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事例 欧州委員会のぜい弱な消費者に焦点を当てた教育・啓発活動の事例

 ここでは、子供と若者のインターネットの適切な利用のために欧州委員会が運営している情報提供サイト『BETTER INTERNET FOR KIDS』について紹介します。

 欧州委員会は、2021年3月に「EUROPE’S DIGITAL DECADE: DIGITAL TARGETS FOR 2030」を採択しました。これは2030年を到達目標として、人間を中心とした持続可能なデジタル社会の繁栄に向けて、人々のデジタル化への対応力強化を目指すものです。この目標の中では、子供や若者がインターネット上の詐欺被害に遭いやすいことを踏まえ、インターネットを適切に利用できるよう、対策を講じる必要性が指摘されています。

 この対策の一つとして、欧州委員会は、「BETTER INTERNET FOR KIDS」というポータルサイトを開設し、インターネットの危険性やそれを回避する方法等について紹介しています。掲載されている内容は、子供や若者が見て学ぶことを想定した動画やオンラインゲームが中心ですが、これらは両親や教育者、教育団体等が子供や若者に説明する際に利用することも想定しています。

 内容の具体例を挙げると、インターネット詐欺防止啓発キャンペーン動画を掲載し、オンラインの個人情報とパスワードに関する詐欺の手口や注意点について説明するとともに、被害に遭った場合の相談先を紹介しています。また、子供が親に助けてもらいながらインターネットの安全な利用方法を理解し実践することができるよう、オンラインゲーム形式で、ウイルス感染防止対策や、ハッキングを防ぐためのパスワードの決め方、SNS上でのトラブルを避けるためのマナーと注意点等を学ぶことができるようになっています。親を対象とした臨床心理士によるウェビナーでは、幼い子供のインターネット利用に関して、安全のためにSNSやオンラインゲーム使用時には親のアカウントを使用させること、利用時にはできるだけ親と一緒に利用させること等、具体的な質問も受けながらアドバイスを行っています。

担当:参事官(調査研究・国際担当)