新井消費者庁長官記者会見要旨
(2022年12月15日(木) 14:00~14:16 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
本日お手元に資料を配布しておりますけれども、食品中の放射性物質に係るリスクコミュニケーションの実施についてお知らせをしたいと思います。
消費者庁におきましては、食品の安全性に関し、消費者の皆さんに正しく理解していただくために、関係府省庁と連携をしてリスクコミュニケーションを行っているところであります。
この取組の一環といたしまして、来年1月15日に、日曜日ですけれども、ららぽーと横浜、それから翌週22日にJR両国駅におきまして、被災地の食品の安全性や魅力等に係る情報提供イベントを開催することにいたしております。お手元に配布してあるとおり、本日プレスリリースを行ったところであります。
イベントに設置する展示・体験コーナーでは、被災地の食品の生産現場での対策や放射性物質の検査など、食品の安全性を確保するための取組について情報提供を行うとともに、被災地の産品のおいしさや魅力を知っていただけるよう、マルシェにおきまして岩手・宮城・福島・茨城のこだわりの地域産品を販売することにしております。是非奮って御参加いただきたいと思います。
質疑応答
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問
読売新聞の糸井です。
今の被災地の食品の安全イベントなんですけど、これは消費者庁が主催になっていて、農林水産省とか復興庁ではないんですけど、これはどういう意図なのか。なぜ消費者庁なのかというのと、これは初めての取組なんでしょうか。
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答
消費者庁主催で、食品安全委員会、復興庁、それから農林水産省、経済産業省と共催です。これは放射性物質に限らず、食品の安全の言わば要というか、食品安全基本法に基づく食品安全の取りまとめというのが消費者庁でございまして、リスクコミュニケーションについては、従来、消費者庁が各省と連携して取り組むという形でやってまいりました。
今までいろいろ対面式のものとか、コロナ禍ではセミナー等をやってまいりましたけれども、今回、リスクコミュニケーションの幅を広げて、より多くの方々に参加していただけるようにということで、リスクコミュニケーションの実際の現場でのツールと、被災地のことをより知っていただくというものとを併せて実施することによって、より多くの方が気軽に来ていただけるのではないかということで、今回初めての取組として、被災地の産品の販売と一緒にしてやっております。
消費者庁はリスクコミュニケーションの調査を東日本大震災以来やっておりますけれども、産地できちんと放射能検査を行われているということを御存じの方が大分減っているということが非常に懸念事項であります。
したがって、産地でどのように産品が管理されて、皆さんの手元に届いているのかということをもう一回きちんと思い出していただくという意味を込めまして、今般、産品販売と一緒に、それから日曜日に多くの方がお出掛けになるような場所を選んでということで実施しようということでございます。 - 問 ちょっと細かいんですけど、どういった産品がここでは置いてあるのか、提供されるのかというのと、あと、どれぐらいの人出を見込んで、なくなったりすることはないのか。
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答
マルシェで提供される産品は、お手元に配布をしております中に一部実例が載っていると思います。このほかにもあると思いますけれども。(事務方に対して)ここに写真で載ってありますものは実際に提供されるという理解でいいですか。
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答
(消費者安全課)ちょっと補足させていただきますと、現地で調整しているのは福島のところで魚のシラウオ、米、あるいは宮城のホタテ、仙台牛、岩手のリンゴ、あるいは茨城のイチゴといった種類を揃えてございます。
このようなマルシェを使ったようなものというものは、特に被災地の食材ということをよりアピールするという観点においての試みというのは初めてということになりまして、関係省庁、特に内閣府食品安全委員会、農林水産省、復興庁、経済産業省と共催で行うというような形になってまいります。 - 問 人出はどれぐらいでしょうか。
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答
(消費者安全課)人出はですね、これは正確にこれということはないのですが、特に我々として期待しているのは両国駅のイベントでございまして、この日は大相撲の千秋楽でもあるので、そこら辺の来られる方というのが来てほしいなという思いはありますが、いかんせん何人来るかという見込みまでですね、ただ、それは多くの方に見てもらいたいという点から、できるだけ多くの方に来てもらうように、今日このようにして告知させていただいているというところでございます。
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問
話題変わるんですけど、10日に成立した寄附新法についてなんですけど、今月16日の公布で一部を除いては来年の1月5日の施行ということになります。
これ、逐条解説になるのか、ガイドラインになるのか分からないんですけど、法解釈とか、配慮行為なんかの具体例というものをどのような形で公表していくのか。一般の人が使いやすいというか、分かりやすいように、このスケジュール感ですとか、どういう形で1年以内に見込まれる行政措置とか、罰則の施行までにまとめるというイメージなのか、それとも、この公布までにまとめるというイメージ、ごめんなさい、1月5日の施行までに急ピッチでやるのか、その辺のスケジュール感と内容について。
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答
今お話しいただきましたとおり、基本的に民事ルールの部分、一部を除いてということでありますけれども、公布日から20日ということでございますので、1月5日に施行されるということでございます。
逐条解説のような形で、出版物なりにまとめるというのは相当時間が掛かりますので、まずは1月5日に施行される民事ルールの部分の解説なりについて、先行して恐らくホームページの形になると思いますけれども、皆さんにお示しをしたいというふうに思います。
国会答弁の中で、既に相当なことを、総理を含め、御答弁いただいておりますので、それをやはり分かりやすくしていくというのが基本になると思っております。
その他の行政措置の部分につきましては、まだ施行日が来ておりませんので、その日程の中で、考えていきたいと思います。 -
問
ニッポン消費者新聞の丸田です。
冒頭関連です。先ほどの、ららぽーとと両国駅ですけども、ここで一つ検査されていることに対しての認知が低くなっているということもあって、それで安全性についての周知というのも目的にされているということで、ここに出てくる放射線測定体験コーナー、これは先ほどおっしゃった、説明された食材のこの検査なんでしょうか。それとも、ここに書いてあるように、自然界にもあるよということ。要するに、放射性物質についての一般的なことなのか、実際にこの検査をするのか、そこをちょっと。
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答
(消費者安全課)この中で測ろうというのは空間線量の計測で、食品に関するものというよりは、むしろ放射線が測れるんだということをですね、明らかにするために、「はかるくん」という空間線量を出すものを用意してやろうと思っています。
あと、霧箱のようなことで、放射線が線量に従ってあちこち飛んでいくような姿で見せていって、放射線というものはどのような形で飛んでいくのかというのを見せていくというのが、まずこれが放射線の正しい理解という点等がまずあると。その性格についてですね。見えるということと、線量が分かるというところ。それはそれとして、実際問題として、それがどのように影響しているのか、それは食品の基準値の話とかというのも含めて、パネルなどで展示していった上で、かつそれがどのように我々気を付ければいいのかということを詳しい方のトークショーという形で御説明していくとか、そういうような情報提供はしていきたいと。そのように考えております。 -
答
実際の食品はちゃんとすり潰してサンプルにしないと測れませんので、そこまでのことはこの場ではなかなかできないと思います。
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問
フリーの木村です。
先日の食品の輸出拡大実行戦略についてなんですけれども、こちらの方で戦略を進める上で、例えば、食品表示についてはコーデックス規格と整合性合わないようなところを中心に、食品表示制度全体を見直すみたいな、そういう決定があったかと思うんですが、ちょっと具体的に、ではコーデックス規格と今整合性取れていないような食品表示って何があるのか。で、どういう感じで見直すのかっていう、そういった点について教えてほしいんですが。
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答
12月5日ですかね。輸出の戦略で決定をされたところでございます。ここに書いてありますのは、日本の表示制度をグローバル化、具体的にはコーデックスにできるだけ合うような形にしていくということです。
日本の食品もいろんな形で海外に出ていくということになりますと、そこの表示のずれというのが幾つかの阻害になっているという現状を踏まえてということでございまして、具体的には、もう既に我々事務的には洗い出しておりますけれども、やはり結構なずれがあるというのは事実でございまして、それをこれから一気にというわけにはまいりませんので、少し中長期的な戦略を作って取り組んでいこうと思っています。
その戦略については、できるだけ消費者基本計画の改定の中に食品表示の分野も入っていますので、それと併せてステップ・バイ・ステップでやっていくという戦略を今作っておりますので、皆様にその中でお示しできると考えています。 - 問 例えば、具体的にこういう表示が今問題になっていますよとか、輸出する上で支障になっていますよとか、何か具体例というのは今挙げることは可能でしょうか。
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答
私が輸出をやっていた立場から実際の具体例を申し上げますと、コーデックスは基本的に入っているものを重量順に書きなさいと、極めてシンプルな原則になっています。その中で、日本がずれているもので大きな点というのは、一つは重量順で「水」というのが入っていても、日本の食品は実は水を書かなくてよいという取扱いになっています。これは例えば濃縮還元ジュースの水が1位であるとか、あとは例えば、例にあります醤油なども水が入っていますから、海外では「WATER」と書いてありますけれども、日本では書いていないというこの特性が一つあると。
それからもう一つは、添加物について。一定のものについて省略をしていいと。確かに添加物の範囲自体が違いますので、どっちがいいというわけではございませんけれども、添加物について一定のもの未満のものは省略していいというところがございますが、これが各国で例えば全部表示という国に行った場合には、そこで表示されていない添加物が見つかるということによって、シップバックのリスクを負っているというものもございます。これはやはり大きな論点というふうに思っておりますので、変えていかなければいけないと思っています。
それから、非常に細かい点でたくさんありますけれども、その辺については、それぞれの産品ごとにやはり現状をまず皆さんに知っていただくということ、それから、一気にというふうには先ほど申し上げてはいませんので、順序立てていく。少し相談しながら中長期的なロードマップを作っていこうということで取り組んでいきたいと思っています。 -
問
ニッポン消費者新聞の丸田です。
今の御回答のことなんですけれども、そうなると添加物の中で、要するにスラッシュで分けています、添加物の部分を。それ自体が変わってくるということでしょうか。
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答
まず、添加物をどうするのかというのも、これいろんな時期に厚生労働省で見直しをしていただいているというふうに承知をしておりまして、日本の添加物、私が知っている範囲で申しますと、これ自体が相当世界のコーデックスとずれているというところもございます。何を添加物とするのかしないのかというところも含めてですね。これもやっぱり大きな課題であるというふうに思っておりますし、表示の世界での表示の仕方、それから省略の仕方というのもこれ大きな課題だと思っています。
それぞれ物質によって事情が違うので、これも一朝一夕というふうにはいかないわけですけれども、そこの課題はやはり解決をしていくというのが輸出におけるリスクを減らす一つの要因だというふうには考えています。 -
問
NHKの島田です。
話題変わって、また救済新法の件なんですけれども、救済新法についてはいわゆる運用状況を確認して改善していく検討会の話、これ河野大臣も触れておられましたけれども、今のところ、どうでしょう、現状その検討会の立ち上げとかのスケジュールとかそういったところってどのように把握されていますか。
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答
この前もお話をいたしましたとおり、まずは施行をしっかりやっていくということで、今準備を進めているということでございます。