文字サイズ
標準
メニュー

井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年8月27日(金) 10:21~10:34 於:中央合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

発言要旨

科学技術政策担当大臣として報告します。
昨日、第56回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました。会議では、大学改革の方向性として、世界トップレベルの研究大学の在り方、地域中核大学の在り方について私から説明し、「大学ファンドの資金運用の基本的な考え方」について案のとおり決定いただきました。
会議の中では、菅総理より、私を含む関係大臣に対し、(1)世界と伍するトップレベルの研究を行う大学の改革を進めるために、まず大学経営の「ガバナンス」として、しっかりした経営戦略を立て、外部の人材も入れた意思決定機関をつくり、トップを選任・監督するといった体制の構築をするため、次期通常国会で必要な法改正を目指すこと、(2)さらに「資金力」については、こうした改革に取り組む大学が世界レベルの研究を行うため、10兆円の大学ファンドの運用益により重点的な支援を行うこと、その際、博士課程などの最先端の研究人材への支援も進めること、(3)また、地域の中核大学が特色ある研究成果を基に新しい産業を生み出せるように、必要な政策パッケージを今年度中に取りまとめることなどの指示が出されました。
私としては、総理の御指示の下、関係大臣と連携して令和4年度の予算編成過程において10兆円規模の大学ファンドを構築し、本年度末の運用開始に向けて準備を進めるとともに、地域中核大学の総合的な支援パッケージを今年度中に策定してまいりたいと思います。
もう一件、科学技術政策担当の大臣として報告します。
昨年改正された科技イノベ活性化法に基づく新たなSBIR制度の運用に向け、政策ニーズに基づく国の研究開発課題を設定するプログラムマネージャーを公募しました。その結果、科学技術に関する知見やスタートアップビジネス経験など、豊富なバックグラウンドを有する4名の方をプログラムマネージャーとして採用し、本日ここに公表します。
この新たなSBIR制度は、イノベーションの創出を目的とし、省庁横断で基礎研究から事業化フェーズまでの切れ目ない事業を進めるものです。本年6月に、この制度に基づく補助金に関する統一的なルールなどを盛り込んだ指針を閣議決定しており、それに基づき今回のプログラムマネージャーの採用を行いました。これらの方々の知見を最大限活用し、新たなSBIR制度の運用を本格化することで、「世界で最もイノベーションに適した国」づくりを目指してまいります。
もう一件、科学技術政策担当の大臣として報告します。
本日の閣議において、「令和3年度に日本学術会議が共同主催する国際会議の中止について」及び「令和4年度に日本学術会議が共同主催する国際会議について」を口頭了解しました。
日本学術会議が共同主催する国際会議は、学術の振興と科学的諸問題の解決促進が期待される優先度の高い国際会議として、日本学術会議が関係の学術研究団体とともに開催するものです。
「令和3年度の国際会議の中止について」は、昨年9月に開催を了解いただいた7件のうち1件について、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、令和3年度の開催を中止するものです。「令和4年度の国際会議について」は、令和4年度に11件の国際会議を主催するものです。
日本学術会議の重要な役割の一つは、学術分野における国際的なネットワークの構築です。これらの国際会議の開催などを通じ、学術研究分野における一層の発展に貢献し、国民の役に立つ学術会議になっていただくことを期待します。
国際博覧会担当の大臣として報告します。
本日、国際博覧会推進本部を開催し、万博を支える周辺インフラの整備の具体的計画となる「インフラ整備計画」を決定しました。会場へのアクセスの向上に加え、にぎわいや魅力の向上、さらには開催後の大阪・関西全体の成長基盤に資する事業などを盛り込んでおります。 万博開催まであと約3年8カ月、いよいよ計画が決定したことを受け、地元とも緊密に連携し、インフラ整備に向けた取組も加速化してまいります。
また、未来社会の実験場にふさわしい具体的なプログラムの検討を加速し、今後、各府省庁において規制改革や支援策など必要な措置を実施していくことが重要です。本日の本部会合においては、政府一丸となって推進していくため、今後のアクションプランを年内にまとめるよう、総理から指示がありました。世界からの参加の確保、民間企業の参画の促進も含め、万博の成功に向けて政府一丸となって、また、博覧会協会や大阪府・市など関係自治体、経済界なども含めたオールジャパンで取り組んでまいります。
もう一件あります。
本日、大阪に出張します。本日のインフラ整備計画の決定を受けて、早速、吉村大阪府知事及び松井大阪市長と面会し、大阪・関西万博の準備・運営を着実に進めていくための意見交換を行います。また、関西経済3団体共催による意見交換会に出席し、規制緩和をはじめとした大阪・関西万博の環境整備について意見交換も行います。感染対策には十分に留意しつつ、必要な用務を実施してまいります。
以上です。

質疑応答

SBIRのPM(プログラムマネージャー)が決定したということなんですけれども、ちなみに、今年度の新しいSBIR制度の予算というのはいくらで、その執行状況はどうなっているのか。それで、PMが、今年度予算の執行についてどのように具体的に関わっていくのか。そこら辺について教えてください。

(事務方)内閣府が直接関わるのは4億円でございます。課題については、もう決まっております。また後ほどお示しをしたいと思っております。まさに執行はこれからでございます。

もう一つ。学術会議の国際会議のちょうど話が出たので、ちょっとお聞きしたいんですけれども、G20に向けて、G20開催国のアカデミーでつくったS20という組織があるんですけれども、そこが提言を取りまとめています。7月に取りまとめて、もちろん日本の関係機関にも、こういうふうな提言を取りまとめたんだというふうなことを伝えていると思うんですけれども、大臣のところにはS20の提言というのは入っているんでしょうか。

(事務方)事務的には、英文はあるんですけれども、今、和文を用意しているところでして、でき次第、事務的にお届けする予定です。

では、7月にできたけれど、まだ大臣のところには入っていないんですね。

(事務方)最終的な英文はありますけれども、和文がまだ調え中ですが、でき次第お届けする予定でございます。
(井上大臣)ちょっと英語が得意ではないものですから、御容赦いただければと思います。

万博のことでお伺いいたします。
先ほどの政府の会議でもございました、未来社会の実験場の具体化に向けたアクションプランを取りまとめるということで総理からも御発言があったと思います。これに関して、大臣はかねて「空飛ぶクルマ」の実現等、具体的に言及されていらっしゃいましたが、今後、どのテーマを優先的に取り上げるなど、そういう優先順位みたいなものはあるのでしょうか。具体的な今後の検討状況について教えてください。

一つは、7月2日に地元から要望をいただいて、そこに、いわゆるインフラのハード事業とともにソフト事業についても要望がありました。ですから、それを受け止めて、最大限地元の意向を尊重したいと思っています。
それに加えて、関係省庁の連絡会議をつくっておりますから、私から関係省庁に対しても、様々なアイデア、項目出し、これをしてもらいたいということを考えてもらいたいと思っています。その上で予算を確保したり、あるいは規制緩和、こういったことをしていかなければなりませんので、そこは我々でリーダーシップを取って、このアクションプラン、年内に取りまとめていきたいと思っています。
ちょうどこれから、大阪府知事や市長ともお会いしますし、あるいは経済界の皆さんとも意見交換をいたします。地元からの要望ということもまた改めて伺っていきたいと思います。

今の万博のアクションプランに関連してなんですけれども、年内に取りまとめるということですけれども、規制改革とかというのは、例えば次期通常国会の法改正とか、そういったものを念頭に置いて進めるものもお考えの中にはあるんでしょうか。

具体的な進め方とか詳細な内容については、まさにこれからということで関係省庁と協力して検討したいと思っていますが、あと3年8カ月ですからね。長いようで短いですから、やはり規制緩和といったようなことは、なるべく早く制度を変えていかないと、それに対応していろいろ事業者や自治体の方が行動するわけですから、やはりなるべく早くとは思っています。

昨日、自民党総裁選の日程が正式に決まりました。現在、菅総理や岸田前政調会長などが出馬を表明されていたり、他にも複数出馬の動きがあるというように報じられています。大臣個人としては、今回の総裁選はどのような態度で臨まれますでしょうか。

私は閣内におりますし、今、この新型コロナの状況が非常に厳しい状況ですから、まずは新型コロナ対策をはじめとして、そして自らの所管の公務、これに全力で集中していきたいと思っています。その上で、当然のことながら、自民党議員として適切に対応していきたいと思います。