COLUMN3 消費者における新洗濯表示に関する認知度等の調査
消費者庁では、2016年12月からの衣類等の洗濯表示の変更に伴い、新しい洗濯表示に関するポスターやリーフレットなどの広報資料の作成、講師派遣などの普及啓発を行ってきました。表示の変更から4年が経ち、衣類の表示事業者及びクリーニング事業者には新洗濯表示が浸透していると考えられるところ、消費者の認知度がどの程度なのかを、今般、調査することにしました。
そこで、新未来創造戦略本部において、2020年10月から12月にかけて、徳島県内の消費者(2,871名)を対象に、新洗濯表示がどの程度認知され、活用されているか調査を行いました(注1)。「洗濯表示を知っており、新しくなったことも知っている」と回答した人は32%、「洗濯表示は知っていたが、新しくなったことは知らなかった」は52%、「洗濯表示を知らない」は16%で、男女別にみると、洗濯表示の認知度は男性に比べ女性のほうが高いものの、十分に認知されていないことが分かりました(図表1)。
また、より多くの人が衣服購入時よりも洗濯時に表示を確認するという仮説を立て、啓発資料として洗濯機に貼付可能な「洗濯表示早見表マグネット」を作成し、洗濯表示への興味関心や理解度にどのように影響するかについても調査しました。シンプルな標準語のもの(以下「標準版マグネット」という。)のほか、親しみやすさが与える効果についても検証するため、徳島県の協力を得て、方言やマスコットキャラクターを加えたものも作成しました(以下「徳島版マグネット」という。)(図表2)。既存のリーフレットに加え、標準版マグネット、徳島版マグネットのいずれか1種類を徳島県内の消費者(311名)に送付し、3週間後に洗濯表示の理解度を調査したところ、いずれのグループにおいても送付前の調査に比べて理解度が上昇しました(理解度クイズの正解率は37%から63%に上昇)。啓発資料としての親しみやすさを尋ねた問では、徳島版マグネットが最も評価が高い結果となりました(「よかった」と回答した人は、標準版マグネットでは37%、徳島版マグネットでは53%)。自由記述としては、「洗濯機に貼って洗濯の度に確認できるので表示を意識して洗濯するようになった」、「スマホで調べなくてもすぐに確認できるので今後も活用したい」といった意見が多数あり、啓発資料としてのマグネットの有効性が示唆されました。
- 注1:調査の詳細については、消費者庁「新洗濯表示に関する認知度等の調査 調査報告書」(2021年3月公表)を参照
担当:参事官(調査研究・国際担当)