【第3部】 「ファッションから考えるサステナブルな未来~わたしたちができること~」フォトレポート(サステナブルファッションショー)
サステナブルファッションショー
産学連携プロジェクトとしてアップサイクルプロジェクト等に取り組まれている大阪モード学園の学生の方々に御協力いただき、エシカル消費特設サイト「サステナブルファッション習慣のすすめ」の"18のヒント"を参考にサステナブルファッションの具体的なコーディネートを考えていただき、サステナブルファッションショー(事前録画)を実施した。
(学生グループ1)
「遊び心を身に着ける」をテーマに服をまるでアートのような遊び心のある新しい1着にリメイクを行った。
(学生グループ2)
「ドレッシー×かわいらしさ」をテーマにリメイクをした。セーターとカーディガンを切って、パッチワークで新しい1着を制作した。ニつ目の作品は、タイダイ柄のスウェットと別のスウェット生地をつなぎ合わせてワンピースを作った。さらにタイダイ柄のスウェットを切ったときに出た余り布を使ってバッグも制作した。そうすることで女性らしいかわいらしさを表現することができたと思う。
(学生グループ3)
様々なアイテムや素材をドッキングし、ファーやキリン柄といったサファリテイストのものを今の若い人たちに向けた形でリメイクをした。
(学生グループ4)
「二面性」をテーマにデザインした。その時の気分次第で形を変える事ができるデザインだ。一つ目のスタイルはパンツスタイルとスカートスタイルになっている。スカートスタイルにもパンツスタイルにもデザインを変えることができる。二つ目のスタイルはバルーンスカートとフレアスカートだ。スカートの内側部分のスナップボタンを着け外しすることでフレアスカートにもなり、スカートの長さを調節することもできる。
(学生グループ5)
「お母さんの服でおめかし」をテーマに、パンツやブラウスを子供服へとリメイクした。オフスリーブやフリルといった女の子の好きな要素をたくさん詰め込み、首元のパールと落ち着いた色合いで、大人っぽいデザインを作った。
(学生グループ6)
スケートボーダーのファッションをイメージし、リメイクをした。トップスはロングコートの袖と裾をカットし、パーカーの袖とフードを付けることでレイヤードしているようなデザインに仕上げた。また全体的にオーバーサイズに仕上げた。
(学生グループ7)
「夏と冬のカジュアルロック」をテーマに、リメイクをした。若い人でも着られるようにデザインをした。
(学生グループ8)
ギャザーフリルをメインにリメイクをした。ギャザーフリルを加えることで女性らしさをプラスした。
- 【ファッションショー出演・演出】
-
- 大阪モード学園
- ファッションデザイン学科
- ファッション技術学科
- スタイリスト学科
- メイク・ネイル学科
- 大阪モード学園
インタビュー
サステナブルファッションショーのあと、コーディネートの意図、背景、サステナブルな観点を中心に、学生へのインタビューを行った。
(司会:消費者庁審議官 片岡 進)
小さな修正で大きな変化を見せたり、大胆に修正されるといった工夫など、大変インプレッシブなショーであったと思う。制作に実際にあたられた皆様から、今回の取組に当たっての感想をまずお伺いしたい。
(学生1)
学校の授業ではゼロから服を作ることしかなかったし、出来上がった服の良さをどのようにアレンジするのかすごく悩んだが、実際にできあがった服を見てみて本当にいいものができた。今後もリメイクしていきたいなと思ったし、また自分の服を作る際のデザインの参考だとか、視野が広がったと思っているので、参加して良かったと思う。
(片岡審議官)
まさに今後も取り組んで行きたいというお言葉を是非聞きたいと思ったので、非常に良かったと思う。
(株式会社メルカリ ブランディングコミュニケーション代表 上村 一斗氏)
一つ一つ、アイテムまですごく統一感がでるようにこだわっていたというのは注目したが、中でもサステナブルであるということ以上に、一つ一つのルックに攻めがあって、皆さんのイノベーションみたいなアイデアが含まれていたというのが、見ていておもしろいと思った。もし次回もあれば、個人的にはジェンダーレスなファッションも、皆さんのアイデアで作っていただけるとよりワクワクするようなルックが増えてくるのかなと思った。
(片岡審議官)
まさにチームでやるということで、恐らくいろんな思いがぶつかって調整も大変だったということもあるのだろうと思うけれども、そういう意見を調整していく過程がきっと楽しいという場面もあったのかなと思う。
(株式会社Shoichi 代表取締役CEO 山本 昌一氏)
袖を長くしたアイテムがいくつかあって、確かに袖を長くしたアイテムってみんな着たがるけど、メーカーやブランドとしては売れるかどうか予測がたたないから選ばれにくいというところがあって、そういったところが今回のリメイクで表現されているというのは、すごく楽しまれて作られているなと思った。
(片岡審議官)
恐らくそれぞれのチームで、きっとかなり工夫をされたポイントがあったのだろうなと山本さんの話も聞きながら感じた。
(上勝町ゼロ・ウェイストセンター CEO 大塚 桃奈氏)
今日のシンポジウムも「サステナブルなファッションとは」というテーマの中で、服を買うっていうのはすごく簡単な行為で、作ることはすごく難しいけれども皆さんのショーを通じて、すごくプリミティブで気持ちが寄り添うものだなと思った。もっとその作った過程のストーリーであるとか、一人ひとりがなぜその素材を使ってそのデザインになったのかという背景をもっと知りたいなと思った。私から一点質問なのだが、実際に皆さんが制作する中で、服を作る側として何か気づいた点とかあれば、是非教えていただきたい。
(学生2)
汚れてしまったり、傷ついてしまい、ときめきがなくなった服を1枚の生地として活用し、少し手を加えることで節約とおしゃれが同時に楽しめることを学んだ。大量の服が廃棄されることをそのままにするのではなく、私たちのような未来の作り手が今回のような具体的な解決方法を発信していく必要性を感じた。
(大塚氏)
確かに一人一人が作るという行為を気軽に楽しめる場がもっと増えたら良いなと思った。
(片岡審議官)
リメイクしやすかった素材みたいなものはあったか。
(学生3)
今回、作品作りをしてみて、ニットはすごくリメイクしやすかった。一からニットを編むのはすごく大変だが、リメイクなら手軽に自分好みのニットが楽しめると思うので、これから私物で着れなくなったニットをリメイクしていきたいと思う。
(片岡審議官)
これから皆様デザイナーとしても活躍されていく中で、サステナブルファッションという意味ではリメイクしやすいものを考えて作っていくということも大事なのかなと思うし、是非そういうことも意識して制作活動していただけたらなと思う。今回、18のヒント集ということをかなりしつこく言っておるけれども、実際に制作をされる皆様の立場から御覧になられて、このヒント集、どのような印象を持たれたか、感想を持たれたか、もしなにかあればお聞かせいただければありがたい。
(学生4)
いろんな素材を組み合わせたりすることで、新しいものが生まれて、自分のたった一つだけのものになるっていうことが、とても素敵なことだと思った。自分が作った一つしかないものだからこそ、ものをより大切にすることが今回実感できたと思った。今回は処分するときのヒントを参考にしたのだが、服を買うときとか、手に取るときに、未来のことをもっとしっかり意識して、一つ一つの服を大切に取り扱うことができたら、もっといいなと思った。
(片岡審議官)
今回のリメイクの取組を通じて、服を大事に使っていくということを一緒に学べたかなと思う。先程のシンポジウムの中でも、服にパッションを入れ込んでいくという点が非常に大事だという話があったけれども、既存の服をリメイクして新しいものにしていく中で、自分だけのカスタマイズされた服ができあがっていくという意味では、思いを入れていく過程でもあったのかなと思う。これからも継続してこの取組をやっていくということを、是非意識をしてやっていっていただきたいなというふうに切に思う次第だ。
担当:新未来創造戦略本部