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高齢者とその家族に寄り添ったサービスの提供:城北信用金庫

 城北信用金庫は、東京都内、埼玉県南、千葉県に店舗を持つ、地域に根ざした協同組織金融機関です。高齢化が進む地域のニーズに沿って、地域密着型の信用金庫ではいち早く相続手続の支援サービスに取り組むとともに、高齢者と家族等で口座を共有するサービスを展開しています。地域の高齢者の抱える課題の解決に資する城北信用金庫の取組は、「令和2年度消費者志向経営優良事例表彰(注1)」において、消費者庁長官表彰(特別枠)に選定されました。

顧客のニーズに沿った、きめ細やかな相続手続の支援

 2017年、城北信用金庫では、相続を始めとした高齢者ならではの悩みや不安の解決を支援するサービスとして「シニア向けライフサポート『結』」(以下「結」という。)を開始しました。「結」では、相続準備を考える高齢者や相続手続を行う顧客から相談を受けた際に、顧客のニーズに合ったサービスや専門家を紹介するとともに、必要な手続を紹介先に依頼しています。例えば、推定相続人が多い方、直系の子がいない方、遺産寄贈を検討している方等の個々のニーズに沿った遺言が執行されるよう、専門家と連携して公正証書遺言作成等の支援を行っています。また、相続開始後も、煩雑な相続手続を専門家に依頼する遺産整理紹介サービスを顧客に提案するなど、円満・円滑な相続を支援しています。

専用口座を活用した高齢者の見守り

 2020年には、「結」において、新たに「生活口座共有サービス」が開始されました。これは、身体の不調や認知症の発症に不安を感じる高齢者(契約者)が、家族等(代理人)と専用口座(生活口座)を共有するサービスです。家族等も必要な金額を専用口座から引き出せるため、家族等が高齢者の毎日の買物をしているような場合、買物代金等の立替負担や清算の手間がなくなり、高齢者を支える家族の支援にもつながります。また、高齢者が現金を引き出した場合等、専用口座の入出金のたびに、指定のメールアドレスやスマートフォンのアプリに通知が届き、取引金額と残高を確認できます。通知先は代理人のほかにも複数人が登録可能なため、複数名の家族等で高齢者の暮らしを見守ることができます。さらに、契約者が認知症等になった場合に備えて、専門家の支援の下、代理人を後見人に選定して、将来の財産管理の継続を支援してもらうことも可能です。

図表 


担当:参事官(調査研究・国際担当)