組んでいただくことを期待しています。