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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年7月30日(金) 10:33~10:46 於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

発言要旨

健康・医療戦略担当の大臣として報告します。
6月に閣議決定された「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づき、新たに「ワクチン開発・生産体制強化関係閣僚会議」を設置し、本日の閣議前に第1回の会議を行いました。
新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあるなど、その影響が続いている現状において、国産ワクチン開発・生産は極めて優先度の高い政策です。これを進めるためには、研究開発だけでなく、薬事規制、国際協調、安全保障など様々な観点が必要であり、関係府省が有機的に連携し、国を挙げて早急に取り組むべき重要案件です。
具体的には、戦略を閣議決定してから本日までの国産ワクチン開発・生産に関する主な動きを担当府省から報告いただきました。また、戦略でまとめられた「喫緊の新型コロナウイルス感染症への対応」及び「今後、ワクチンを迅速に開発・生産する体制の構築に必要な9つの施策」を計画的・着実に推進するため、短期、中長期で具体的に行うべきことをまとめた工程表を新たに作成しました。この工程表に基づき、今年度中に、追加の予算措置なしですべきことは迅速に実行し、来年度予算等の要求で必要なものはしっかりと確保をして、戦略を着実に実行していただくよう関係府省に依頼をしました。
ワクチンの研究開発については、私が責任を持って取りまとめてまいります。関係閣僚会議を通じ、ワクチン実用化を目指した支援を、安全性に十分配慮しつつ、スピード感を持って進めてまいります。
科学技術政策担当大臣として報告します。
7月27日に、原子力委員会において「令和2年度版原子力白書」を取りまとめ、本日の閣議にて資料配布しました。
白書では、原子力委員会が策定した「原子力利用に関する基本的考え方」の内容を踏まえ、原子力政策に関する現状や取組などを説明しています。特に本年は「東電福島第一原発事故から10年を迎えて」をテーマとする特集を組みました。その中で、関係者が、新規制基準を満たせば安全であるという慢心から「新たな安全神話」が生み出される懸念に対して、安全性向上や安全文化の醸成に取り組み続けることや、原子力災害に関する記憶と教訓を風化させないよう、次世代に確実に引き継ぐことが必要である旨を指摘しております。
特に原子力政策については、国民の理解と信頼を得ながら進めることが大切です。この白書をきっかけとして、国民の皆様への原子力利用に関する説明をより一層果たすため、原子力委員会にも努力を続けていただくとともに、私(科学技術政策担当大臣)も国内外への分かりやすく正確な情報発信に努めてまいります。
消費者及び食品安全担当の大臣として報告します。
昨今、新型コロナウイルスのワクチンに関する根拠のない誤った情報、いわゆる「デマ情報」がSNSを中心に流布されております。
具体的には、ワクチン接種でコロナに感染する、不妊や流産の原因となる、体内の遺伝情報が書き換えられるといったものでありますが、厚生労働省が公表しているワクチンQ&Aでもはっきり否定され、いずれも根拠のない誤ったものです。消費者の皆さんは、このような悪質なデマ情報を決して信じないでいただきたいと思います。
ワクチンのデマ情報に関しては、今年5月以降、消費生活相談が一定数寄せられております。今年改定した消費者基本計画でも、「緊急時における消費者の心理傾向等を踏まえ、...消費者の冷静な対応を促す必要な施策を推進」としたところであり、新型コロナウイルス感染症対策として、SNSに接する機会が多い若年層において、このようなデマ情報の拡散抑止は喫緊の課題です。
消費者庁でも、関係省庁と連携し、消費者の皆様に向け、SNSなどを通じて正しい情報発信に努めてまいりますが、特に若い消費者の方には、政府や公的機関などが公表する正しい情報を今一度確認するようお願いいたします。
最後に、クールジャパン戦略担当の大臣として報告します。
本日、クールジャパン官民連携プラットフォームの副会長である、歌手・声優・女優の松本梨香氏との意見交換を行います。
官民連携プラットフォームは、去る6月30日の総会で新体制がスタートし、松本氏に新たに副会長に就任いただきました。本日の意見交換では、松本氏の代表的な出演作であるアニメ「ポケットモンスター」をはじめとする日本のアニメ・映画の海外での評価や、世界から見た日本の魅力、そして今後のプラットフォームの活動等について率直な御意見を賜りたいと考えています。
以上です。

質疑応答

ワクチンの関係閣僚会議が開催されたということで、その中でも特に国産ワクチンの開発について、いろいろ報告を受けたと思うんですけれども、今後、国産ワクチンの実用化については、どのくらいの時期にはできそうなのか、そういう見通しというのはあるんでしょうか。

これは厚生労働省などが担当しておりますけれども、できたら年内に国産ワクチンの実用化試験を目指したいというのが目標であります。

万博について御質問したいんですけれども、7月中に関連事業計画を決めるといったお話があったと思うんですが、もう既に7月末になってしまったんですけれども、こちらの時期は、8月の概算前までというので変わりはないのでしょうか。

いろいろ、ちょっとコロナ対策とか、あるいは私の海外出張とか、若干手続が遅れております。ただ、いずれにせよ、来年度予算にも関わる話ですから、概算の手続にも間に合うようにということで、8月中には政府として決定していきたいと思っています。

ワクチンの関係でお伺いしたいんですけれども、本日も緊急事態宣言の追加・延長が諮られるという状況で、国内の感染状況が広がっている中で期待が大きいと思うんですが、6月の策定以降の進捗の受止めというのは大臣はどのように考えていらっしゃるかというところと、スピード感を持って進めるということですが、そのあたりのポイントを教えてください。

そうですね。まさに国民の関心、期待の高い中で、やはり今のコロナの状況を考えると、スピード感を持って戦略を実行していかなければいけないということが非常に重要だと思っております。そういう思いで、私も担当大臣として、各担当閣僚になるべく急ぐようにお願いをしているところであります。
その結果として、例えば「研究開発拠点の形成」、また「ワクチン製造拠点整備」に向けて、関係府省において大学、製薬企業等へのヒアリングを進めて、制度設計に向けた検討に既に着手をしております。また、「戦略性を持った研究費のファンディング機能の強化」に向けた取組では、今後、戦略的なワクチン開発を牽引する新たな体制として、先進的研究開発戦略センター「SCARDA(スカーダ)」を、遅くとも来年度初頭までにAMED内に創設することとしており、この組織検討のため、準備室を既にAMEDに設置をしました。
また、喫緊のコロナワクチンの対応といたしましては、ワクチンの緊急事態における特別に使用を認めるための制度の在り方について、本年中に方向性について結論を出すことについても報告されました。
また、「喫緊のコロナワクチンの検証試験の支援」に関して、薬事規制当局国際連携組織である「ICMRA(イクムラ)」の場で議論をして、これまでの進捗により、従来の数万人ではなく数千人規模の試験を代替とした開発を進めることに関し、大筋の合意がなされたところです。
引き続き、しっかりスピード感を持って対応してまいりたいと思います。

今の続きのワクチンですが、今日が第1回目ということで、先ほどスピード感を持ってということだったんですが、第2回目以降、それから工程表の話もありましたけれども、どんな形で進んでいくのか、次のことをちょっとお伺いしたいんですが。

そうですね。次回については特にまだ何も決めておりませんけれども、6月1日にこの戦略を決めて、約2カ月の間に、とにかくスピード感を持って対応してもらいたいということで、一定の進捗があったということを今日は報告もしてもらいました。ですから、それぐらいの頻度でしっかりこういった閣僚会合を重ねて、そしてしっかり戦略を前に進めていく、そういうことが重要だと思っています。

概算要求前には、もう1回ぐらいありそうなんですか。

ちょっと、概算要求、だいぶすぐですけれどもね。だから、別にこれは何かスケジュールありきではありませんので、やはりしっかり対応した上で、一定の進捗があれば、それを関係閣僚で共有していく、そういう会議を開催する必要性が出てくると思います。

あと、大臣、先ほどちらっと、「ワクチン開発を責任を持ってやっていく」という話をされていたと思うんですけれども、この話、司令塔機能の話があったと思うんですが、お話の中では、井上大臣がこれをまとめていくということで、もうほぼほぼ関係閣僚のところの中では合意が得られていると理解してよろしいんでしょうか。

はい。それは今日の会議の場でも私から申し上げました。実際、今日の会議も官房長官が議長で、私と厚労大臣が副議長ということで、厚労大臣はどちらかというと実際の施策をたくさん担当されておられますから、私が(副議長としてこの閣僚会議の)進行・取りまとめをしていくといったような役割分担になっています。