新井消費者庁長官記者会見要旨
(2025年5月15日(木) 14:00~14:18 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
まず、「製品安全誓約(日本国)の実施状況」についてご報告をさせていただきます。2024年の年次報告書ということで、お手元に配布しております。製品安全誓約は、消費者庁を始めとする消費者向け製品の規制当局と署名したOM(オンラインマーケットプレイス)運営事業者による製品安全に係る法的枠組みを超えた「官民協働の自主的な取組」でありまして、2023年6月に7社が署名してスタートし、2024年に1社が新規に署名し、現在は8社が参加しております。また、本誓約は製品を規制する法律ごとに「安全ではない」製品を定義し、参加OM(オンラインマーケットプレイス)事業者による自主的又は要請に応じた出品削除を行うものでありますが、2024年は対象法律として、「麻薬及び向精神薬取締法」及び「医薬品、医薬機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が新たに加わりました。今回、参加OM(オンラインマーケットプレイス)事業者から2024年の実施状況について提出を受けたことから、消費者庁において年次報告書として取りまとめ、本日公表いたします。このうち、数量的なKPIとしては、自主的な出品削除が7,407件実施されておりまして、全件、定められた期間内に出品削除が行われています。また、規制当局からの要請に応じた出品削除が561件実施されており、こちらも全件、定められた期間内に出品削除が行われておりました。その他、製品安全誓約に規定している体制整備等がなされていることが確認できました。本誓約を用いて年間約8,000件もの出品削除が行われ、OM(オンラインマーケットプレイス)事業者の新規参加や対象法律の追加も進んでいることについては、事業者及び規制当局の双方において本誓約が積極的に評価され、活用された結果でありまして、消費者にとってOM(オンラインマーケットプレイス)でより安全安心に製品が選択できる環境整備が進んでいるということで評価できると考えております。消費者庁では、事業者の新規参加や対象法律のさらなる拡充に向けて、引き続き働きかけを行うなど、製品安全誓約の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
それから2点目であります。配布資料はございませんが発言をさせていただこうと思います。機能性表示食品等の製造等施設における適正製造規範、いわゆるGMPの実施状況の確認・助言を実施することについて報告をいたします。昨年8月に食品表示基準を改正いたしまして、機能性表示を行う錠剤・カプセル等食品の製造等施設においてGMPに基づく製造管理を行うことといたしました。このため、製造等施設におけるGMP遵守が円滑に進められるよう、消費者庁の専門チームが、来年8月末までの経過措置期間中に日程等を調整した上で製造等施設を訪問し、製造管理・品質管理等のGMPの実施状況の確認・助言を行うこととしております。このことについてご理解いただくべく、昨日14日付けで、機能性表示を行う錠剤・カプセル剤等食品の届出者に対して連絡したところであります。具体的には、製造等施設におけるGMP実施状況の確認に当たり、製造等施設の現場確認に加え、文書等の書面の確認も行い、必要に応じて助言等を行っていくので、届出者及び関連する製造等施設の皆様には、ご理解・ご協力をお願いしたいと考えています。本GMP実施確認の状況によらず、届出者の皆様においては、製造等施設と連携するなど、GMP遵守の確保に向けて、引き続きご対応いただくようお願いしたいと思います。
質疑応答
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問
ウェルネスニュースグループの藤田です。
今の機能性表示食品のGMP実施状況確認についての質問なのですけれども、これはGMP担当職員が行うとのことですが、これは職員が何人存在しているのでしょうか。 -
答
GMPの担当チームは今年4月1日に任命をいたしましたけれども、現在、GMPトップシニアアドバイザーの下に合計9名で活動しております。
- 問 今、8月末までということだったのですけれども、来年9月以降、9月の完全実施、義務化実施以降は状況の確認はその人数で査察とかにもあたるのですか。
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答
9月以降と8月末までは今お話したように状況が変わります。9月以降は義務ですので、義務を果たしていない社にはしかるべき食表法上の措置が取られるということであります。今申し上げたのは、8月までにまず皆さんの施設がGMPに足り得るものであるかということで指導、助言をするということでありまして、9月以降の体制については9月以降の時点でまた考えるということです。今の確認、チェックする体制として今の9名が順次皆さんの施設に伺うということになります。
- 問 実際それにも関連するのですけれども、サプリを製造している企業は国内だけでも200以上あると見られているのですが、全てが機能性食品を作っているわけではありませんけれども、今の9人で十分対応が可能なのかどうか教えてください。
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答
機能性表示食品につきましては、その製造所、それから製造工程について届出時に消費者庁が全部把握をしております。今お話がありました機能性表示食品を製造等している事業者は大体350ということでございますので、こういうような事業者を順次チェックをしていくと。チェックし、かつ助言をするということであります。
- 問 今の9人でやっていくということですか。
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答
はい。
- 問 分かりました。あと、9月以降はまた9月以降の状況にそのときに対応するということだったのですけれども、義務違反が認められた場合は工場に何らかの処分、指導を行うのか、それとも工場ではなくて届出者に処分、指導になるのか、その辺はどうなのでしょうか。今決まっているのでしょうか。
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答
これは法律上、届出者です。届出者が全ての製造工程及び表示に責任を持つということですので、届出者に対して食品表示法のしかるべき措置を行うということです。
- 問 分かりました。
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問
フリーの木村です。
同じく機能性なのですけれども、先ほどの350社というのは350施設でいいですか。事業者数ですか。 -
答
350施設です。
- 問 何社か分かりますか。会社別で。
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答
350施設です。我々は、会社というよりは1個1個施設を見ることが目的ですので、会社の数ではなくて施設数で把握するのが正しいと思っています。
- 問 分かりました。あと、来年8月までは取り締まり・監視・指導ではなくて、あくまでも確認と助言という立場で、9月以降は監視・指導という、そういう位置付けになるという理解で大丈夫ですか。
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答
そのとおりです。それから、おおよそ350ということでありますので、さらに最終的には精査するということであります。
- 問 分かりました。
-
問
フリーの菅野と申します。
些末なことで恐縮なのですが、4月8日に消費者庁が兵庫県に送られた法解釈の訂正を求めるメールは、厳密には地方自治法に基づく技術的助言だったのでしょうか。それとも一般的な助言と捉えるべきなのでしょうか。 -
答
これは前回もお伝えをいたしましたが、法律の解釈、それから事業者等の問合せについては日常的に行っている業務ということですので、一般的な助言の内容だと思っております。それは地方自治体だろうが事業者だろうが同じということとご了承ください。
- 問 ありがとうございます。もし可能であればお答えいただきたいのですが、その一般的な助言に関して兵庫県からはどの手段でどこから、どの部署からどんな返答があったか、もし可能であれば教えていただけませんか。
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答
参事官(公益通報・協働担当)室
個別の対応について、回答を差し控えさせていただきます。 - 問 分かりました。
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問
共同通信の新為です。
公益通報の関係でお伺いしたいのですけれども、公益通報者保護法に関して国会審議の中で消費者庁の方が有権解釈権を持っているというふうに言及されていたのですけれども、これはそういう認識でよろしいのですか。 -
答
有権解釈権というとどう解釈をするか、いわゆる立法解釈ですよね。法律を作っていますから、法律上の作る過程、あるいは皆様にやっていただくことのためにいろいろ、いわゆるそれを有権解釈と呼ぶのかというのはありますが、法律の趣旨などについての解釈をするというのは、この公益通報に限らず行政庁として責任を持つべき事項と考えます。
- 問 テクニカルにこの部分というのはお伺いするべきなので、今のお答えだと難しいのかなというふうに思うので、またこの件を事務方等にもお伺いさせていただきますけれども、一部の地方自治法とかの教授等々によると有権解釈権というものがあるかどうかに関してはないのではないかというふうな指摘がありまして、国会審議の中で明確にそういうふうに述べられていた部分があったのでここの認識はどうなのかなというところで伺わせていただいたところです。
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答
それは、有権解釈というのをどういうふうに理解するかだと思います。今お話をしたとおり、公益通報者保護法に限らず行政庁として責任を持って作った法律についてはこの法律の条項はどうなのかということを通常皆様からのお問合せで回答していますし、場合によってはガイドラインにしたりQ&Aとして公表するということがあります。それを有権と言うかどうかは別にして、法の解釈について、皆様のご要請に応じてお知らせをするというのは通常あり得ることだと思います。
- 問 分かりました。あと1点、今回、消費者庁として、地方自治法に求められている技術的な助言ではなくて、一般的な助言をされた理由というのは何かあるのでしょうか。
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答
それは、この考え方が地方公共団体に限ったものではなくて、会社等でも共通する課題だからということになります。地方自治体でも、例えば普通の事業所であっても会社であっても、この部分についてはこういうふうに理解してくださいということですので、特に地方公共団体だからどうこうということではないという意味では一般的な助言ですし、日常的な皆様のお問合せなので、それは事業者でもそうですし働いている方から問合せがあっても日常的にお答えをしているという意味で一般的な助言ということになります。
- 問 一応確認ですけれども、公益通報者保護法だと地方公共団体に対して助言することは想定されていないという、多分20条か何かで書いてあると思うのですけれども、地方自治法だとできることにはなっているが今回そういうふうに対応を取らなかったということになるということですか。
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答
そこの地方自治法の関係というのは、法律の専門家も恐らくいろいろな考え方があるかもしれません。この公益通報者保護法というのは、他の法律に比べると非常に特殊で、地方公共団体も自らの従業員の通報を受けるという点では、普通の一般の民間の事業所も同列に扱うというものです。ですから、20条のところで我々は措置を適用除外するということだけでありまして、同じように体制を作っていただく、300人以上であれば内部通報の体制を作っていただくということは地方自治体も、それから一般の民間の事業所もみんな一緒という立て付けになっています。それはきちんと理解していただきたいと。その上で、消費者庁の処分なりというのは20条で適用除外するということです。これは地方公共団体と民間をまたいでいろいろなことをやっていただくという意味では、私も全て法律を知っているわけではありませんが、法律の成り立ちとして、割と特殊な法律であるというのがまずベースにあるということであります。
- 問 分かりました。
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問
健康産業新聞の小畠と申します。
機能性表示食品のGMPについてお伺いしたいのですが、昨日の発表で自己点検表、5月2日に発表された自己点検表をベースに機能性表示食品にまとめられる事項を注釈で示したものを、確認するものをベースにするという発表があったと思うのですけれども、これはまた新たに自己点検表を発表されるということでしょうか。 -
答
5月2日に自己点検表ということで公表しています。この自己点検表を基に今回、確認とか助言をしていくということでありますが、この自己点検表ではもしかしたら足りない事項、あるいは皆様がなかなかうまく遵守できていないのでさらに追加すべき事項があるかもしれないという意味では、この自己点検表をベースにこれをアップデートしたと。これを基に現場を見てさらにPDCAを回していくと理解していただければと思います。
- 問 では、別のものを新たに発表するということでしょうか。
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答
別のものに進化する可能性も十分あるということです。
- 問 そうなんですね。承知いたしました。
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問
日本食糧新聞の本宮です。
今の機能性表示食品の件で確認させてください。350施設とおっしゃったのは、機能性表示食品のサプリメントの製造拠点ということでよろしいでしょうか。 -
答
錠剤、カプセル剤等の形状の製造施設ということです。
- 問 それと、特保の方については、動きはいかがでしょうか。同じような動きはありますでしょうか。
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答
特保の方も同様に進めていくということですので、特保の方の施設につきましてもGMPの専門チームがそれぞれ日程を調整した上で点検させていただくということです。
- 問 特保の方の製造拠点はどれくらいなのかお分かりでしょうか。
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答
特保の方の製造拠点は、大体60弱だと思っていますが、機能性表示と重なる場合もあるかもしれないということですので、最終的な施設については今、再度の精査をしているところです。
- 問 あと、自己点検表というふうな話がありましたけれども、特保についても共通のそういったものがあるのでしょうか。
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答
GMP自体共通ですので共通です。
- 問 分かりました。