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新井消費者庁長官記者会見要旨
(2023年3月16日(木) 14:00~14:26 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

こんにちは。今日からマスクなしということで、十分距離を取っておりますので、会見をさせていただこうと思います。
本日、冒頭、私からは発言はございませんので、皆さんから御質問をお願いいたします。

質疑応答

ニッポン消費者新聞の丸田です。
今の御発言に関連してなんですが、マスクの着用の緩和みたいなのがありました。今週の初めでしたでしょうか。消費者庁としては、検討会とか審議会において、基本的にはメディアの傍聴もあったりしますけども、一般の方の傍聴参加とか、何かそういうことはお考えにならないでしょうか。

審議会の傍聴参加は私の記憶をしているところでは、会場の収容人数の関係や入館手続きの関係もありますので、一定期間をもって告知をして、やっていると思いますし、オンライン開催のものについては、参加人数を最初から開放しているものもあると理解をしております。

オンラインということで、参加というか、傍聴をこれまでずっとやってこられましたけども、そうではなくて、具体的な配慮ということです。
消費者委員会では、コロナ禍によって一応メディアだけ傍聴可能ということだったのですが、これまでずっと一般参加も基本的にはやっていたんですが、消費者庁は今後どうなのかなと。

直近、そういう検討会を実は余りやっていないような気もしますので、やはり、政府全体の動きを見ていくということだと思いますが、オンラインの良さもあると思いますので、そこは今後やるにしても、恐らく併用になるのではないかなと思います。
委員の方々もずっと併用ですので、おそらく併用になるのではと思いますが、いずれにせよ、しっかりと開かれた形で議論を進めていくというのは維持をしていきたいというふうに思います。

別件です。昨日ありました徳島の未来本部の成果報告会のことについて、本部長として一言お願いしたいと思います。一応、10の項目に基づく、とても内容も興味ある豊かな報告であったと感じています。
これはいずれも、全国に広げるということと、国際的な提案もしていくということですけども、今年も継続してやってらっしゃるんですけども、こういう研究報告、あるいはモデルプロジェクトの成果について、どういうふうに全国に広めてったらいいのかなという感じがしまして、取りあえず、昨日の件について、本部長としての受け止めをちょっと一言お願いします。

この会見でもお知らせをしておりましたけれども、昨日1時から6時までということで、長い時間ではありましたけれども、今お話がありました、今後の消費者政策の基本となるようなものについて、それぞれ徳島での実証実験なり調査なりの成果発表ということで行っていただきました。
項目はあえて全部挙げませんけれども、SNSを活用した消費生活相談でありますとか、特に若年層に向けての消費者教育、それから見守りネットワーク、消費者安全、デジタル社会の法制度とか、本当にこれからの重要な事項だと思います。御存じのとおり、徳島の未来本部には、いろんなバックグラウンドの方がいらっしゃいます。消費者庁の職員もいますけれども、都道府県、市町村、それから民間からも来ていらっしゃるということで、それぞれがいろんな知恵を出し合って、将来に向けての提案をしていただいたと思っています。
私も一部を聞きましたけれども、大変皆さん興味深い内容ですし、将来に向けての有意義な提案をしていただいたと思っております。
徳島の特性はやはり、日常の行政から一歩離れて将来を見るということですし、お話ありましたとおり、ここでの成果を全国に広げていくということが目標です。それからもう一つはグローバルということでございます。
今回の成果の中で、例えば、見守りネットワークについては、どうやって作っていくのかということも必要ですけれども、その活動の深さをどうやって作っていくのかということで、そういう点において、非常に示唆に富むものがございました。SNSを活用した消費生活相談というのも徐々に始まってきていますので、これらの知見を消費者庁としても広げるべく後押しをしていきたいと思います。
それから、グローバルの方は、各国の法制度の比較というのをしておりますが、英語での発信がいまだ少ないので、少しこの中の主要なものをOECDなりICPENで共有できるような形で、英語でまとめて発信をするようにということを指示しておりますので、そういう形での世界の消費者との知見の共有もしていきたいと考えております。

時事通信の石塚と申します。
昨日、国民生活センターが糖質カットをうたう炊飯器について、テスト結果を消費者庁に報告したということで、その中で景表法上、問題になるおそれがあるということで、事業者への指導を要望していたと思うんですけれど、それについて長官の率直な御意見と、今後どういった予定で対応していくかについて、お伺いできればと思います。

昨日、国民生活センターが、糖質を低減できるとうたった電気炊飯器の商品テストも踏まえて結果を公表いたしました。その中で、お話がありましたとおり、消費者庁に対して、景品表示法の違反のおそれがあるということで、要望を頂いたところでございます。
個別の事案についてお話をすることは差し控えさせていただきますけれども、国民生活センターと常に連携を取りながら進めています。

読売新聞の糸井です。
電気の規制料金の値上げの申請について伺いたいんですけど、現在、消費者庁でヒアリングも行われていますけども、先日の大臣会見でも再発防止策について、消費者から失った信頼も回復されていないという旨の話もありました。長官として、今後、消費者庁の中でどういった議論を進めていく必要があるとお考えなのか、それを聞かせてください。

電気料金については、河野大臣から消費者庁に指示を受けているところでございます。電力業界において、公正な競争が行われているかどうかという疑念が払拭されていないということで、カルテルや顧客情報の不正閲覧の事案が料金に与える影響について、まずは経産省でしっかりと検証をしていただきたい。それからカルテル、顧客情報の不正閲覧を許してきた体制、仕組みをどうするのか、内外無差別の確保も含めて経産省において検証していただく。それから、大臣の下で電力会社のヒアリングを行っておりますので、それについてもしっかりと対応をしていきたいと考えているところです。

関連してなんですけど、先日の大臣の発言の中で、規制料金の問題にとどまることなく、フルパッケージ、トータルパッケージで議論をして結論を出さなければというお話もあったと思うんですけど、このフルパッケージ、トータルパッケージというのは、どのあたりまでを想定しておけばいいのかというのは。

今、お話ししたとおり、カルテルや顧客情報の不正閲覧、それから内外無差別の確保ということを、フルパッケージというふうに私ども指示を受けておりますので、それを念頭にしっかりと議論をしていきたいというふうに思います。

もう1点なんですけど、その場合なんですが、今回規制料金の値上げを申請している中に、関西電力と中部電力と九州電力が、この三つが入ってなくて、この三つというのはカルテル事件を起こしたところで、カルテル事件を起こしたのに入っているのが中国電力だけなんですけど、その場合、ほかの今回カルテルに含まれてないところも含めて、再発防止をというか、そんなイメージなんですかね。電力業界全体という、そういうイメージなのか、この規制料金、顧客情報の不正閲覧の方は全部入っちゃっているんですけど、カルテルに関しては入っていないところが多いので、どういうお考えなのかお聞きしたいです。

消費者庁の立場というのは、この規制料金について協議を受けるという立場ですので、議論の出発点はそこにあるということでございます。
それを超えて、どういう形で議論が進むかということは、経済産業省の方の今のヒアリングなり、検討状況というのを十分注視していかなければいけないと考えています。

日本消費経済新聞の相川です。
今、意見募集中の消費者基本計画工程表について質問させてください。電話帳のような170の項目を14項目の重点施策に変更されたということなのですが、例えば、消費者契約法を見ると、「令和5年、新たな消費者法の在り方を検討する会議を開催」なんですね。それから、「令和6年、引き続き更に必要な検討を重ねる。令和7年、令和6年の取組を引き続き実施」になっておりまして、どこが基本計画なのでしょうか。消費者契約法の見直しについては、具体的にずっと検討を続けるということなんでしょうか。

3月9日の会見にてお話をいたしましたけれど、今、工程表の改定素案をパブリックコメントにかけさせていただいております。
14の施策をKPI、それからアウトカムなどに設定してということでございますが。今手元にないので、消費者契約法の部分について、詳しくお答えをするということはできません。

すみません、制度課から答えてもらってください。

今日ですね、御質問のお話がなかったので、制度課はおりませんので、後ほど制度課から回答させます。

はい。それからですね、特商法も同じなんです。特商法も執行強化、適切に執行する、これしか書かれていないんですが、消費者委員会では通信販売のSNSに関する見直しの検討が行われていますし、消費者団体とか日弁連からは具体的な改正の項目も示しながら改正を求める意見が出ていると思うんですけれども、これはもう将来、令和6年、7年に向けても、全く検討はされないということなんでしょうか。

この工程表というのは、そういうものではなくて、随時見直していくということも念頭にしていると思いますし、まず、特商法の話も担当課から回答させていただこうと思います。

本当は、消費者基本計画というのは、それができた頃には、消費者団体は、この計画に1行盛り込むために必死に運動をしてきた経緯があります。ただ、もう今は170の電話帳というふうに消費者庁はおっしゃられましたけれども、電話帳にしてしまったのは消費者庁です。ここにきちっと本当は精力的に、意欲的に計画に盛り込んでいけるような方向で検討をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それから、もう1点なんですが、この厳正な法執行に対するアウトプット、アウトカム指標というのが書かれているんですけれども、この教科書によると、アウトプット指標が国による特商法に基づく行政処分件数が22件というふうにしか書かれていなくて、前回、私が余りにも処分が少ないんじゃないかというときに、なかなか厳正に対応するのは大変なのだというようなお話をされていましたけれども、私、数えました。
2019年は71件があって、事案数としては13件あります。2022年は合計すると消費者庁の件数、経済産業省の件数も入れた数を出されていて、22件ということにされているんですけれども、消費者庁が行った事案が3事案だけですし、例えば、2019年で経産省と消費者庁が合わせた処分件数は89件あるんですね。
やっぱり何か、どこか歯車が狂っているんじゃないかとか、もうちょっと、きちっと何が問題で行政処分が少なくなっているのかは、きちんと検討をしていただいて、それがきちっと分かるような指標にしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

特商法の処分件数というのは、この前お答えしましたけど、難しいところがあるというふうに思います。
件数が増えることが、いいことなのか。本来そういう事業者がいなくなるということがいいことだと思いますし、そこについては常に議論をしているということと、当然ながら悪質な事業者がいた場合には、しっかりと処分をしていかなければいけないということで、処分能力や検査担当の意欲と能力を高めていくということが必要だと思っています。
国、それから国の中でも消費者庁、一部の権限は経済産業省に残っております。経済産業省への働き掛けも、私もこの前、経済産業局長会議に出席しました。検査担当の研修も続けていくということでございます。
ですから、今回の基本計画の中でも、件数が増えることが私たちの本当にいいことなのか、それより以前に、事業者の教育なり、サイトの作りをしっかりしていただくということと併せてやっていかなければいけないということで、なかなかその件数を上げるということを最大の目標にするということがいいのだろうかということは、私は中で議論させていただいています。
悪質な事業者を許さないということは一番の目標でございますけれども、この工程表の数字をどうやっていくのかということ、限られた人数の中でどの程度やっていくのかと、限られた人数の中で最大のパフォーマンスを上げるためにどうすればいいのか、職員と一緒に議論しているところです。

厳正な処分ということを目標に掲げて3事業者しか処分していないということで、十分だと本当に皆さんが思うんでしょうか。いくら内容ということが合っていても、あるかもしれませんけれども、やはり過去にできていたものができていない、さらに悪質化している、複雑化しているというところはあるとは思いますけれども、余りに少ないというところに関しては、やっぱり真摯に反省をすべきだと思います。ちゃんと見直すべきだと思います。
それから、国民生活センターが、先日、私が定期購入の質問をさせていただいた後に、トラブルが急増していますということで啓発をしてくださっています。
やはり、11月に6,631件だったものが、1月には1万313件に増えているというような図も示していただいて、どういうところに気を付けましょうというようなことで啓発をしてくださっていますが、一体、何回啓発をしたら済むんでしょうか。
2021年からでも啓発が5回目ですよね。やはり、止めるための具体的な手を打てないのでしょうか。啓発だけだと国民生活センターがある。消費者庁ができる前と何も変わらない。消費者庁は何のためにできたんでしょうかと思うのですが、これについてはどのように対応されるんでしょうか。

お話しいただいたように、今、いろんな商品が定期購入で、しかも、ネットで気軽に買えるという状況になっています。そのときに、不十分だと言われるかもしれませんけれども、それが、初回いくらというものが、1回限りのものなのか、定期購入に結び付くものなのかということを、やはりしっかり確認していただくということがまず第一歩だというふうに思っております。
そういう中、イタチごっこだということで御批判を受けるかもしれませんけれども、そこもやっぱりしっかりやっていかないと、なかなかこの部分は定期購入というものに消費者も利便性を感じており、商品の幅も多くなっているという実態を見るとそことやはり合わせていかないといけない。
それから、当然ながら定期購入に関する特商法のいわゆる規制なりがしっかり守られているのかということで、ここは今お話があった悪質な事業者に対する厳正な処分というのと併せてやっていくということだと思います。

最近のものはほとんど、解約できる、定期購入ではないと書いているんです。ただ、さらに手口が進化していて、注文する過程の中で、クーポンが出たり、おまとめが出たり、こっちの方がお得ですよというふうになって、定期購入に移行させられているんです。
そこで、今まで法改正してきた取消し通知が使えない。だから、なかなか電話も通じないということで、今現場では本当に困っているんです。
前回も質問しましたけれども、御理解いただけてないんでしょうか。

国民生活センターに寄せられている多くの件数があるということを確認し、その中の事業者が、特定の事業者にそれなりに集中しているということも確認をしておりますので、これからは個別の案件なのでお話はできませんけれども、しかるべく私たちも法律上の権限を行使するために努力をしているということでございます。

消費者委員会の委員からも、もうグループ化していて、すぐさま行政処分をしていただきたい事業者が3件あるというような発言もされています。きちっと本当に現場の声を聞いて、冷静に処分をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
日本経済新聞の渡邊です。
景表法についてお伺いできればと思うんですけれども、ちょっと突然ですみません。素人的な質問で大変恐縮なんですが、昨日も炊飯器のお話ありましたけれども、あとは寿司チェーンの話だったりとか、飲料会社だったりとか、大手企業による違反事例というのもこの1年間幾つかあったんじゃないかなと思いました。
これは感覚的な話で恐縮なんですが、他の例えば会計であったりとかはですね、かなりチェックが厳しかったりして、そこで違反をしないように非常に会社側も気を付けているような気がするんですが、これだけ大手だから信用できるというわけでもないと思うんですが、それだけ人を割けるような会社であっても違反が出てしまうというのは、これは現状どう捉えていらっしゃって、その原因はなぜだと思われますでしょうか。

ケースによって事情が違いますので、それをまとめて、原因あるいは感想を申し述べるのは適切ではないと思いますので、ここで述べることはいたしませんが、いずれにせよ、消費者が買う場合に広告というのは重要な情報になります。法律上義務付けている表示もありますけれども、広告というのは非常に重要な要素になりますので、当然ながら誠実にやっていただきたいということ、それから、やはりそれぞれの会社において、大手ですとリーガルチェックをする部局というのはありますので、その販売部門なりから上がってきたものをしっかりとリーガルチェックをしていただくということが重要だと思っています。
そのための説明とか講演というのは私たち厭わず出掛けています。違反事案を起こすことによって、会社の社会的な信用というのはダメージを受けるということが当然想定されていますので、しっかりとしたチェック体制をそれぞれの会社で築いていただきたいというふうに思います。

共同通信の池上です。
不当寄附勧誘防止法の関係でお伺いしたいんですけども、今日午前中の消費者特委において、執行アドバイザー制度の状況ですとか、いろんな法テラスに寄せられている相談件数ですとか、そういったお話が出ていました。
今、執行アドバイザー制度のアドバイザーの検討状況ですとか、あと、4月から動き出す新しい対策室の準備状況ですとか、もしお話しできることがあればお願いしたいなと思います。

4月1日の施行に向けて準備をすべしということで、大臣から指示を受けておりますので、政省令、その他の整備令、それから今お話がありました担当する部署、それから執行アドバイザーということで、4月1日には全て出発できるように、今最終的に準備をしています。それにつきましては、河野大臣からしかるべき時期に皆さんにお伝えをしたいと思います。

分かりました。あとですね、先日、立憲民主党の方から、すみません、ちょっと突然で申し訳ないんですけれども、処分基準案についての意見があったかと思います。そちらについての受け止めというのは何かありますでしょうか。

処分基準案についてはパブリックコメントに出しておりまして、それも3月2日に終わっておりますので、それについての考え方というのを整理し、立憲民主党から頂いた意見も受け止めて検討しています。