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新井消費者庁長官記者会見要旨
(2023年10月19日(木) 14:00~14:07 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

冒頭私から一つお話をさせていただきます。第5期消費者教育推進会議の取りまとめが本日公表されます。消費者推進会議は、消費者の自立ということで消費者教育について幅広くご議論いただいてきたところでございます。今回の第5期、特に、昨年10月の第33回の会合におきまして、「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」や「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」におきまして、消費者被害の未然防止のための消費者教育の取組の強化ということが言われたことを踏まえまして、この推進会議におきまして、「『消費者力』の育成・強化ワーキングチーム」というのが立ち上げられまして、そこで検討されたところでございます。今回、ここでまとめをさせていただきましたので私からもお話をさせていただきます。まず第一に、悪質商法等による被害を未然防止するために「自身が実践する力」、消費者が実践する力といたしまして、違和感に「気づく力(批判的な思考力)」、それから、きっぱりと「断る力」、三つ目が1人で抱えず「相談する力」、この三つが基本的な「消費者力」と考えられるということにまとめられております。それから、特に対象として高齢者等を考えた場合、自分自身だけではなく家族など身近な周囲の人に対する見守りの視点も重要であるということで、「周囲をサポートする力」として、家族の方々が異変に「気づく力」、それから、相談を勧めるなど「働きかける力」ということも大切だとまとめられているところでございます。このような報告を踏まえまして、デジタルのものを含めまして教材化を進めていくということと、消費者の判断する力ということで私たちも消費者教育を一層推進していきたいと考えているところでございます。今後、第6期の消費者教育推進会議におきまして、引き続き議論を深め、今年度中に、消費者自身が被害防止に必要な実践的な消費者力を育成・強化できるための教材というのを開発していきたいと考えております。

質疑応答

朝日新聞の寺田です。
冒頭発言とは関係がないのですが、旧統一教会の問題でお伺いします。昨日、与党の会議で、教団に対する財産保全に向けた法整備が必要だということで方向性が一致したということでした。議論の場も消費者問題特別委員会になるというふうなお話もありまして、消費者問題としても確実に被害が救済される方策というのはすごい重要だと思うんですが、消費者庁として現状で対策を考えられていることはあるのでしょうか。

お話ありますとおり、やはり消費者被害が回復されていくことが非常に重要だと思います。政府全体それから国会の中でもいろいろ議論されることだと考えています。

日本消費者新聞の丸田です。
冒頭発言のことが一つ、今年度中には教材開発を考えていかれるということでした。これはどういうところを対象にされるか、小中高ありますけれども、ということが一つ。それともう一つが先週金曜日なんですけれども、「全国消費者行政ウォッチねっと」という消費生活相談員、弁護士さん、司法書士さん、消費者団体が集まって消費者行政を監視する、評価するという団体が14周年記念集会を開催されて、消費者行政の評価結果を発表されました。消費者庁に対しては、全体的な評価の中でいろいろ評価する点があるということは指摘されつつも、SNSによる消費者被害の対応など消費者保護が後手になっているのではないかとの指摘がされていて、その中でも、とりわけ消費者被害の半数以上を占める特定商取引法を根本的に改正することで、消費者被害を激減させ、消費者庁の存在意義をしっかりと示してほしいという要望も提起されています。特にこのような特商法改正への要望についてご見解があればお聞きしたいです。

まず、消費者力の教材についてです。この報告書の中で、中高生及び大学生を含む「若年層」、それから、一般及び保護者の観点からの「社会人」、見守りの関係者を含む「高齢者」ということで、それぞれ対象を少しずつ分けていかなければいけないということが提示されています。それから、教材の構成については、総論として、消費者力の概要とその必要性を解説したものを準備すること、それから、各論として、具体的なトラブル事例を扱い、消費者が議論やシミュレーションをしながら消費者力を身につけるための教材を用意する必要があるということで検討が進められておりますので、これに沿って作成していきたいと考えています。
それから二つ目、全国消費者行政ウォッチねっとの評価であります。消費者庁全体についても大変厳しい評価をいただいているところであります。それぞれいただいたコメントは真摯に受け止めていくということだと考えています。特に特定商取引法を所管しております取引対策課について、特商法の見直しに関して評価をいただいているところであります。特定商取引法については、これまでも適宜適切に見直しを行っております。直近では令和3年に改正をしておりまして、それがその後しばらくの期間をおいて施行されたということですので、まずは改正された部分の効果をしっかりと見ていきたいと考えております。いずれにせよ、引き続き悪質商法や消費者被害の状況、特定商取引法の施行状況の全体を注視して必要な見直しをしていくということであります。

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