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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2020年10月20日(火) 10:20~10:41 於:中央合同庁舎第4号館12階共用1202会議室)

発言要旨

国際博覧会担当の大臣として御報告します。
本日、この後、和歌山へ、また明日10月21日に滋賀及び京都へ出張します。和歌山県知事、滋賀県知事、京都府知事との面談をそれぞれ予定しており、万博に向けた取組の現状や課題などについて率直に意見交換を行いたいと思います。
次に、科学技術政策担当大臣として報告します。
先週、菅総理と面会し、日本学術会議のあり方について御相談しました。私は所管大臣として、日本学術会議に期待されている機能が発揮できているかという観点から、検討していく旨を申し上げ、総理からは、しっかりやってほしいという言葉をいただきました。
また、同日には、日本学術会議の梶田会長が菅総理と面会し、意見交換が行われました。内容としては、梶田会長から、未来志向で学術会議が社会や国に対してどう貢献していくかなどのお話をされ、私を中心として私と会長でコミュニケーションをとりながら、お互いに進めていくということで、総理と会長が合意されました。梶田会長との意見交換の終了後、菅総理から私に対し、この件について改めて御指示をいただきました。
我が国が世界で一番イノベーションに適した国を目指すためには、アカデミアは必要不可欠な存在であり、その達成のため、政府もアカデミアも何ができるのか、お互いに知恵を絞ることが重要であると考えています。そのような観点も踏まえ、日本学術会議が国の予算を投ずる機関として、科学の観点から社会的課題について提言していくなど、本来発揮すべき役割をより適切に果たし、国民の皆様に理解される存在であり続けられるよう、梶田会長と連携して学術会議のあり方について、未来志向でしっかり検討してまいりたいと思います。まずは近いうち、できれば今週中にも梶田会長とお会いをして、今後検討を進めるに当たっての意見交換を行いたいと思います。
科学技術政策担当大臣として、もう一つ御報告いたします。
10月22日に、諸般の事情が許せば、日本科学未来館を訪問します。大臣に就任して初めて科学技術関連の施設を視察する機会となります。日本科学未来館では、毛利衛館長との意見交換や、若手研究者の研究室への訪問、地球環境などの世界の仕組みをテーマにした展示やロボットなど、先端科学技術に関する展示などの視察を行う予定です。
次に、もう一つ科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
7月に閣議決定された「統合イノベーション戦略2020」において、「マテリアル革新力」を強化するための政府戦略を、AI、バイオ、量子、環境に続く重要戦略の一つとして、産学官関係者の共通のビジョンのもとで策定することとしております。この度、「統合イノベーション戦略推進会議」のもとに、専門の事項を調査することを目的として、「マテリアル戦略有識者会議」を設置することにいたしましたので、報告します。有識者会議の座長には、花王株式会社の代表取締役・社長執行役員を務める澤田氏に就任していただくことにしており、第1回会合を明日、21日に開催をいたします。
マテリアルは、我が国の科学技術・イノベーションを支える基盤技術であるとともに、我が国がこれまで数多くのイノベーションを生み出し、世界の経済・社会を支えてきた重要な分野と考えていますし、今後、この有識者会議を中心に、関係本部や省庁が一丸となり、本年度末に同戦略を策定することを目標に、精力的に検討を推進いたします。
最後に、もう一つクールジャパン戦略担当の大臣として報告します。
10月22日に、大手町の「3×3 Lab Future」において、「クールジャパン・マッチングアワード」の表彰式及び「クールジャパン・シンポジウム」を開催し、私は表彰授与のため参加します。クールジャパンの取組を進める上で、異業種間、地域内、地域間での連携が重要です。これらの幅広い連携を実現した取組を表彰し、さらなる連携を促すため、2016年度以降、「クールジャパン・マッチングアワード」を開催してきました。
今回、グランプリを受賞された全日本空輸株式会社と松竹株式会社による「航空」と「歌舞伎」をマッチングした「歌舞伎がテーマの機内安全ビデオ」を含め、8つの取組を表彰します。引き続き、クールジャパンの取組の幅広い連携を促し、ポストコロナにおける日本のソフトパワーの強化や大阪・関西万博の盛り上げにもつなげてまいりたいと思います。
私からは、以上です。

質疑応答

内閣府では、ImPACTという最先端プログラムの大型研究を支援したんですけれども、これの終了後にいくつもベンチャーがどんどん出来上がっているんですが、なかなか事業化への道は厳しい部分もあると。せっかく政府として支援したんですから、これからも最先端の成果を実用化するために、政府として何らかの支援を行う予定はあるんでしょうか。具体的にはどんなことをお考えでしょうか。

ImPACTに関しては、おっしゃるような課題が指摘をされております。そこで内閣府では、現在、研究結果の実用化を加速するため、新たな日本版SBIR制度によって、各省連携のもと、大学・研究機関発ベンチャーの掘り起こしから事業化までのシームレスな連続的支援の実施、また、スタートアップ・エコシステム拠点都市を中心に、大学などの知が、ベンチャーキャピタルなどの民間組織や自治体などの支援により、シームレスに実用化につながる環境の構築、こういったことを進めております。ImPACTの成果も含めて、最先端の研究成果が迅速に実用化につながるよう、関係省庁と連携して進めてまいりたいと思っています。

先日行われました国際宇宙会議で、日本の宇宙ベンチャー「アストロスケール」が高く評価されたそうなんですけれども、日本の宇宙ベンチャーというのは、近年非常に増加して活躍していますが、今後期待することなど、もしありましたら教えていただけますでしょうか。

御指摘の「アストロスケール」のほかにも、小型観測衛星のコンステレーションによる地球観測とか、あるいは宇宙資源探査、ロボット制御、宇宙旅行、さらには人工流れ星のような宇宙エンターテインメント、こういった広範な分野において、宇宙ベンチャーの動きが活発化していると認識しています。
アイデアと技術を持つ宇宙ベンチャーが新たなる宇宙ビジネスを開拓する、そんな動きに期待をしています。
宇宙活動は、従来の官主導から、官民共創の時代を迎えていると思っています。ベンチャーを含む民間活動の活性化が、我が国の宇宙活動の拡大に向けても重要です。政府としても宇宙ビジネスに係る制度環境整備などを推進することによって、宇宙ベンチャーを引き続き支援していきます。

マテリアルの戦略の策定というのが立ち上がるということなんですけれども、前段として、マテリアル、素材とか材料というものが、非常に世界的なポジションが揺らいできているという前提のもとに、危機感があってという形での策定というふうにお聞きしているんですが。それを踏まえて、これからどういうふうにマテリアルが日本のイノベーションに貢献、世界に貢献してほしいということも含めて、意気込みを聞かせていただければありがたいですが。

そのマテリアル分野において、一面揺らいでいるという側面もありますけれども、ただ、他方で依然として大きな強みを我が国が持つ分野であるとも思っておりますので、その強みを生かすための政府戦略、これを策定していきたいと思っています。
あとは、やはり時代の流れといいますか、新しい技術などもありますので、いわゆるマテリアルズ・インフォマティックスとか、あるいは循環型経済、こういった課題もあると認識しておりますので、産学官関係者の共通ビジョンの中で、我が国の強みに立脚した政府戦略の策定、これを目指してまいります。

学術会議の関係で2点お伺いします。
先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、総理と梶田会長が先週面会された後、改めて総理のほうから大臣のほうに御指示があったということですけれども、それはどういった内容の御指示でしょうか。

これは、まず総理が言っているとおり、やはり予算を投じている、そういった国の機関でもありますので、やはりこの学術会議というものが、国民にとって理解される、そういった存在でなければいけないということで、この学術会議の期待される役割、これを発揮してもらう、そういったことを検証していこうということで、未来志向で梶田会長と連携して取り組んでほしいといったことを改めて御指示いただきました。

今週中にも梶田会長とお会いになられるということですけれども、まだ調整中のところが多いと思いますが、今どういった形での会談を予定されていて、どういったことを話し合うというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

やはりまずは、学術会議の当事者として、どういったことをお考えになっているかということを、会長からお話を伺いたいと思っています。
そこからどういう体制で、どういったことをどれぐらいの期間で考えていくかというのは、それをスタートにして協力しながら考えて取り組んでいきたいと思います。

昨日、大臣が出席された党の万博推進本部で、今後の取組として、企業に対してパビリオンの出展ですとか、実証事業の参画を促進するといったような話があったかと思うんですけれども、現状、どのようになっているのか、教えてもらえますでしょうか。

まずは、これはぜひいろんな企業に協力してもらいたいとは思っていますけれども、そういったことも含めて、今、博覧会協会で基本計画を策定しておりますので、その上で改めて各企業などにも参加の要請をしていきたいと思っております。

これから要請をしていく段階という認識でよろしいですか。

そういう意味では、私も経済界の皆さんともお会いをしておりますので、いろんな意見交換などはしておりますけれども、どういったスキームでどういったことを具体的にお願いするのかと、そういう意味では、基本計画を策定して、それから、ということになります。

プロデューサーさんが何人もいらっしゃると思うんですけれども、このテーマに関してはこういった企業にとか、そういったプロデューサーの意見というのも取り入れていくという感じになるんですか。

プロデューサーの方は、むしろどういったことをやっていくのかということをいろいろ検討していただいているので、企業にというのは、むしろ協会なり我々の役割かなと思います。

学術会議の件で伺います。
学術会議については、現在与党の中でも「政策決定におけるアカデミアの役割に関する検討PT」が立ち上がっています。このPTの検討状況と、この井上大臣と梶田会長の話し合いがどう連動して、連携していくのか。あと、与党のPTは年内にも提言を出すというふうに言っていますが、井上大臣のほうでは、どのようなスケジュール感で何らかの表明をしていくのか、教えてください。

自民党のPTは、塩谷先生が座長だと聞いています。先日も塩谷座長から御連絡をいただきまして、少しお話をしましたし、改めて我々の考え方が、多少なりともはっきりした時点でお話をしたいと思っています。
いずれにせよ、これは政府・与党協力をしながら取り組まなければいけない点があると思っておりますし、自民党が年内に何らかのアウトプットがされるというのであれば、我々もなるべく、そこは合わせていきたいと思っております。

クールジャパン関連についてお伺いします。
22日の表彰があるというふうなお話がありましたけれども、大臣御自身がどういったクールジャパンの取組について評価に値するというふうにお考えなのかというようなことと、あとは、クールジャパン機構で大体5年から10年程度の投資期間を想定されているというようなことで、政府から721億円を昨年投資されていますが、出資先によっては、特にアウトバウンドに関して厳しい意見を迫られている部分があるかと思います。行革も菅政権の柱だというふうな認識なんですけれども、事業の見直しなどを検討されるおつもりがあるかどうかもお聞かせいただければと思います。

クールジャパンに関しては、やはりコロナの影響というものもあると思っています、インバウンドをはじめとして。ですから、そのコロナの時代を見据えて、クールジャパンをどのように進めていくかということで、今検討しておりますので、それはしっかり検討結果を出していきたいと思っております。

その検討結果を出すスケジュールに関して決まっていらっしゃるんでしょうか。

まずは調査をしてということなので、スケジュールは具体的にはまだ決まっていませんけれども、もちろんあまり時間をかけても仕方ないですから、なるべく早く結果も出していきたいと思います。

学術会議について、先ほどから「国民にとって理解される存在」であるとか、「本来発揮すべき役割」という言葉があったと思うんですけれども、井上大臣自身は、国民にとって理解される存在とはどういう存在だからこういうふうに変わっていくべきではないかというふうに、梶田会長にお話しされようと思っているのか、また、学術会議が本来発揮すべき役割をどのようにお考えになっているのかというのを伺いたいんですが。

これから梶田会長とお話をして、具体的にどういった検証をし、あるいはどういった見直しをしていくかというのは、これからだと思っています。ただ、やはり総理もおっしゃっていたように、行政機関の一部として、国の予算あるいは人員といったものも出しているのは事実ですから、そういう意味では、期待される役割を発揮してもらいたいと思っています。
学術会議ですから、当然学術の振興ということもありますし、それからそれを社会に対して発信をしていただくとか、国際的な協力であるとか、いろいろ役割が期待をされていますし、そういったことを一つ一つ検証していくということになると思います。

今日からの御出張のことで伺いたいんですが、大臣、以前の会見、例えば京都であれば周辺自治体として日本の文化を発信する、そういったことで周辺自治体とも万博の相乗効果を高めていきたいとおっしゃっていましたが、今回京都も入っているんですが、今回の3府県訪問において、狙いとか、こういう意見交換がしたいとか、現状で何かあれば教えてください。

これはまさに同じ関西といっても、それぞれ府県によって考え方やあるいは重視するポイントも違うと思いますので、そこは率直にまずは御意見を伺いたいと思っています。
その上で、いずれにしろ、関西地域の御理解と御協力は不可欠ですから、これはお願いしたいと思っております。

学術会議のことなんですけれども、梶田会長とお話しするということですが、例えば梶田会長は会長になったばかりじゃないですか。なので、例えば過去の会長とか、副会長とか、そういう方からお話を聞かれるという予定はないでしょうか。

そういう意味では、これまた今後どうしていくかということですから、まず梶田会長とお話をした上で考えたいと思っていますけれども、当然いろんな関係者、あるいは内部の方、そういった方からお話を伺うというのは必要だと思っています。