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事例 三田国際学園高等学校

 三田国際学園高等学校の生徒たちは、誰もが生きやすい社会の実現に向け、従来の教師が講義するスタイルの性教育の授業を、生徒同士のディスカッションを中心とする授業に変更してもらうなど、ジェンダーの平等と質の高い教育に関する取組を進めています。

「性についてオープンに話せない」日本の価値観を変えたい

 三田国際学園高等学校では、海外留学の経験から、性に関する日本の価値観との違いに驚いた生徒や、日本の性教育に違和感を持つ生徒が、「性についてオープンに話せないという日本の常識を変えたい」、「誰もが生きやすい社会に変えたい」という考えから、性教育の在り方を見直す取組を始めました。

生徒同士で性についてディスカッションする新しい授業を企画

 生徒たちはまず、身近な同級生や教師の性に対する考え方を知り、自分たちの思いを伝えるためには、従来行われてきた一方向の講義形式の性教育ではなく、生徒同士や生徒と教師が自身の考えを双方向に発信し合うことが性教育では特に必要だと認識しました。生徒たちは、地域の産婦人科医からの指導を踏まえ、体育科の先生と共に、三田国際学園高等学校で既に行われていたディスカッション形式での授業で、性教育を扱うことを企画しました。初めは企画した生徒たち自身にも、テーマに対して抵抗感や恥ずかしさがあったそうですが、そのような気持ちも互いに尊重することの重要性を学びながら活動しました。

取組への熱意で「高校生SDGsコンテスト」最優秀賞を受賞

 生徒たちは、「活動を成功させるためには、社会の価値観を変えたいという熱い想い『パッション』が大事だと実感した」と話します。2021年に出場した「高校生SDGsコンテスト(注1)」では、実現に向けた構想について、熱意を込めて発表し、最優秀賞を受賞しました。今回の受賞を通じ、周囲から賛同を得ることで、取組の重要性を再認識するとともに、「自分たちは社会の変革に貢献できる」という自信にもつながったとのことです。生徒たちは、「今後も性教育に関連するイベントを企画・開催し、誰もが生きやすい社会を目指して、情報発信に努めていきたい」と話します。

高校生SDGsコンテストでの受賞


  • 注1:「SDGsで考える『変えたい』こと」をテーマに、全国の高校生からアイデアや解決策を募集するコンテスト。日本経済新聞社主催。

担当:参事官(調査研究・国際担当)