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事例 一般社団法人SYUDY FOR TWO

 一般社団法人 STUDY FOR TWO(以下「SFT」という。)は、大学生によるボランティア団体で、「勉強をしたいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界」を目指して、途上国の子供たちの教育支援をしています。

海外ボランティアでの経験が創設のきっかけ

 SFT創設のきっかけは、ラオスで海外ボランティア活動に参加した大学生が、「自分は大学で学ぶことができるのに、なぜ勉強をしたいと願う子供たちが、勉強できないのだろう」と疑問を持ったことでした。帰国後、自分自身が高額な教科書の購入をためらったときに、「日本の学生に中古の教科書を安価に販売して、その利益で途上国の教育支援ができないか」と考えついたとのことです。

教育を通じて、先進国と途上国をつなぐ

 SFTは、2010年の設立以降、「勉強をしたいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界に」と「大学の教科書をより安価に購入できることが当たり前の世界に」という二つの理念を掲げ、大学生から使い終えた教科書を寄附してもらい、定価の半額以下で再販売して得られた利益を途上国の子供たちの教育支援に充てる活動を行っています。

 この活動には、全国の大学生が参加しており、SFTは、これまで寄附された4万冊以上の教科書を販売し、得た利益の8割超に相当する総額3,000万円以上を途上国に寄附してきました。寄附したお金は、途上国の子供たちへの奨学金や、学校建設等に使われています。

困っている人の本当に役に立てる活動を目指す

 SFTは、設立当初、支援先をラオスとバングラデシュに限定していましたが、その後、参加学生の間で、「毎年同じ国に支援金を送るだけでSFTの掲げる理念を達成できるのか」との疑問が提起されるようになりました。そこで、2019年から、データを活用して支援国候補を広く検討した上で、活動中の国際協力NGO等のうち、SFTの理念に照らして支援先や支援内容が最も有意義と判断した団体に対して資金協力を行う方法をとることにしました。また、支援先の現地調査を目的としたスタディツアーに年2回参加し、自分たちの活動が現地の困っている人たちの教育支援に実際につながっているかどうかを確認しています。

 2021年度学生代表の執(し)行(ぎょう)泰輔氏と学生副代表の北野昂大氏は「スタディツアーで実際に現地に赴き、自分たちの支援が活用されている現状を直接見ることで、社会貢献をしている実感を得ることができた」と話します。

教科書販売の様子

スタディツアーの様子

担当:参事官(調査研究・国際担当)