新井消費者庁長官記者会見要旨
(2023年7月20日(木) 14:00~14:18 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室/オンライン開催)
発言要旨
本日は二つ冒頭で発言をさせていただきます。
一点目は適格消費者団体の認定についてです。本日、全国で24番目となる適格消費者団体が内閣総理大臣から認定を受けました。認定を受けましたのは「NPO法人消費者市民ネットおきなわ」です。適格消費者団体は、社会的インフラの一つともいえる消費者団体訴訟制度の担い手であり、消費者被害の発生、拡大の防止等のための重要な役割を担っております。また、昨年度から今年度にかけて国会で改正法が成立いたしました消費者契約法、景品表示法、この中におきまして、適格消費者団体の活動の場をさらに拡大をしておりまして、適格消費者団体に対する期待は今後益々大きくなっていくものと考えております。今回認定を受けた「NPO法人消費者市民ネットおきなわ」におかれましても、消費者の被害の発生、拡大の防止等のために大いに活動をしていただきたいと思っております。
二点目です。お手元に資料を配布させていただいておりますが、寄附の不当勧誘に関する情報の件数について最新の件数を報告をさせていただきます。4月1日から6月30日までの間、消費者庁のウェブフォームをはじめまして3つの窓口を通じて寄せられた情報について、累計は453件であり、このうち、不当寄附勧誘防止法に照らして消費者庁において精査した結果、寄附の不当勧誘が疑われる内容が含まれていると認められる情報の累計は56件となっています。前回公表いたしました5月末の件数と比較すると総件数については167件、寄附の不当な勧誘が疑われる内容が含まれていた情報については8件上積みということになっております。6月に入ってから情報の件数が急増したなど特異な傾向は見られないと分析をしております。それから、今後の公表につきましてお知らせをいたしたいと思います。ご案内のとおり、消費者庁におきましては消費者安全法、景品表示法、特定商取引法等、所管法令の運用にあたって、個別案件として公表する場合を除き、執行・行政処分等の件数について、原則、年度単位で公表をしております。一方、不当寄附勧誘防止法につきましては、その社会的な関心の高さを考慮いたしまして、4月1日からの行政措置の規定の施行を機として例外的にその運用状況を受付件数ということでお知らせしてきたわけであります。しかしながら、公表開始からおおむね3か月が経過いたしまして、法の運用に資する情報が一定数寄せられている実態についてはご理解をいただけたと認識をしておりまして、現在の件数についての1か月ごとの公表は区切りをつけたいと考えています。今後は、先ほど申し上げました消費者安全法等の他の所管法令を参考にしつつ、社会的関心の高さに応えられるように法の運用の進捗を含めて、つまり、疑義があった情報の顛末がどうなっているかというような状況を含めて当面は年度よりも短い期間で公表をしていきたいと考えておりまして、法の執行に傾注をしていきたいと考えています。冒頭の発言は以上です。
質疑応答
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問
通販新聞の佐藤と申します。
先日処分があった機能性表示食品についてお聞きしたいんですけれども、3成分の確認について17日期限というふうになっていたかと思うんですけども、回答状況についてお聞きしたいんですが。 -
答
正確には17日は祝日でございますので18日までということであります。現在回答の有無をチェックし内容精査しているということですので、準備が整い次第概要を公表いたします。
- 問 すでに撤回とかという申し出というのはあったりするんですか。
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答
件数は申し上げられませんがございます。
- 問 あとですね、全製品に対しての再検証というのも依頼しているかと思うんですけれども、これについて例えば科学的根拠に疑義があるものについて、消費者庁として主体的にその確認を進めるということもされているのかどうかというのを伺いたいんですが。
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答
これは今、事業者団体を通じて各企業に要請をしているということでありまして、その中で特にどの成分ということはなかなか申し上げられませんが、やはり最新のデータでアップトゥデートしていただかなければいけないと思っておりますので、それに関して私たちも今情報収集しているところであります。
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問
日本消費者新聞の丸田です。
冒頭発言にありました不当寄附勧誘防止法ですね。先ほど、月1回月毎の発表を年度毎よりも短い期間として発表していくということでしたが、これは確かに法が施行されてから2年で見直しということで注目されている法律だということもあります。これはどのくらいの間隔でということが今頭にあるのか。 -
答
私たちが考えておりますのは、申し上げました受付件数というのは客観的なものでありますけれども法の施行の状況を的確に表しているというものではないと思っております。今までその数字しかないということで公表しておりましたが、今後は、申し上げましたそれぞれの疑義があると認められる案件の顛末、調査中なのか、調査を終了したのか、そういう状況と合わせて公表したいと思っております。年度より短いものという意味では6か月を1つのターゲットにしたいと思っています。したがいまして4月から9月までのものを然るべき集計をしたときに公表するという形をとりたいと考えています。
- 問 こういう形の公表ではなくて中身をもっということですね、法律に基づいた。
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答
まさしく施行状況も含んだ情報ということです。
- 問 それともう一点。消費者市民ネットおきなわですね、これはNPOとして適格消費者団体としての認定はとても重要かと思います。昨日認定されてということですか。
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答
本日、7月20日の認定です。認定書の交付式は明日午後行わせていただきますので、後ほど貼り出しをいたします。
- 問 一言コメントをお願いしたいと思います。要するに、沖縄というブロックとしては九州沖縄ブロックで、ブロックとしては九州に適格消費者団体が何団体かあるのですけれども、結構時間が、努力されて認定されたというふうに推測されるんですけれども。活動ですね。長官としては沖縄のNPOが適格消費者団体として認定されるということ、適格消費者団体がそこにできるということについて何か一言あればお願いします。
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答
この適格消費者団体や特定適格消費者団体、特に、県域とかある一定のブロックとかにこだわっているわけではありませんが、やはり身近なところで相談してもらうところ、解決してもらうところ、それから地域独特の問題とかもありますので、今、特定適格消費者団体以外は県域を中心に作っていただいている団体が比較的多いということであります。その中にありまして、消費者市民ネットおきなわが適格消費者団体に認定されたということで、より沖縄の方々それから沖縄の独自の課題について、消費者の被害の発生・拡大の防止等が進んでいくということで活動を期待しているところであります。
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問
日本消費経済新聞の相川です。
18日と19日に消費生活相談サービス運営標準ガイドラインについて自治体に説明があったようなのですが、どのくらいの自治体が参加し、どのような説明をし、どのような意見が出たのでしょうか。 -
答
これはいろいろな方々の意見を受けた機会の一つということでありましてこれだけではということではございません。今、速報を事務方からもらいましたのでご紹介させていただきますと、今週18日と19日の両日、オンラインでの説明会を行いまして、2日間で約600名、自治体数にすると400弱の方にご参加いただいたということでございます。当庁からの説明につきまして、システム面の質問、それから、体制面の質問など様々な声をいただきました。その現場でのものだけではなく、そのあと必要な意見はいろいろ書き込んでいただきたいということですので、今またいろいろな意見をと周知をしているということであります。これからもいろいろな場で意見をお聞きしたいと思っておりまして、今回なかなか参加できなかったという方もいらっしゃいますので、さらに引き続きいろんな場を設定していきたいと考えています。
- 問 都道府県が市町村をまとめてという広域連携の提案に対して、やはり市町村の消費者行政を切り捨てるのではないかと、市町村の消費者行政を消費者庁はなくなってもいいと思っているのかと、安全法で一時的に市町村は受けることになっていて、都道府県と市町村は平等だと対等であると。そのへんのところ現場のことは分かっていないんじゃないかと。またですね、処遇改善は二の次で相談員を増やすために無資格・未経験者にどんどんさせようという方向性を示したということなんですが、これはもう国家資格が失敗したというふうに認めて方向転換するんですか。このへんは皆さんが抱いている市町村の消費者行政はもうなくなってもいいと思っていらっしゃるんですか。この2点についてとりあえず教えてください。
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答
そのようなことをこちらから説明したということではありません。広域連携につきましては、今でもいくつかの県で進んでおりますし、それによって国民の方々が受けるサービスの質が向上するということであれば進めていく道もあるのかと思っております。こういう中でいろいろな意見を聞くということですので、今いただいたような意見もございますしそうでない意見もあると思っています。そういう中でどういう方向を目指していくのか、相談のミッションは何なのかということでこれから議論を深めていきたいと考えています。
- 問 これはどういう形でいつ公表されるんでしょうか。
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答
この夏はいろんな方々から意見を聞く段階ですので、それを踏まえて次のステップを考えていきたいと思います。
- 問 先ほどの相談員資格の話はどのように整理するんですか。安全法のところ、安全法も法律にも全然逆行していますし。
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答
資格を目指していただくことを前提に拡大していくということですね。裾野を広げるという意味でこちらから説明したと理解をしています。
- 問 皆さん現場のことを分かっていないと、全く道筋が示されていないと、大臣が指示をしたドラスティックな改革などどこにも見えない、というものがありまして、これがもう案でもなくてガイドラインで出てきていると、こんな大事な消費者庁の将来を決めることをそんな密かにやって、案でもなくガイドラインとしてぱっと示されてみんなこう面食らっていると。そういう状況を踏まえてちゃんと対応していくことができるんですかね。2026年にはデジタル化が進むんですよね。予算要求を来年しないといけないですよね。間に合わないですよね。
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答
間に合う、間に合わないの問題ではなくて、私たちはしっかり意見を聞いて次のステップに行きたいということです。
- 問 それが一番大事なことだとは思います。思いますけれども尻尾は切られているというところがあって。じゃあ一体何を優先してやっていて、何を検討会で十分にいろんな話を聞くのか、有識者とか消費者団体とかの意見は聞かないんですか。このまま非公開で進めるような内容なんですか。
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答
誤解がないように申し上げておきますと、今回はこのDXのプランについて皆さんのご意見を聞くということでありまして、その次のステップをどうしていくかというのはまた次の段階だと思っています。それから今回、都道府県や基礎自治体の方にご意見を聞きましたが、当然相談員の方々との意見交換もセットしているところです。
- 問 相談員さんの意見交換は伺っていますが、それは勤務時間内にちゃんとやっていただけるんですか。
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答
時間については決まり次第それぞれにお知らせをするということになります。
- 問 有識者とか消費者団体とか、これはもう国会で消費者庁ができるときに国会審議の半分をかけて審議したのが地方消費者行政ですので、そこについて何も議論も無く、みんなが不安を持っている中で進めていくということはありえないと思いますのでご検討ください。
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答
そのようなことはありえません。
- 問 期待しておりますので皆さんが納得いく手順で納得いくものにしてください。
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問
日本経済新聞の前田です。
ちょっと話戻るんですが、寄附の不当勧誘に係る情報について、不当勧誘が疑われる内容が含まれた情報が56件ということでしたけれども、1か月単位の公表はこれで区切りとなるということで一個節目だと思うんですが、この56件の中に旧統一協会が含まれるのかどうかと、あとどれくらいの団体による不当勧誘が疑われる情報があるのかということを教えてください。 -
答
この56件の内訳については、まず第一に、疑義情報ですので、それぞれの団体の名称についてはお話をしないという約束はこの寄附法ができたときにお話をさせていただきました。それがどういう数なのかということについても今お話しできる段階にはありません。先ほど申し上げましたが、当然、法律で公表にあたるような状況になったらそれは公表するということでありますが、その他につきましてはこの56件、これからまた増えると思いますけれども、それのいわゆる処理の状況について半年を契機に公表したいと考えています。