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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2020年12月18日(金) 11:31~11:51 於:中央合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

発言要旨

まず、日本学術会議について、いくつか御報告をいたします。
まず、今朝、閣議の前に河野大臣と面会をいたしまして、来年度の予算や定員について御相談をいたしました。
次に、閣議の後に菅総理とお会いをして、梶田会長からいただいた中間報告の内容について御報告をするとともに、今後の進め方について御相談をいたしました。その中で、来週中にも私が梶田会長と直接お会いして、政府の考え方をお伝えすることについて御了承をいただきました。総理からは、「引き続き梶田会長と連携しながら、しっかり未来志向で取り組んでほしい」ということでありました。
なお、早ければ本日にも加藤官房長官ともお会いし、以上のような状況の報告などを行いたいと考えております。
次に、消費者及び食品安全担当の大臣として報告します。
消費者庁が実施した「令和2年度消費者志向経営優良事例表彰の対象事例」及び「食品ロス削減推進大賞」の各賞を選定したので、お知らせいたします。
令和2年度消費者志向経営優良事例表彰において、消費者志向経営を「消費者」と「共創・協働」して「社会価値」を向上させる経営と定義しました。この定義を踏まえた選考の結果、大臣表彰をライオン株式会社に授与することとしました。長期にわたり主力事業の「口腔衛生」を通して乳幼児から高齢者まで幅広く「健康習慣づくり」を働きかけ、事業成長とも連動しています。また、IoTの技術を利用し、歯ブラシにアタッチメントをつけ、正しい歯磨きを子供の生活に根づかせる取組も評価させていただきました。
また、本年度初めて実施した「食品ロス削減推進大賞」におきましては、消費者等に広く普及し、波及効果が期待できるすぐれた取組を行う者として、大臣賞を株式会社ハローズに授与することを決定しました。同社は、余剰食品を、支援を受ける団体が近隣の店舗で直接引き取る仕組みを構築し、これまで提供が困難だった乳製品やパンなどの寄附を可能とするとともに、このモデルが西日本を中心に広まり、食品ロスの削減に貢献した点を評価させていただきました。
このほか、両表彰における消費者庁長官賞等の対象者を、お手元の資料のとおり選定しました。
このような優良事例を広め、今後も消費者志向経営の推進及び食品ロスの削減を力強く前進させてまいります。
また、昨日、大阪府を訪問し、「エシカル消費」及び「食品ロスの削減推進」をテーマにしたシンポジウムへの参加、吉村大阪府知事、松井大阪市長との地方消費者行政に関する意見交換、大阪府及び大阪市の消費生活センターの視察、人や環境に配慮した商品を次々と生み出し、コロナ禍の中で手荒れしにくい消毒液の供給などで活躍しているサラヤ株式会社の視察を行いました。
大臣である私自らが食品ロスの削減等に関して広く行動を呼びかけるとともに、地方公共団体の首長に相談業務のデジタル化や相談員の処遇改善も含め地方消費者行政への協力依頼を直接行ったこと、大阪における消費者行政の活発な取組を把握できたことは重要な成果でありました。今回の出張の成果を、今後の政策にしっかりと生かし、スピード感をもって様々な課題に取り組んでまいります。
また、夕刻からは、国際博覧会担当大臣として読売広論セミナーに出席して、2025年大阪・関西万博についても講演をいたしました。
以上です。

質疑応答

冒頭の発言の学術会議について、来週にも梶田会長とお会いして政府の考え方を、とおっしゃったのは、以前からおっしゃっていた方向性について梶田会長に伝えるということでよろしいんですか。

はい。

あと万博の基本方針に関してなんですけれども、以前、今年中に閣議決定するとおっしゃっていたと思うんですけれども、具体的な日程について、来週とか何か決まりましたでしょうか。

まだ確定はしていないんですが、もう年末、あとわずかですからね。来週中にも閣議決定をしていただくように、今調整をしています。

あと、万博の基本計画のほうを見ると、リング状の大きな屋根が設置されていたり、大体万博がどういったものになるのかという大きな方向性が見えてきたのかなとも思うんですけれども、そういった基本計画を見られた大臣の御所感を教えてください。

基本計画については、協会で精力的に取り組んでいただきまして、そういう意味では、まだ案の段階ですけれども、いいものをつくっていただいていると思っています。
やはり会場デザインというのは非常に最も重要なところでありますから、これも会場のプロデューサーの藤本先生のところでいろいろお考えをいただいたので、しっかり、この基本計画に基づいて実現をしていきたいと思います。

大臣としては納得のいくような出来というふうに。

もちろん非常にすばらしいものが、まだ決定していませんけれども、できるのではないかと期待しています。

2つ教えてください。1つは、学術会議に来週にも伝える方向性なんですけれども、政府の考え方というのは、どこまで踏み込むものなのか。例えば設置形態だとか、今後の有識者の検討会を設けるとか、どこまで踏み込むものなのか、現時点で言えることについて教えてください。

そうですね。学術会議の皆さんも、限られた期間の中で精力的に議論をいただいて、そういう意味ではしっかりした中間報告を取りまとめていただいていると私も敬意を表しているところであります。
従来から学術会議側がおっしゃっていた5つの論点に加えて、私からも検討してもらいたいということで、設置形態についても言及してもらいましたので、やはり学術会議の皆さんの考え方、中間報告を基本的には尊重しながら、政府としてそれにつけ加えて申し上げることは申し上げていきたいと思っています。

もう一つは、全く別の話なんですけれども、新型コロナの感染拡大がとまらない中、結構いろんなグッズとか、空気清浄機みたいな機器とかがコロナ対策として出ているんですけれども、その中で、科学的根拠のあるものもあれば、怪しいものとか、逆に体に悪いのではないかと思われるものまで玉石混交の状態です。例えば消費者庁として、何かそういったコロナ対策製品の中で、これは科学的根拠があるものなんだよというようなことを認定するような、そういうようなお考えはないんでしょうか。

新型コロナ対策製品については、マスクや消毒・除菌商品など様々な商品があります。その目的や効果に応じて、薬機法などの関係法令に基づいて、医薬品・医療機器等として許認可等の対象とされるなど、厚労省等によって必要な規制がなされていると理解しています。
消費者庁所管の制度としては、特定保健用食品や、あるいは機能性表示食品、こういった制度がありますけれども、これは免疫機能の維持に役立つと、そういったような表現にとどまって、特定の病名などを挙げて感染リスクの低減をいうことができるものではないということを御理解をいただきたいと思います。
消費者庁では、消費者の適切な商品選択の確保の観点から、新型コロナ対策製品に対する不当表示の取締りや消毒・除菌商品を選ぶ際の注意点などの消費者向けの情報提供も行ってきました。再度、感染者数の増加が見られる中で、消費者がどういった情報を必要としているかという観点からも、何ができるかを考えていきたいと思います。

河野大臣の火曜日の会見で、消費者庁の徳島県の全面移転は不要という発言があったんですが、所管大臣としての受止めと、井上大臣御自身の全面移転に対する考え方を聞きたいということです。
あと、消費者庁の新年度予算で、新未来創造戦略本部の関連事業費4億7,000万円という報道があったんですが、それはそういうことでよろしかったんでしょうか。

私からは、従来申し上げているように、消費者庁としては、7月に新未来創造戦略本部、これ、設置したばかりでありますので、まずはしっかりと期待された成果を出すように努めていきたいと思っています。
それから、予算の話ですけれども、現在最終調整中ですけれども、具体的には、まさに本日夕方ぐらいから御説明できると思っています。

学術会議の件で2点お願いいたします。
冒頭、大臣、河野大臣と面会してということですけれども。学術会議の予算や定員についてお話しになったと推察しているんですが、具体的に河野大臣との間で、何か合意ややり取りがあったのか、どういうようなものがあったのか、教えてください。

河野大臣に対しては、私からあり方についても少し御報告をしたところですけれども、来年度ということですから、それとは別に、河野大臣が定員や予算について考えていただくということになります。

具体的に、現時点で何か両者で合意があったりしたということはないですか。

これはもう基本的には、河野大臣が行革の観点からお決めをいただくということで、これまた予算のことですから、来週早々には発表されるということだと思います。

もう一点、総理にも学術会議側の中間報告の内容について報告したということですが、総理の反応や、何かしら指示なりがあったんでしょうか。

そういう意味では、私の説明について御了解をいただいたということで、しっかり引き続き学術会議と協力して未来志向で取り組んでくれと指示をいただきました。

宇宙関連で1つお聞きしたいんですけれども、中国の探査機が月のサンプルを回収して地球に帰還したというニュースがありました。中国の宇宙開発というのは、今非常に急成長していますが、日本として今後どのように協力し、競争していくべきかという大臣のお考えをお聞かせください。

まずは中国がこのミッションに成功したということをお喜び申し上げたいと思っています。
日本の国としても、「はやぶさ2」に代表される小惑星探査やアルテミス計画など、国際的にも宇宙探査活動をはじめとして宇宙活動が活発化しておりますので、こういった情勢も踏まえて、宇宙開発利用にしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

学術会議のことでお伺いします。
2日前に学術会議から中間報告がありましたけれども、その際は精読をしたいというふうにおっしゃっていたと思います。2日たって、この受止めですね、改めてどのように評価されていらっしゃるのか、印象的なところがありましたら教えていただけますでしょうか。

先ほども申し上げましたけれども、時間が限られた中で非常に精力的にいろいろ検討していただいて、そしてしっかりした中間報告をまとめていただいたと、学術会議の皆さんには心から敬意を表したいと思っています。
ただ、他方で、やっぱりどうしてもいろんな論点については述べられておりますけれども、具体的な方向性とか、あるいは解決方法ということに関しては、まだまだこれから詰めていかなければいけない部分もあると思いますので、我々も学術会議の皆さんと相談をしながら、そしてこの中間報告を尊重しながら、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

この報告の中で、設置形態を見直す場合は立法事実の明確化が求められるというふうに報告されております。法改正を必要とするかの検討が必要だということも述べられていますけれども、これについては、政府としてどう受け止めて、どういった場で議論していくということになりますでしょうか。

まさに設置形態については、まだ検討ということが中間報告の内容だと理解をしております。まさに設置形態のあり方を今後検討した上で、立法事実があれば法律改正も行うということになるのだと思いますけれども、まずは検討していくことが先だと思います。

最後に1つ。今日、総理とお会いになられたということですけれども、その際、学術会議から以前から要望されている6人の任命と、その任命しなかった理由の説明、これについて学術会議から回答するようにという要望があるということについては、お伝えになられましたでしょうか。

これはもうおととい、私、伺いましたので、事務的に既に官邸にはお伝えをしています。

消費者担当の大臣としてお聞きします。冒頭発言にありました、昨日の大阪での知事及び市長との懇談があったということとか、センターを訪問されたということで、先ほどの冒頭発言では、相談業務のデジタル化であるとか、相談員の支援ということを働きかけられたということですけれども、ほかにもいろいろ課題があるかと思いますけれども、ほかには何か働きかけされたものがあるのかどうか、お話の中で。それで、それらに対しての自治体のほうからの反応、何かあったかどうかということをお聞きしたいと思います。

昨日の会談では、私から新型コロナに関連した相談対応とか、あるいは消費生活相談のデジタル化、相談員が力を発揮できる環境の整備、地域における高齢者等の見守りなどについて、消費者庁の取組をまず説明した上で、知事や市長の協力もお願いをいたしました。知事や市長からは、チャットボットを活用した相談対応の先進的な取組、相談員のメンタルケアなど環境整備の必要性についてお話があって、全体的に消費者行政の重要性について想いを共有できたと考えています。
その後の消費生活センター訪問でも、大阪府・市の消費生活センターにおける精力的な活動を直接伺うことができました。吉村知事、松井市長の強力なリーダーシップによって取組がさらに進み、消費者行政の先進地として全国に発信されることを期待しております。
私としても、例えば高齢化等を背景に、担い手不足となっている相談員の確保や対応困難者への相談マニュアルの作成など、スピード感をもって取り組んでまいります。

もう一点なんですが、冒頭発言の中で消費者志向経営の優良事例の選考結果を発表されました。これは、主な取組についての内容というのはとても重要だと思います。この制度自体が重要だと思いますが、発表された後、表彰式とか何か予定はありますでしょうか。

来年にも、年明けてから、いろいろ関係者の皆さんの日程など調整した上で、表彰式もせっかくですから行うことを考えていきたいと思っています。