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COLUMN デジタル社会特有の消費者のぜい弱性

デジタル化の進展によって、消費者に不利な状況が生まれることがある

 デジタル化の進展によって、取引の利便性が向上し、消費者はいつでも手元のスマートフォン等の端末から取引ができるようになりました。一方で、こうしたオンライン取引では、端末の小さな画面に表示される限られた情報で取引するかどうかの判断をしているため、広告や宣伝(SNSや動画によるプロモーションを含む。)でデジタル技術が巧みに用いられると、衝動買いが誘発されたり、消費者の合理的な思考が妨げられたりするおそれがあります。取引を行う画面が小さく、手続が簡易・迅速であるがゆえに、表示を十分に確認する間もなく契約してしまうおそれもあります。

 また、製品の機能やサービスの高度化・複雑化によって、デジタルリテラシー(注1)の個人差がますます大きくなっています。例えば子供や高齢者は、デジタルサービスの利用経験が少なく、デジタルリテラシーも不足しているため、消費者トラブルに遭うリスクを察知できなかったり、トラブルへの適切な対応ができなかったりすることがあります。

 このほか、インターネット上の情報へのアクセスが手軽になった反面、不適切な情報に接触する機会も増えています。さらに、情報量が膨大であったり、パーソナライズされた情報のみが表示されたりすることで、消費者の合理的な判断がゆがめられるおそれがあります。

 デジタル化が進展した社会では、全ての消費者がときに消費者トラブルに対してぜい弱となる可能性があります。子供の頃からインターネットやパソコンのある環境で育ってきた「デジタルネイティブ世代」といわれる若者も例外でなく、インターネット通販等に関する消費者トラブルが発生しています。

消費者のデジタル化への対応に関する検討会
URL: https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/review_meeting_003/


  • 注1:デジタル技術に関する知識やデジタル機器・サービスを利用する能力のこと。

担当:参事官(調査研究・国際担当)