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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年6月29日(火) 11:05~11:18 於:中央合同庁舎第4号館1階全省庁共用108会議室)

発言要旨

宇宙政策担当の大臣として報告します。
本日、宇宙開発戦略本部が開催され、「宇宙基本計画工程表改定に向けた重点事項」を決定しました。
総理からは、特に次の3点について、内閣府を中心に関係府省が連携して取り組むよう発言がありました。まず、(1)多数の小型衛星を一つのシステムとして機能させる「小型衛星コンステレーション」について、我が国独自のシステムの構築と基盤技術の開発。次に、(2)世界初となる火星の衛星からのサンプルリターンの実現や、「アルテミス計画」に関する取組の着実な推進。さらに、(3)カーボンニュートラルの達成に貢献する宇宙太陽光発電や宇宙活動を支える宇宙輸送システムの開発。総理の発言を踏まえて、私自身、先頭に立って宇宙政策をしっかり進めてまいります。
本日、この後、携帯電話料金の低廉化に向けた二大臣会合を開催し、消費者行政担当及び公正取引委員会の事務を担当する大臣として出席します。会合結果につきましては、会合後に武田大臣との共同記者会見でお話ししますが、これまでの取組と成果について議論し、今後の課題を整理したいと考えています。
消費者庁が今月、携帯電話の利用状況に関する意識調査を実施したところ、携帯電話を利用する人のうち約15%が、携帯各社が新しい料金プランを発表した3月以降に乗り換えたこと。一方、SIMロックの原則禁止や乗換え手数料の引下げなど、制度改正に関する消費者の認知が進んでいないこと。いまだに料金メニューが分かりにくいと感じている消費者が多く、複数事業者間での分かりやすい料金比較が望まれていることなどが明らかになりました。
消費者の皆さんは、自分にとって最も料金が安く、自分の利用実態に適しているプランが何かということに非常に強い関心があります。電気通信事業法上、携帯電話会社には、消費者が最適な選択をできるよう説明する責任があります。それにもかかわらず、消費者に十分な説明がなされていないのは残念に思います。
こうした状況を踏まえて、自身の利用状況に合った料金プランを選択するためのポイントをまとめた啓発用リーフレットを作成しました。消費者の皆さんには、自分に最適なプランは何か、積極的に携帯電話会社や携帯ショップの店員に相談していただきたいと思います。
今後も公正な競争環境の整備や携帯電話の不当表示等について継続的に監視を行い、消費者に情報提供するとともに、携帯電話会社に対しても、消費者に対して丁寧で分かりやすいサポート体制の提供を求めてまいります。
国際博覧会担当の大臣として報告します。
明日、新たに2025年国際博覧会協会の会長に就任した十倉経団連会長と面談します。万博の成功には、経済界の積極的な協力が必要不可欠であり、経済界の代表でもある十倉新会長と率直に意見交換したいと考えております。
最後に、クールジャパン戦略担当の大臣として報告します。
明日、私が共同会長を務める「クールジャパン官民連携プラットフォーム」の総会を開催します。
同プラットフォームは、官民にまたがるクールジャパン関係者の連携強化を目的に、2015年に設立された枠組みです。これまで民間側の共同会長である長榮周作パナソニック株式会社特別顧問及び川上量生株式会社ドワンゴ顧問とともに、異業種・地域の連携事例創出に向けた取組等を実施し、クールジャパンの基盤をつくってまいりました。
現在、新型コロナの影響を踏まえ、クールジャパン戦略の再構築に向けて最終的な検討を実施していますが、この機に、新たな体制の下で、クールジャパンの取組を進めることとしました。長榮・川上両会長のこれまでの御尽力に心から敬意を表します。
新たな共同会長として、夏野剛慶應義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授と辻芳樹学校法人辻料理学館辻調理師専門学校理事長・校長、副会長として麿秀晴凸版印刷株式会社代表取締役社長、高橋広行株式会社JTB取締役会長、そして歌手・声優・女優である松本梨香さんに御就任いただくことになっております。明日の総会におきましては、新会長と新副会長から、クールジャパンへの思いや今後の抱負等が示されると承知しておりますが、新たな体制の下でクールジャパンの取組をさらに進めてまいります。
なお、新型コロナ感染防止のため、総会はオンラインで開催することとしておりますが、是非御視聴をお願いいたします。
以上です。

質疑応答

明日、十倉新会長と面談をされるということで、昨年経団連と意見交換の際に、会場建設費が1,850億円と上振れするということを大臣が伝えられ、負担をお願いされて、前向きな回答があったというふうに記憶をしているんですけれども、明日そのあたりについても改めてお願いをされたりだとか、そういったこともされるんでしょうか。

まずは、博覧会協会の会長に御就任をいただいたものですから、そういう立場で引き続き政府との協力関係をお願いしたいと思います。加えて、経団連会長というお立場もありますから、様々な協力ですよね。そういった金銭的な負担もそうですし、あるいは経済界の参加、そういったいろんな面でのお話をさせていただきたいと思っています。

今朝の宇宙開発戦略本部のことなんですけれども、重点項目がいろいろ挙がっていると思いますが、大臣にとって、特に力を入れていきたい点があれば教えてください。

国際情勢の不確実性が増す中で、我が国の宇宙活動の自立性の維持・強化に向けた産業・科学技術基盤の強化や同盟国等との戦略的な連携を進めて、宇宙政策を強化する方針、これをしっかり示すことができたと考えています。
特に、小型衛星コンステレーションにつきましては、今後の安全保障や経済社会の基盤となり得るゲームチェンジャーであり、海外でも取組が加速しており、我が国としてもしっかり対応していく必要があると考えております。
宇宙戦略も、今非常に転換期になっております。国際的な競争、あるいは協力、これも激しくなっておりますから、日本の国が乗り遅れないように、むしろリードしていくことができるようにということで考えておりまして、あとは民間企業がだいぶ活躍をしていく時代になったと認識をしておりますので、小型衛星コンステレーションもそうですけれども、民間の皆さんとも、あるいはアカデミアですよね、協力をしながらやっていくということで、この非常に重要な時期にしっかりした戦略会議で決定できたので、非常に良かったと思っています。

宇宙基本計画の工程表の改訂の件についてお伺いしたいと思います。
今、政府の施策の中でも一丁目一番地は温暖化対策だと思うんですけれども、50年カーボンニュートラルの実現というのと、宇宙開発というところがどういうふうに歩調を合わせていくかということをお聞かせいただければというふうに思います。宇宙開発というのは結構時間がかかるので、2050年といっても結構急がなければいけない部分があると思いますけれども、どのようにお考えなのか、お聞かせください。

いろいろ宇宙開発における様々な技術開発が行われますけれども、それは温暖化対策、CO2の削減にもいろいろ役立つような技術もあると思うんです。ですから、そういったいわば民生利用といいますか、そういったことにも役立っていただきたいと思いますし、あるいは衛星で、そういった温暖化の状況をウォッチして、対策を施していく。それから宇宙太陽光発電とか、ある意味、夢のある野心的な技術というのもありますから、2050年ですからね、そういったことにもしっかり取り組んで、カーボンニュートラルを実現していくということで、この宇宙分野の役割も非常に大きいかなと思っています。

冒頭で発言のあった携帯電話の料金の関連なんですけれども。各社いろいろ新しいプランを出してはいるんですけれども、中にはというか、メインは、消費者が自ら携帯会社のホームページにアクセスして、自分で説明を読んで、代理店は通さずに自分で理解して申し込んで購入するという形が、すごく新しい形態として出てきているかなと思うんですけれども。一方で先ほど大臣がおっしゃっていた「分かりやすく説明する責任がある」というところで、そうした販売形態で少し敬遠している消費者もいるのではないかなとは思うんですけれども、その携帯電話会社から消費者への説明というのは、大臣としてはどのような形で行われるのが望ましいというふうにお考えでしょうか。

これは、消費者にとって本当に分かりやすく、そして納得していただいた上で、自らがプランを選ぶことができるようにということが大前提だと思っています。
他社との比較というのは、なかなか難しい面もあるかもしれませんけれども、少なくとも自分の会社の中でのプランの違いについては、これは消費者に分かりやすく説明するというのは、私は当然のことだと思っていまして、消費者の皆さんも様々な利用形態がありますから、それぞれに応じてやはり最安のプラン、あるいは使い勝手のいいプランは違うと思います。それを知りたいというのは、消費者の当然の声だと思っていますから、それに応えるように、やはり携帯電話会社にはちゃんと努力をしてもらわないと困ると思っております。これから開く二大臣会合でも、その旨は強く申し上げようと思っています。