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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2020年12月15日(火) 10:56~11:03 於:中央合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

発言要旨

まず、宇宙政策担当の大臣として報告をいたします。
本日、宇宙開発戦略本部が開催され、宇宙基本計画の令和2年度の工程表改訂を決定しました。菅総理からは、特に次の点について指示がありました。
まず、我が国の技術力を一層強化し、同盟国である米国等との一層の連携のもと、宇宙安全保障や月面での持続的な活動を目指すアルテミス計画等を推進するとともに、将来の宇宙活動のルールづくりに取り組むこと。次に、省庁の垣根を超えて、あらゆる分野で衛星データの活用を集中的に進め、社会のデジタル化を加速すること。最後に、内閣府を中心に関係府省の連携のもと、宇宙基本計画工程表の迅速かつ着実な実行に全力で取り組むこと。以上の3点です。
総理からの指示を踏まえ、スペースデブリ対策や衛星データ利用の拡大をはじめ、宇宙政策を前進させる取組について、私自身、先頭に立ってしっかり進めてまいります。
次に、公文書管理担当の大臣として報告いたします。
行政文書の電子的管理の推進は、文書管理を確実かつ効率的に行う上でも、また、政府全体のデジタル化を進める上でも重要なものであり、政府は、平成30年7月の閣僚会議決定や昨年3月に決定した「基本的な方針」などに基づき、取組を進めております。
今般、内閣府において、各府省の取組状況について初めての調査を行ったので、その結果をお手元に配付しております。調査の結果、電子媒体を正本・原本とすることや研修の実施など、行政文書の電子化の取組が進んできている状況が把握できました。一方で、上書きのできない記録用フォルダの整備などの課題も挙げられてきており、情報システム面での課題を含め、一つ一つ対応してまいります。
「デジタル化」は、菅内閣の最重要課題であり、デジタル庁の設置を含め、政府全体で様々な検討が本格化しております。行政文書の電子的管理については、各職員の日ごろの積み重ねに加え、情報システムを活用し、効率的かつ適切な文書管理を実現していく必要があり、今後設置されるデジタル庁等の関係機関とも連携しながら、取組を加速してまいります。
最後に、クールジャパン戦略担当の大臣として報告します。
本日午後、凸版印刷株式会社が運営する「NIPPON GALLERY 旅道 丸の内」を訪問します。「NIPPON GALLERY」は、文化財や日本各地の景色・名勝等の魅力について、8K画像、VR、精密な3D計測等のテクノロジーを活用して、発見・発信するための企画開発拠点と聞いています。
施設の映像表現技術やコンテンツを視察するとともに、テクノロジーを活用して日本の魅力を磨き、国内外に発信していく方策等について、凸版印刷株式会社の麿社長等と意見交換をする予定です。
本日の視察で得た知見について、今後、クールジャパン戦略の推進や大阪・関西万博の盛り上げにつなげていきたいと考えております。
以上です。

質疑応答

2点質問があるんですが、まず1点目、今回の宇宙基本計画工程表の改訂で、大臣が重要だと考えていることは何でしょうかというのが1点目です。
もう1点目が、昨日JAXAから発表があったんですが、はやぶさ2の回収したカプセルの中に、小惑星リュウグウの砂と見られるものが確認できたという発表があったんですが、それに関する大臣の所感を教えていただければと思います。

今回の工程表改訂は、菅政権になって初めての宇宙政策の方針を示す機会となりました。特に宇宙をめぐる国際競争が激化する中、「はやぶさ2」で世界に示した我が国の技術力を一層高め、同盟国である米国等との連携を一層強固なものとし、アルテミス計画の推進や宇宙安全保障の確保などに取り組むとともに、スペースデブリ対策や宇宙交通管理など、将来の宇宙活動のルール形成に主体的な役割を果たしていく方針をしっかり打ち出した点は、重要であると考えています。
また、ビッグデータや通信手段を提供する宇宙は、デジタル化の基盤としてますます重要になっております。各省縦割りに陥ることなく、政府一丸となって取り組むということも重要だと思っています。私自身先頭に立って、府省の垣根を超えて衛星データの利用を推進し、社会のデジタル化を加速していきたいと思っています。
それから、はやぶさ2に関してですけれども、はやぶさ2のカプセルについては、JAXAの研究所においてカプセル開封作業が進められ、昨日、小惑星リュウグウ由来と考えられる黒い砂粒状のサンプルが確認されました。私自身、カプセルの中には小惑星のサンプルが入っているだろうと内心期待をしておりましたけれども、実際にこのような発表があり、率直にうれしく思っています。「はやぶさ2」のチームの皆様に改めて敬意を表したいと思います。
JAXAでは、引き続き本体部分であるサンプルキャッチャーの開封作業を行って、その中にあるサンプルの取り出しと分析作業が行われることとなります。今後サンプルキャッチャーから、さらに多くのサンプルが確認され、未知の発見があるということ、大いに期待をしております。