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新井消費者庁長官記者会見要旨
(2023年4月20日(木) 14:00~14:18 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

冒頭発言なし

質疑応答

ニッポン消費者新聞の丸田です。
先ほど、消費者安全調査委員会が意見書を出されました。消費者庁に対して、トランポリンパークの事故なんですけれども、事故情報を関係する省庁へ提供すること、適切な啓発に努めること、ということなんですけれども、意見を出されました。これについての消費者庁長官としての受け止めを一つお願いします。

消費者安全調査委員会において、「トランポリンパーク等での事故」ということで調査報告書が合意され、公表されました。トランポリンパーク等での事故は、令和3年6月25日から調査をしていただきまして、非常に精力的に調査をしていただいたと承知をしております。この報告書では、経済産業省に対して、各施設運営者に対して個別にリスク認識のための基礎知識の習得や国際規格への準拠といった安全への取組を要請、支援することを中心に意見が盛り込まれているということでございます。また、文部科学大臣に対しては、こうした基礎知識を施設運営者が取得できるよう公益財団法人日本体操協会に協力するよう促すこと、それから、今お話がありましたように、消費者庁には、消費者にトランポリン遊戯一般の危険性を分かりやすく周知すること等について意見を頂いているところでございます。このトランポリンパークについては、昨年9月に、個別の事業者ということで、消費者庁として実名を公表する形で注意を呼びかけているところでございます。今まで消費者安全調査委員会の中で指摘されましたこと、重大な事故が宙返りをするときに発生をしているところ、それからフォームピットに頭から飛び込んで頸椎を骨折するなどの事故が発生しているということがございます。この中でも、是非、指導員なり監視員なりを施設に置いていただくということが推奨されておりますので、消費者庁としては、これらの事故が起こりやすい場面はどういうときかということ、それから、お子さんを遊ばせるときには指導員がいるかどうかということ、さらに、こういう遊び方はやめてくださいというような注意書きがあるかどうかといったことをしっかり見て遊ばせていただきたいと思います。これから、ゴールデンウィークにも入りますので、そういう形でまた再度周知を徹底していきたいと考えています。

もう一点、消費者被害の救済の件です。消費者裁判手続特例法が改正されました。施行はまだなんですけれども、その中でも、特定適格消費者団体などを支援する支援法人、これを創設するというふうになっております。これは、適格消費者団体をはじめとして特定適格消費者団体はとても関心を持っているところなんですけれども、被害の救済というのはなかなか進んでいない中で、これらの団体をサポートする法人の認定というのはとても大事だと思うんですが、この検討の進捗状況ということをお聞きできればと思います。

消費者団体訴訟等支援法人の認定制度というのは、令和5年10月1日から施行される改正消費者裁判手続特例法によって導入されるということになっておりますので、まだ数か月の猶予期間があるということでございます。この施行に向けまして消費者裁判手続特例法の施行令・施行規則は、既に本年1月18日に公布したところですが、現在、この施行令・施行規則に基づくガイドライン案を検討中でございます。その後、パブリックコメントに付した上で、施行するということで、具体的な法人の認定に向けて準備をしていきたいと思います。しかしながら、この改正消費者裁判手続特例法の第98条においては、認定する場合の要件というのが詳しく書いてありますので、こういうことを念頭にそれぞれの団体が準備をしていただければと考えているところです。

フジテレビの藤村です。
昨日の国民生活センターの記者会見の中で、ネットでのカリグラフィーの販売で、要は、円表示だと思っていたら中国元だったというものなんですけれども、その相談のはけ口というか、最終的なところとしては、どうやってもレスがないとか、連絡がつかない。この場合に、お金を返してほしいということになると、クレジットカード会社に相談してみてくださいというところに落ちているんですけれども、それが一番正しい方向なのかどうか、お金を返すということに関してはそうかもしれないんですが、根本的な解決になっていないという感じがしておりまして、消費者庁としてはどのような策が今後打てると考えているか教えていただけますでしょうか。

今お話しありました案件、国民生活センターがサイトの具体的な実名を公表して、皆さんに注意喚起をしております。今お話しがありましたとおり、¥(円)マークがついていたんですけれども、それが別の国の通貨だったということで、過大な請求をされていたということでございます。今お話しがありましたサイトを皆さん日本で見ていても、そのサイトを作っている事業者が日本国内にあるとは限りません。それは多くの、今まで消費者庁が注意喚起をしてきたブランド品の偽サイトというのも、日本の事業者が運営していないものも多くなっているという現状でございます。そこの中で注意喚起もございましたけれども、注意深く買っていただくということと、特商法の表示がされているか、特に電話番号がきちんと書かれているのかということが一つの目安になります。それから、国際間をまたぐこのような被害については、国民生活センターが所属をしております、各国の消費者関係の取り締まりをする機関が連携するという仕組みがございます。しかしながら、世界の国の全てが加盟しているわけではありませんし、やはり、一つ一つ案件をやっていくということになりますと、それぞれの国の裁判制度なり、損害賠償請求の仕方というのがネックになってきます。ですから、なかなか個別の問題はECサイトの場合解決できないというのが現状でありまして、その状況が変わる見込みというのは残念ながらなかなか無いということでございます。そういう点におきましても、サイトで買い物をするときには実店舗と違った注意が必要だというふうに思っていまして、国民生活センターも消費者庁も随時注意喚起をしておりますけれども、サイトの中で確認事項をチェックしていただく、信頼あるサイトを選んでいただくということが必要です。

共同通信の池上です。
事前に通告してないんですけれども、報道もありましたけれども、4月14日でアムウェイに対して出された6か月の業務停止命令が終わりました。その似たようなところでいうと、以前、業務停止命令がなされていたビジョン、ウィルですね、幹部が起訴されていますけれども、そちらも3月20日付けで命令の期間が終わりました。そういったところについて引き続き状況を見ていかれることですとか、何かあれば相談をしてほしいようなことですとか、長官の言葉で改めてこの機会にお伺いできればと思います。

特商法の関係だと思いますけれども、消費生活センターに電話をしていただく、その電話をしていただいたものが、私たちがいろいろ調査をしたり、権限を発動するときの大きな糸口になるということでございます。いずれにいたしましても、これはどのような法人あるいは事業者に対してもということでございますが、法と証拠に基づいて厳正に対処していくという姿勢は変わらないということです。

日本消費経済新聞の相川です。
4月17日に公表された不当寄附勧誘防止法の処分基準について教えてください。公表資料では111件の意見が寄せられたということですが、これは団体・個人の件数なのでしょうか。意見自体はどのくらい寄せられたのでしょうか。

この111件は、意見をそれぞれ1つの文面に書いてあっても内容が違うものを区分するという、いわゆるパブリックコメントの仕組みに則ってやっていますので、1人の方が1枚の用紙に書かれていても意見が3つとなるものもあるということで、そういう形で整理したということでございます。属性については、整理いたしておりません。

属性、団体・個人から111件の意見が来たということではないんですか。今日ちょっと事務局で説明を聞いたら、そういうことだったのでちょっと確認しました。それから、消費者庁としてはどういう意見が多かったと、どういう意見だったと受け止めたんでしょうか。

それはパブリックコメントの結果としてそれぞれの意見のカテゴリーをまとめ、それからそれに対して対応方針ということで整理をさせていただきましたので、それをご覧いただきたいと思います。

はい、拝見しましたが、長官の口から答えていただきたいと思って質問しています。

パブリックコメントということで発表したとおりでございます。

ほとんどこの基準ではだめだと、これではなかなか実効性がないというようなご意見だと思います。4月14日の参議院での大臣答弁を受けて、第6条第1項の配慮義務が遵守されなかった場合の処分基準に、「著しい支障が生じていると明らかに認めることができる場合」について、「不法行為責任を認めた裁判例、判決が存在する場合に加えて、民事調停や国民生活センターの重要消費者紛争解決手続(ADR)において法人等の弁明を経た上で第三者の判断により著しい支障が生じていることが客観的に認められた場合」が追加されましたが、過去に1例でも民事調停や国民生活センターのADRが旧統一協会との問題でありますでしょうか。

不当寄附勧誘防止法につきましては、今年の4月1日以降に行われた寄附の勧誘行為に適用されるということになっています。今回、同法第6条第1項の趣旨をより明確にするために追記したということでございまして、過去にあったかないかということについては、この問題の本質とは違うというふうに考えています。

旧統一協会なんですけれども、要するに交渉のテーブルにつかないと、事実認定もしないということで、交渉ができない、交渉に応じない、事実認定に争いがあるということで、すべて訴訟になっていると、弁護士さんにも確認をしたんですが、弁護団とかで把握している限り民事調停はありませんし、民事調停にはなじまないというお話でした。国民生活センターのADRも、公表されているものには1件もありません。要するに、無いものを書いたということだけで、これは処分基準が緩和されたわけではないという認識でよろしいでしょうか。

この部分は、「明らかに」ということについて、例えば、という事例で挙げられているものでございます。そこについて明確化したということでございますので、緩和ということではなくて、あくまでも明確化をしたということです。

消費者庁は判決が出るまでは何もこの配慮義務を遵守しない場合に対しては手が打てないということでしょうか。

今回、国会でもご議論いただきましたけれども、議員修正のそれぞれの趣旨、法律のそれぞれの条項を踏まえて法適用を厳格に行っていくということでございますので、それについて処分基準を明らかにしているということです。

与野党を含めて修正提案者が答弁していますので、消費者庁に何か言うのは確かに筋違いというところはあるのですが、黒田次長答弁ではですね、消費者庁はそれまで何もできないことはないというので、今後できることで頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

今の関係で申し上げますと、法第6条についての議論もございますけれども、第7条というのは、それぞれの行為の類型ごとに明らかにしている禁止行為です。禁止行為ということで、法人側の行為が類型化されています。ここの部分について、例えば、当該法人に対して個人がその住居等から退居すべき旨を示したにもかかわらず、それらの場所から退居しないことで、寄附の勧誘を受けて個人が困惑した場合でありますとか、借入れによって寄附の資金を調達するよう要求すること等、ということが明確になれば、第7条の禁止行為に対する行政措置の発動ということになりますので、配慮義務のみならず、この禁止行為の態様が行われたかどうなのかということも今後の法執行において重要な役割を果たしていると思っておりますので、必要な情報提供の中でしっかりと運用していきたいというふうに考えています。

禁止行為の方で頑張っていただければと思いますので、よろしくお願いします。