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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年8月20日(金) 10:54~11:08 於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

発言要旨

国際博覧会担当の大臣として報告します。
これまで政府一丸となり、私が先頭に立って各国に対し精力的に参加招請活動を行ってきており、私自身、先日の海外出張なども含め、57カ国、2国際機関に対し直接の働きかけを行っております。
今般、新たにインドネシア、エジプト、キルギス、スリナム、ベトナムから正式な参加表明をいただきました。これにより、累計で54カ国及び5国際機関の参加が公表に至ったことになります。今回公表した5カ国の正式な参加表明を心から歓迎しています。着実に前進しておりますが、今後とも様々な機会を活用して、しっかり招請活動を進めてまいります。
次に、消費者担当大臣として報告します。
近年、消費者の嗜好の多様化を背景に、動物性原材料に代えて植物由来の原材料を使用するプラントベース食品が増加しています。プラントベース食品は、健康志向や環境への配慮、食物アレルギーへの対応など様々なニーズに応えるものであり、消費者に適切に選択していただくことが重要です。また、プラントベース食品を製造・販売する事業者には、分かりやすく明確に表示していただく必要があります。
このため、本日、消費者向けに、プラントベース食品を購入・選択する上での注意事項について取りまとめました。あわせて、事業者向けにプラントベース食品の商品名や原材料名等に関する表示の仕方について、景品表示法及び食品表示法等の留意事項もQ&Aとして公表いたします。
消費者の皆様には、プラントベース食品を含め、適切な商品選択をできるように、商品名や絵・写真だけでなく、表示自体をよく御確認いただきたいと思います。特に食物アレルギーをお持ちの消費者の皆様は、原材料等の表示もよく確認してください。
もう一件、消費者及び食品安全担当大臣として報告します。
消費者庁では、環境負荷の低減や持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて、消費者の行動変容を促す視点から、食品ロスの削減などエシカル消費を推進しておりますが、今後、次の柱となる取組として、衣食住の「衣」に着目し、サステナブルファッション推進に向けた取組を強化します。
このため、これまで消費者庁、経済産業省、環境省が個別に取組を進めてまいりましたが、サステナブルファッションの推進は、縦割りに陥らずに政府を挙げて取り組むことが重要であり、本日、「サステナブルファッションの推進に向けた関係省庁連携会議」を立ち上げます。本日の会議には、小泉環境大臣、佐藤経済産業大臣政務官にも御出席をいただきます。
本日の会議では、キックオフとして、3省庁における現在の取組を共有し、今後の取組や方向性について議論します。本会議を軸に、政府におけるサステナブルファッション推進のための本格的な取組につなげてまいります。
もう一件あります。
本日、「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者が取るべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」を定めました。
昨年6月に成立した「公益通報者保護法の一部を改正する法律」では、事業者に対し、内部公益通報に適切に対応するために必要な体制を整備することを義務づけており、本日定めた指針は、事業者における通報窓口や処理体制の具体的在り方など、体制整備に当たって必要な内容を規定するものです。
改正法は来年6月1日の施行を予定しています。労働者数が300人を超える事業者は義務の対象となるため、法改正の趣旨や、今回策定した指針の内容を踏まえ、労働者からの内部公益通報に適切に対応できるよう、必要な体制整備の取組を進めていただきたいと思います。
消費者庁においては、今後、改正法や指針の内容を十分周知するなど、関係団体とも連携し、企業や地方公共団体における施行に向けた体制整備を後押ししてまいります。
それから、科学技術政策担当の大臣として報告します。
本日、十倉雅和日本経済団体連合会会長を訪問し、日本学術会議の在り方について意見交換を行います。
以前より申し上げているとおり、学術会議の在り方については、学術会議内で議論を閉じてしまうのではなく、幅広く外部の視点も取り入れることが重要です。現在、CSTI有識者議員懇談会において議論を行っていただいているところですが、私としても、今般、産業界の代表である十倉経団連会長と意見交換をさせていただくこととしました。
本日の意見交換をはじめとする様々な御意見、CSTI有識者議員懇談会での議論を踏まえ、学術会議が本来発揮すべき役割を適切に果たし、国民の皆様に理解される存在であり続けられるよう、在り方についての検討を深めてまいります。
最後に、健康・医療戦略担当の大臣として報告します。
24日(火)、健康・医療に関する取組を関係府省が連携して推進するために、健康・医療戦略推進会議の第29回会合を開催します。
今回の会合では、医療分野研究開発関連の令和4年度概算要求に加え、本年6月に閣議決定したワクチン開発・生産体制強化戦略関連の概算要求の内容についても関係各省からヒアリングなどを行います。
新型コロナウイルスの感染者が急増している中、国産ワクチンの開発・生産は喫緊の課題です。国産ワクチンの実用化をはじめ、健康・医療に関する研究開発は、国民の皆様から大変期待されている分野であり、必要な予算の確保を含め、スピード感を持って取り組んでまいります。
以上です。

質疑応答

万博の参加国が54カ国と5国際機関まで増えたということで、タイプAについても表明された国がもし増えていたら教えてくださいということと、もう一点、万博の関連事業計画なんですけれども、以前、「8月中には政府として決定」とおっしゃっていたかと思うんですけれども、現在の検討状況について教えてください。

タイプAについては、残念ながらまだ従前から増えておりませんので、現在9カ国ということになります。ただ、それぞれいろいろ交渉している中で、タイプAが期待される国もかなり多くありますので、この交渉をさらに前に進めて増やしていきたいと思っています。
それから、関連事業計画ですけれども、若干当初より遅れておりますけれども、8月中には、ということで、今、内容について最後の精査をしておりますし、あとは、手続的にも与党に説明したり、あるいは政府の会議を開かなければいけませんが、そういった日程調整をして、8月中にはしっかり決めていきたいと思っています。

冒頭あったプラントベース食品のことについて、大臣のお考えというか御意見を伺いたいんですけれども。新しい食品、様々出てきているかと思うんですが、こうしたものに対して早め早めに消費者に情報発信するということはとても重要だと思うんですけれども、今回のこのプラントベース食品に関して、大きな問題が起きていない中で、こうした情報発信をしていくところ、井上大臣、どういうお考えで今回情報発信されたということなんでしょうか。

そうなんです。おっしゃるとおり、やはり消費者の皆様のニーズにしっかり応えていくというのが消費者庁の重要な役割だと思っております。このプラントベース食品、非常に今、消費者の嗜好が多様化しているということで注目もされておりますし、事業者の皆さんもそれぞれいろいろ意欲的に製品を出し始めておりますので、そういう意味では、先手先手で消費者の関心に応えていこうということで、今回、こういった取組をさせていただきました。
消費者行政、従来からどうしても、何か消費者トラブルが発生したことに対して、それをいわば後からカバーするといったような、これはもちろん、それはそれで大切なんですけれども、そういった対応だけではなくて、やはりしっかり先手先手で取り組んでいこうと。その一環ですから、是非消費者の皆さんにも、むしろこういったものを御覧になっていただいて関心を持っていただくと、そんなことも期待しております。

大臣、冒頭で発言のあった公益通報の関連なんですけれども。昨日、指針についても説明があったところなんですけれども、通報によって不利益な扱いをすることは許されないというメッセージを明確に分かりやすく発信することがすごく重要なのではと思っているんですけれども。指針だと、「通報によって不利益な扱いをした場合に、そのような当該行為をした労働者や役員らに対して懲戒処分、その他適切な措置を取る」というふうに今定められていると思いまして、これがちょっと、「その他適切な」というのはどういうことなんだろうとか、「どのような行為がどの程度の処分を必要とする不利益な扱いとなるのか」というところが、また準備を進めている企業、事業者の中では疑問に思うところではないかと思うんですけれども。今後解説が出て、さらに詳しい説明があると思うんですけれども、どこまで具体的に分かりやすく説明するべきだというふうに大臣は思っていらっしゃいますか。

不利益な取扱いを許さないということが一番大事だと思っています。そういう意味では、法律の改正法の中に、いわば刑罰はちゃんと書いてあるわけですから、やはり本当にひどいケースにはそういったことが適用されるということになります。
懲戒ですから、これはむしろ事業者の内部での取扱いなので、それをどこまで消費者庁・政府側が、いわば縛るというか、基準を設けるかという、ちょっと考え方はあるとは思うんです。ただ、それも含めて、これから事業者の皆さんとも話をしながら、おっしゃるように、これから指針の、さらに細かい、いわば考え方というものを示していきたいと思いますので、その中でできる範囲でやっていきたい。事業者の皆さんが迷わないような、そんな対応をしていきたいと思っています。

関連してなんですが、この後、十倉会長にもお会いするということで、やはり事業者サイドの協力とか理解も重要かと思うんですけれども。公益通報の制度を普及させるためには、この後、学術会議のテーマであるとは思うんですけれども、十倉会長に何がしか、この公益通報に関して働きかけだったり意見交換されるというお考えだったり御予定というのはあるんでしょうか。

それはないですね。もちろんそれは大事なんですけれども、今日の会談は学術会議の話ですから、私もいろんな所管を持っておりますけれども、たまたま所管が重なっているからといって、その他の話をするというのは、ちょっと十倉会長にも失礼に当たりますので、今日は学術会議の話をしっかりしていきたいと思っています。