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Vol.662 5月31日は世界禁煙デーです

5月31日は「世界禁煙デー」です。
喫煙が健康に与える影響は大きく、また、受動喫煙の危険性やニコチンの依存性を踏まえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題となっていることから、生活習慣病を予防する上で、たばこ対策は重要な課題となっています。
このことから厚生労働省では、世界禁煙デーである5月31日から始まる1週間を「禁煙週間」と定め、禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発を積極的に行っています。
さらに、喫煙による健康問題以外にも、「たばこ」が原因の事故が知られており、「事故情報データバンク(※1)」や「医療機関ネットワーク事業(※2)」には、たばこに関する事故の情報が寄せられています。この機会にたばことの関わり方について改めて考えてみるためにも、「たばこ」に関する事故、特に「たばこの誤飲」と「水たばこ(シーシャ)」の事故情報について取り上げます。

子どもがゴミ箱にあった加熱式たばこを誤飲している様子

事故事例

【たばこの誤飲】
  • 「こどもがソファに放置された金属片を含む加熱式たばこ1本を食べた。嘔吐、活気不良(注)、咳があり、レントゲン検査で腸内に金属片が確認され、入院した。」(0歳)(1)
    注:元気がない、泣かない、ぐったりしているなど
  • 「灰皿代わりにしていた缶に入っていたたばこ(加熱式たばこ)を誤飲した。加熱式たばこに含まれる金属片の有無を確認するため、内視鏡検査を実施した。」(20歳代)(2)
【水たばこ(シーシャ)】
  • 「飲食店において、水たばこを利用した客が、一時意識不明となり、救急搬送され、一酸化炭素中毒と診断された。」(30歳代)(※1)

事故を防ぐために

【たばこの誤飲】

たばこの誤飲事故を防止するため、次のような点に注意しましょう。特にこどもは保護者がそばにいても、ほんの少し目を離した隙に口に入れてしまう場合があるので注意が必要です。

  • こどもの目の前で吸わない。
  • 吸い殻も含め、こどもの目に触れる場所や手の届く場所に置かない。
  • 捨てるときは、直接捨てずにビニール袋などに入れて密封するなど、容易に取り出せない工夫をする。
  • 飲料缶やペットボトルなどを灰皿代わりに使用しない。ニコチンが溶け出した液体は身体に吸収されやすくなるため特に危険です。

たばこを誤飲してしまった可能性がある場合は、口の周りや口の中を確認し、たばこがあるようなら取り出しましょう。また、たばこが浸っていた液体を飲んでしまった場合や普段と違う様子がある場合は、何も飲ませず、直ちに医療機関を受診しましょう。金属片が内蔵された製品もあるため、可能な限り、銘柄名やたばこのパッケージなどを持参し、どのような種類のたばこか医師などに伝えるようにしてください。

【水たばこ(シーシャ)】

水たばこ(シーシャ)は、たばこの一種で、炭で燃やしたたばこ葉の煙を水にくぐらせて、専用の喫煙具を用いて吸い込んで喫煙します。古くから中東諸国などで親しまれており、近年、国内でも水たばこ(シーシャ)を提供する専門店や飲食店が開業するなど、認知度が高まっています(※3)。
水たばこ(シーシャ)は、喫煙時間が1時間前後と他のたばこと比較すると長くなり、燃やしたたばこ葉や炭などから発生する一酸化炭素による中毒に注意が必要です。
水たばこ(シーシャ)を利用する際は、換気が十分にされていることを確認し、意識障害・頭痛・吐き気など体調に異変を感じたら、すぐに利用を中止しましょう。また、燃焼した炭や高温になった器具でやけどをしないよう、器具の扱い方をスタッフに聞くなどよく確認しましょう。

【喫煙習慣について考えてみませんか?】

紙巻きたばこ、加熱式たばこ、水たばこ(シーシャ)のいずれも「たばこ」であることに変わりはありません。ご自身の健康への影響だけではなく、周囲の人の健康のため、また、たばこに関連する事故を防ぐためにも、この機会に喫煙習慣について考えてみませんか。

  • ※1: 消費者庁が(独)国民生活センターと連携し、関係機関から「事故情報」「危険情報」を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ収集・提供システム(2010年4月運用開始)。
  • ※2:消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、2010年12月より、医療機関から事故情報の提供を受けています(2025年5月現在で32機関が参画)。
  • ※3:日本たばこ産業株式会社「水たばこ」
(参考)
(過去の関連メール)

担当:消費者安全課