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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年5月25日(火) 10:12~10:29 於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

発言要旨

消費者担当並びに公正取引委員会の事務を担当する大臣として報告します。
携帯大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の一部店舗において、自社の携帯電話回線の契約をしていない者に対する携帯電話端末の販売を拒否していた問題について、消費者庁では、先週、景品表示法を所管する立場から、3社に対し対応を指導しました。
これは携帯電話の回線契約をしなくても端末を購入できると表示しているにもかかわらず、実際には回線契約をしなければ端末を購入できない店舗が見られた点について、表示の観点から問題を指摘したものです。
なお、総務省でも、本日、3社に対し、販売代理店が不適切な勧誘を行わないよう指導することなどを求める要請文書を発出しております。
また、公正取引委員会では、携帯電話市場における公正な競争環境の整備に向けて、現在実施しているフォローアップ調査において、携帯大手3社と販売代理店との取引を含む事業者間取引についても、独占禁止法上及び競争政策上の考え方を示すこととなっております。
携帯電話料金の低廉化に向けた環境整備を図るため、総務省とも連携し、引き続きしっかり取組を進めてまいります。
次に、健康・医療戦略担当の大臣として報告します。
本日午後に、健康・医療戦略推進本部の医薬品開発協議会を開催します。私も出席し、協議会終了後にはぶら下がり会見も行います。
新型コロナウイルスの国産ワクチンの迅速な開発・生産を可能にする体制の構築は待ったなしの状況であり、そのために必要な対応策について、同協議会において有識者からの御提言をいただく予定です。
今後、新型コロナウイルスの影響がどのようになっていくのか、予測は難しいですけれども、いずれにせよ国産ワクチンの開発・生産は喫緊の課題です。菅政権としても極めて重要な問題であり、遅ればせながら本協議会において3月29日より検討をスタートしました。
タスクフォースによる有識者からのヒアリングを重ねた結果が本日の提言につながっており、重要な提言をいただけるものと期待しております。
最後に、遺棄化学兵器処理担当の大臣として報告します。
27日木曜日に、第21回遺棄化学兵器処理事業に関する有識者会議を開催します。国会などの状況が許せば、私も出席します。
本会議は、事業の進捗状況等について有識者の意見を伺うものです。先日の会見でも申し上げたとおり、本会議につきましても、議論の一層の透明性を図るため、私から事務方に指示をし、記者の方にはできる限り傍聴していただく部分を長く設定するとともに、会議終了後に、有識者会議座長等から記者ブリーフィングを実施する予定です。
以上です。

質疑応答

冒頭御発言のあった携帯電話大手3社の一部店舗について、端末を購入できると表示しているにもかかわらず、実際には回線を契約していないと販売しなかったということなんですけれども、これはどうして、そういう表示とかけ離れた実態がまかり通っていたのかということについては、大臣何か御報告を受けていらっしゃるんでしょうか。

理由については、これは事業者側の判断だとは思いますので、そこは私から申し上げることではないとは思います。むしろ総務省で、これは電気通信事業法に基づくガイドラインで、そして回線契約をしていなくても端末をしっかり売るようにしなければいけないと、すべきだということが規定されておりますので、それをしっかり、まずは守っていただくというのが第一だと思います。
我々消費者庁としては、その表示の問題で表示と実際に齟齬があるということですので、それを指導していくということですけれども、指導するのもむしろそういう意味では、表示を実態に合わせろと、通常はそういう言い方ですけれども、逆に実態に問題があるということですので、その実態をちゃんと総務省のガイドラインに基づいて変えるべきだといったような指導をしているということになります。

一消費者としては、何を狙って販売代理店がそういう表示とかけ離れた実態を続けていたのかというのが気になって、もし御報告を受けていらっしゃったら、大臣がその理由についてどうお考え、どうお受け止めになったかというのは伺いたかったんですけれども、そのあたりは、総務省のほうに聞いたほうがいいですか。

おそらく、携帯大手各社は消費者が携帯電話端末を分割払いで購入する際、一定期間経過後に端末を返却することなどを条件として、特定の残額の支払いを免除するプログラム「端末購入サポートプログラム」、こういったものを設けておりますので、こういったプログラムとの関係で、いわばそちらが利益が出るといったような経営上の都合でやっているんだとは思います。思いますけれども、やはりそれは電気通信事業法上ふさわしくないということですから、それであれば、それは是正すべきだという話なんだと思いますが。もし詳細についてお聞きになりたいなら、総務省にも確認していただければと思います。

関連になるんですけれども、通常だと景品表示法だと、いわゆる表示を直せというふうに言うのが一般的だと思うんですけれども、今回実態のほうを是正していけということになると思うんですけれども。そうなるとやはり総務省との連携がかなり重要になってくると思うんですけれども、その実態の確認や把握については、総務省とどのように連携していきたいというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。

今回の問題に限らず、この携帯電話料金につきましては、我々、総務省とも2大臣会合を開いて、公取も含めた関係3者で今緊密に連携をして進めているところです。ですから、引き続きこういった枠組みを活用して、しっかり進めていきたいと思っています。
やはりこの携帯電話料金の低廉化というのは、消費者にとっても本当に大きな関心事で、家計にもだいぶ影響を与えますので、これは我々としては消費者の立場に立って、やはり少しでも安く、かつ使い勝手のいい、そういった制度運用を目指していきたいと思います。

今回、これまでも3者連携で各種の対策、指導をされてきたわけですけれども、印象としては、やはり次々に指導内容が出てくるなという印象も受けているんですが。やはり引き続き何か問題があれば、厳しく法律に基づいて対処をしていかれるという考えは変わりないということでしょうか。

そういう意味では、先ほども申し上げたように、消費者の関心も非常に高いので、とにかくできることは、もう、すぐにどんどんやっていこうということで臨んでおります。その結果として、何か五月雨式にやっているように見えますけれども、むしろ私はこのようにスピード感を持ってやるべきだと考えています。

ワクチン開発についてお伺いしたいんですけれども、ワクチン開発は喫緊の課題と大臣はおっしゃったとおり、そのとおりだと思うんですけれども、国民からは「何で日本で開発ができないんだ」という声もよく聞かれると思うんですが。改めてそのあたり、大臣の御認識を聞かせていただけますでしょうか。

このワクチンの開発、開発に限らず生産も含めてですけれども、やはり今回の新型コロナによって、国産ワクチンの開発、生産がなぜ遅れているんだといったような国民からの声が大きいということは、重く受け止めなければいけないと思っています。
ですから、そういったことに関して、なぜ今回こういうことになっているのかという原因分析も含めて、この協議会で今回検討いたしました。いろいろやはり安全性の担保とか、それから財源、資金をどうするかとか、いろんな課題があるかと思いますので、そういった原因究明に基づいて、今回しっかり対策も立てて取り組んでいこうということにしております。

モデルナとアストラゼネカも特例承認されて、言ってしまえば、周回遅れのような状況だと思うんですけれども、この状況の中で、てこ入れをする狙いというのはどういったところにあるんですか。

確かに海外産のワクチンと比較して、国産のワクチン、今遅れているのは事実ですけれども、今、治験の最中であるワクチンもいくつかありますので、そういったものをしっかり安全を担保しながら、迅速化していくということは大事なことだと思っております。今回のこのワクチンの提言も、新型コロナに限るものではなくて、新型コロナを克服したとしても、その後、今後感染症がまた流行するということはあり得るわけですから、そういった事態に備えてという意味でも、やっていかなければいけないと考えております。

この新型コロナの時にワクチン開発ができなかったという反省を踏まえて、もし次に新たな感染症がまん延する可能性がある時に、もう速やかにワクチンの開発などができるようにするという、今回の反省を踏まえて、次に向けての取組でもあるという認識でよろしいですか。

ですから両面ですね。喫緊の課題はとにかく新型コロナへの対応ですから、それももう手遅れだとは思っておりませんので、逆にいえば、新型コロナの状況が今後どうなるか、もちろん我々努力はしますけれども、どうなるか分からない部分もありますので、まずはこの新型コロナに何としても追い付いて対応できるようにといったことに力を入れて、それに加えてその後の、その他の感染症対策としてもやっていかなければいけない。両面を考えています。

今のワクチンについてなんですけれども、ワクチン、どうしても今回コロナの問題で、感染症に対するワクチンばかりが注目されていますけれども、世界の状況を見ると、がんに対するワクチン療法だとか、その他のいろんな疾患に対してのワクチンも作られています。今回、拠点をつくることで、そういった他の感染症以外の病気に対する日本の競争力を、どのように高めていこうとお考えなのか、そこら辺について教えてください。

(事務方)1つは、まさに今大臣に御指摘いただきましたように、今後の感染症を含めてということですが、今回のワクチンについては、新たなモダリティということで、まさに今御指摘のように、感染症だけではなくてがんとか、あるいは難病とかいうことにも使えるモダリティをやる。ですので、まさに提言次第だと思いますけれども、そういう幅広い意味で、対感染症だけではないようなワクチンというのも、是非中長期的には考えていかないといけないと思っております。

あともう一つ、ワクチンについては今回予約接種になったということの背景に、危険性ばかりを強調するような報道があったり、情報が飛びかったりというふうなことがあって、もしかしたら最初はワクチンを受ける人が少ないのではないかということで、予約接種になったかと思うんですけれども。こういった状況を回避するためには、教育、ワクチンに対する教育みたいなことが大事かと思うんですけれども、大臣としては、ワクチンに対する教育についてはどのようにお考えでしょうか。

ワクチンそのものに関しては、厚生労働省なりの所管だと思いますけれども、我々消費者担当大臣として、消費者教育の観点から、やはりワクチンの安全性とか、あるいは必要性とか、そういったことを含めて国民に周知していくというのは、大事な取組だと思っております。
今、消費者庁としては、どうしてもワクチン詐欺の防止というのがもう差し迫った課題なので、そちらに力を入れておりますけれども、そういった御指摘の点も含めて、できることはやっていかなければいけないと思っております。

話は変わるんですけれども、遺棄化学兵器について教えてください。
この遺棄化学兵器は、戦後長らくずっと中国で続けてきていますけれども、これはゴールというのは見えているんでしょうか。ずっと何年もやっていて、少しずつ状況が良くなったり、良くなかったりするかと思うんですけれども、いつ頃この遺棄化学兵器の問題、最終的に決着が付くんだと大臣はお考えでしょうか。

実は私も同じ問題意識を持っておりまして、もちろん中国政府という相手方、あるいは国際社会というものがありますので、そういう意味ではしっかり対応しながら、そういった観点も踏まえて考えていかないと、これはやはり国民の大切な税金を使っているわけですから、理解を得られることはできないと思っておりますので、引き続き進めてまいりたいと思っています。