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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年1月26日(火) 8:30~8:39 於:衆議院本会議場中庭側廊下)

発言要旨

科学技術政策担当の大臣として報告します。
昨日の一部報道にもありました、大学や研究機関などにおける外国資金の受入れについては、「その状況等の情報開示を研究資金申請時の要件とし、政府資金が投入される研究を対象に透明性と説明責任を求めること」などが、昨年7月に閣議決定した統合イノベーション戦略2020に記載されております。これについては、今年早期に政府としての一定の方向性を定めるべく、現在、関係府省等との間で鋭意検討・調整を進めております。
例えば科研費につきましては、これまでも研究資金の重複や過度の集中がないかなどを審査するため、申請書に他の研究資金の獲得状況の記入を求めてまいりました。統合イノベーション戦略2020を踏まえ、昨年9月より開始した令和3年度の公募においては、国外からのものも含め、全ての研究資金の獲得状況の記入が必要であることを明示し、その趣旨を明確にしたと報告を受けております。
私としては、その他各府省等の研究資金においても、申請時の記載内容をある程度共通化することなどを求めた上で、行政手続効率化の観点も踏まえつつ、関係府省等と引き続き検討を進めてまいります。
次に、国際博覧会担当の大臣として報告をします。
先週1月22日に、ハンガリー、スウェーデン、イタリアの3カ国の在京大使、またその代理の方をお招きし、大阪・関西万博への参加招請を行いました。私より、大阪・関西万博の成功に向けた決意を表明しつつ、ポストコロナ社会のショーケースとして世界各国とともにつくる万博であることを強調し、各国の積極的な参加を強く働きかけました。相手国からは、大阪・関西万博への強い関心と期待が表明され、参加を前向きに検討いただいているとの印象を受けました。できるだけ早期の参加表明を期待しております。
この結果、これまでに25カ国1機関への招請を終えたところです。コロナ禍で大変厳しい状況であるが、今後とも様々な機会を活用して、しっかり招請活動を進めてまいります。
次に、消費者及び食品安全担当大臣として報告します。
緊急事態宣言後、新型コロナウイルスに関連する消費生活相談の件数や物資の需給状況は、現時点では特段問題はないとの報告を受けておりますが、引き続き注視してまいります。
ワクチン接種をめぐる報道が増えておりますけれども、今後、新型コロナワクチンの接種をかたる事案にも注意が必要と考えております。現時点において、市役所等から新型コロナワクチンの接種に関連して、個人情報等を聞き出す電話が来ることはありません。消費者の皆さんには是非御注意をいただいて、おかしいと思った場合は消費者ホットラインに御相談をお願いします。
関連して、コロナ禍の「新しい生活様式」のもと、デジタル・プラットフォームは国民の日常生活において不可欠な取引基盤としての地位を確立しつつあり、そこでの消費者保護は喫緊の課題です。昨日、「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」の報告書を取りまとめました。今回の報告書で、違法・危険製品の販売停止や、販売業者の情報の開示請求、デジタル・プラットフォームの努力義務や官民協議会、消費者による申出制度など、新法の枠組みがおおむね具体化しました。速やかに法案を作成して、今国会に提出をし、消費者に安心・安全なデジタル・プラットフォーム市場を実現してまいります。
最後に、消費者担当大臣として、食品ロス削減に関して報告します。
今年の節分、124年ぶりに2月2日です。残念ながら、毎年、恵方巻の食品ロスが話題となっています。予約販売等、恵方巻の需要に見合った販売に関する取組については、昨年度も多くの事業者に実施をしていただきました。本年は、新型コロナウイルス感染症予防対策の観点からも、多くの小売店において、予約販売が進むと聞いています。消費者の皆様におかれては、食品ロス削減の観点からも、事前に予約いただき、予約した商品は必ず引き取るなど、御協力をお願いします。 なお、消費者庁のウェブサイトでは、本件に関する情報発信を行っているので御覧いただきたいと思います。
食品ロスは、消費者にとっても身近な問題です。こうした季節の節目に、今一度この問題を「我が事」として捉え、自らの消費行動を見直していただきたいと思います。
以上です。

質疑応答

科研費の件なんですけれども、早期に政府としての統一の方向性を決めたいという話でしたが、これは担当は内閣府で、時期的には今年度とか具体的に決まっているものはあるんでしょうか。

先ほど申し上げた、この科研費の外国資金の受入れ状況といった話ですけれども、「科学技術・イノベーション基本計画」答申素案の中で掲げた「科学技術外交の戦略的な推進」に関する具体的な取組の一つであります。
具体的には研究者が有すべき研究の健全性・公正性の自律的確保を支援すべく、2021年早期に政府として対応の方向性を定めます。競争的研究費の公募や外国企業との連携に係る指針等、必要となるガイドライン等の整備、これを2021年中に進めてまいります。
こういったことが現在の基本計画の素案に記載されておりますので、基本計画を取りまとめる立場にある内閣府の科学技術政策担当として、それをしっかり取りまとめて、各府省と調整をしていくということでやってまいります。

宇宙関連で1つお聞きしたいんですけれども、JAXAのH3ロケットの機体が公開されまして、組立てが始まろうとしておりますが、大臣として新型ロケットへの期待などコメントをいただけますでしょうか。

H3ロケットについて、今般、愛知県にある三菱重工の飛島工場で機体が公開をされたということです。H3ロケットは打上げ能力が2トン近く増え、打上げ費用は約50億円と半減するなど、性能向上とコスト低減の両立を目指しており、我が国の宇宙輸送システムの自立性の確保や宇宙開発利用の拡大を実現する上で、極めて重要と考えています。
打上げは当初予定より1年延期されましたけれども、大切なのは確実な打上げを行うことだと思います。来年度の試験機初号機打上げに向けて、関係者の皆様におかれては、引き続き着実に取り組んでいただきたいと思っています。