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衛藤前内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2020年9月4日(金) 10:50~11:05 於:中央合同庁舎第8号館1階S101・S103会見室)

発言要旨

冒頭発言なし

質疑応答

琉球新報の知念です。自民党総裁選に出馬している菅官房長官なんですけれども、2日の出馬会見の際に、基地負担軽減担当大臣として那覇空港の滑走路増設事業に取り組んだというお話をされていました。また、昨日の会見では、基地負担と沖縄振興について、結果的にはリンクしているのではないかというようなお話をされていました。衛藤大臣、この長官の見解についてどのように考えるか教えてください。

まず、第2滑走路ですかね、特に皆、官房長官も基地負担の軽減を担当しながらということでずっとやってきました。我々も基地負担の軽減をやる、それから、そういう中で返還された基地の跡地利用、これは今後の沖縄の振興にとって極めて大きな位置を占めるということで、懸命に皆取り組んだところでございます。そういう中で、長い間、沖縄の振興の推進をやってきました。
だから、沖縄の那覇空港の滑走路の問題にしましても、沖縄の空の利用客が次々増える中で、一刻も早い充実をということで第2滑走路を増設したと理解しています。ですから、沖縄の発展の観点から、みんなで取り組んだものと思っています。
そういう中で、普通の事業としては非常に短い期間で仕上げることはできたと。たまたまコロナが出ましたけれども、時間としては非常に短い時間で仕上げることができた。だから、今後、ポストコロナを見据えた上では非常に大きな役割を果たしてくれるものと期待いたしております。
リンク、リンクしないという議論はあまり意味があるのかどうかちょっと分かりませんけれども、長い議論の中で普天間の移設を合意して、SACO合意があり、そして、その中で米軍の再編成も行うという議論と、そして名護の方にという議論があって、最終的には人家の上を飛びたくないということで、V字滑走路というところで合意したところでございますので。それは政府としては、普天間の返還を実現するためには、やはり普天間の機能をどこかに持っていかなければいけませんので、それを2つに分けて、海兵隊のグアムの移転と米軍の再編成と、こちらとに分けてやっているわけですから、それはともに実現していきながら、この普天間の500ヘクタール、既に返ってきている部分としては4,000ヘクタールの北部訓練場の一部、あるいは西普天間の住宅地の51ヘクタールとかがありますが、その後について、嘉手納以南の、500ヘクタールとそれから普天間の500ヘクタール、合計1,000ヘクタールというのは、今私どもが進めております沖縄振興策の中でも一つの大きな、大きなステップになるものであります。ぜひ、この返還される跡地利用は今後の沖縄の振興策にとって大きな位置を占めておりますので、それを懸命に実現してまいりたいと思っております。
この間、1次、2次、3次、4次、5次にわたる沖縄の振興計画が組まれていました。昭和47年の返還、そして、本土よりも20年遅れましたけれども、その遅れを取り戻すべく、今まで順を追って頑張ってきたと思います。当初は遅れているインフラ整備に、そして3次、4次ぐらいから、特に沖縄の産業振興について、その検討を中心的に進めて、今では沖縄の将来ビジョンも、そういう意味では次第に明らかにされてきているというか。観光業が一番大きな産業ではありますけれども、それにプラスして、それだけではなく、海がある流通拠点としての沖縄、あるいはバイオ、あるいはICTの拠点としての位置付けをやりながら、沖縄の振興をみんなで図りたいと頑張ってきたものと思っております。
私も、就任させていただいて以来、11カ月、1年弱でありますけれども、今までの先輩たちが大変努力してきた跡を見まして、更なる充実をということで今まで一緒に頑張ってきたところでありますので、そういう意味だと解しています。
これを単純にリンクするか、リンクしないかとか、これは条件ではないのかとか、そういうことではなくて。もちろん当然いろいろな意味での大きな関連があることは間違いありません。しかし、いずれもやはり、これは将来の沖縄の発展にみんなで結びつけるということは極めて重要なことであると考えている次第でございます。

琉球新報の知念です。関連です。冒頭の話だと、そういうリンクするか、リンクしないかというのは意味があるか分からないというお話があって、関連するのは間違いないというお話も今、最後されていましたけれども、リンクという言葉もいろんな捉え方があると思うんですね。例えば辺野古移設の県側の協力具合で予算額が変わりますというのは、やっぱりちょっと問題があると思うんですけれども、大臣、就任時の会見では、リンクさせてはいけないんだというようなお考えをお話しされていたんですけれども、そのお考えというのは変わられたものなんでしょうか。

いえいえ。それはもう、いわゆるそれが条件でというような形のリンクということで使うことについては好ましくないと。関連していることは、もう誰が見たって明らかですから、そのリンクの程度というか、それが必要条件で、それをしないと何かしないんだというような形になってくると、それは違うでしょうということを申し上げているんですけれども。
だから、先程から繰り返しておりますように、やはり、これは沖縄の北部の今言った北部訓練場の4,000ヘクタールが既に返還されましたし、それから、嘉手納以南の方は、これは非常に住宅地の多いところですが、そういう中で500、500の約1,000ヘクタールの返還というのは、沖縄の将来にとっては極めて大きな影響を与える。沖縄の絵を描くときに、どういう沖縄かというときに、極めて大きな影響を与えることですから、沖縄振興にとって重要なスタートラインになるということで、今懸命に我々も検討しているところであります。そういう中で、観光、流通関係、バイオ、それからICTの関係ということでやってきたところですから、それに、この西普天間のところは、健康医療拠点として位置付けていく。
私は、もっと規模を大きくしなければやっていけない、した方がいいと思っているんです。やはり日本のみならず、東南アジアにおける健康医療拠点としての沖縄の位置付けが十分にできるということですから、ちょっと西普天間の51ヘクタールだけで足るとも思えないと思いますから、そういうのも入れて、ちゃんと検討していった方がいいと思うんです。だから、そういうところは、ある意味ではぽっかり返ってくるだけに、沖縄の将来の夢をかける地域だと思いますので、その沖縄の振興に向かって、我々としては十分その役割を果たして頑張ってまいりたいと思っております。そういう意味であります。

(琉球新報 知念記者)確認ですけれども、今おっしゃっているのは、要するに、移設が条件となるのは好ましくないんだけれども、跡地利用という面ではつながりはありますよねという、そういう理解でよろしいんですよね。

そうです。当然ですね。これ、返ってこないことにはできないわけですから、西普天間までは一連の話の中だけで、西普天間の住宅は返ってきましたけれども、普天間の飛行場は、やっぱり500ヘクタール、480ヘクタールと、合意したんですから何としても返していただいて、やらなければいけないと思っております。

沖縄タイムスの又吉です。ちょっと確認なんですけれども、そうしましたら、大臣の今の御説明と、菅長官のリンクという発言というのは、基本的に基地返還跡地利用の後の沖縄の大きな絵を描くという意味で、それは一致しているという理解でよろしいのでしょうか。

そうですね。長官のお話を見ていますと、これが何か条件になってがちがちにリンクしていると言っているわけではなくて、関連がありますよねという言い方でのリンクを言っていたという、そういう言葉に聞こえましたけれど。だから、結果的にリンクしていないとも言えない。リンクというか、関係ありますよね、関連していますよねという言い方ですから、官房長官も変わったわけではないと思っております。
いずれにしても、この沖縄振興という問題は、我々、総合的に捉えていかなければどうしようもないのですから、言葉の定義のところは、定義の仕方とか、広い意味とか狭い意味とか、いろいろなことがあるでしょうから、実際の中身の話をすればそういうことだと思います。それはみんな変わっていないのではないでしょうかね。

(沖縄タイムス 又吉記者)大臣、先週鑑賞されたと思うんですけれども、琉球古典芸能の御感想をまだ伺っていなかったので、お願いいたします。

先週、山内昌也沖縄県立芸術大学教授と、それから又吉聖子玉城流いずみ会師範に、大臣室にお越しいただきまして、琉球の伝統芸能を御披露していただきました。私もたまたま国立劇場で、七、八年前だと思いますけれども、鑑賞した琉球の芸能は、国立劇場で本当ににぎやかに行われたんですが、人から誘われて、最初から最後までじっくり見させていただいたんですけれども、非常にそのときも感動しましたけれども、先週はさらに近い、もう数メートルの距離で見させていただきまして、直接触れることができて大変感動しました。
やはり山内先生とか又吉聖子さんたちが懸命にそういうものを大事にして守り、育てようとしていることの、そういう努力もよく理解できまして、本当に感動したところであります。「琉球王国の時代から連綿と続く沖縄の伝統的な『琉球料理』と『泡盛』、そして『芸能』」という具合に、後で総合的な話もお聞きしまして、私はまだ残念ながら琉球料理をいただいたことはないので、任期中にぜひ行きたかったと思っております。そして、琉球料理もいただきながら、伝統芸能が更に隆盛を極めてくれればと思っております。
いずれにしても、みんなが持っている文化、長い間培ってきた文化というものは、みんなで大事に守り育てていかなければいけないと思っておりますので、我々としても、できるだけの努力をもっと続けなければいけないと思っている次第でございます。