第2部 第1章 第2節 (2)消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保
第2部 消費者政策の実施の状況
第1章 消費者庁における主な消費者政策
第2節 消費者被害の防止
(2)消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保
特定商取引法及び預託法の厳正かつ適切な執行
消費者庁は、取引の公正及び消費者の利益の保護を図るため、特定商取引法及び預託法について、法と証拠に基づき、迅速かつ厳正に執行しています。特に全国的な広がりがあり、甚大な消費者被害のおそれのある重大事案に対する行政処分等に重点的に取り組んでいます。
2020年度の特定商取引法及び預託法に基づく国の行政処分件数は、89件となり、引き続き高い水準にあります。
2020年度における国による主な処分等は以下のとおりです。
①通信販売業者13事業者に対する行政処分(2020年4月)
デジタルプラットフォーム事業者が提供する大手ショッピングモールサイトにおいて、財布又はバッグの偽ブランド品の通信販売業者である13事業者(以下「本件13事業者」という。)に対し、特定商取引法に基づき、通信販売に関する業務の一部を3か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。
なお、これは、本件13事業者の送達をすべき場所がいずれも知れなかったため、公示送達により行政処分を行った事案です。
また、本件13事業者が、消費者の利益を不当に害するおそれがある行為(虚偽の広告)による偽ブランド品の販売を行ったことが確認されたとともに、調査の結果、デジタルプラットフォーム事業者が提供する大手ショッピングモールサイトにおいて、今後、同様の手口による偽ブランド品の販売が多数の出品者・出店者によって繰り返し行われる可能性が高いと認められたことから、消費者安全法に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者に注意を呼び掛けました。
②株式会社dorogubaに対する行政処分(2020年6月)
「PARADOX」と称する英会話教材の連鎖販売業者である株式会社doroguba (ドログバ)に対し、特定商取引法に基づき、連鎖販売取引に係る取引の一部等を3か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。加えて、当該業者の代表取締役等に対して業務禁止命令を行いました。
③保険金申請代行業務や住宅修繕を行う5事業者に対する行政指導(2020年8月)
住宅の修繕費用の補償に係る保険金申請代行や当該修繕等の役務を提供する5事業者に対し、特定商取引法に違反するおそれがある行為を行わないよう、行政指導を行いました。これは、当該5事業者が、災害に便乗して特定商取引法に違反する疑いのある行為をしていると認められたため、消費者被害が更に広がることを防止する観点から緊急的に行政指導を行った事案です。
④株式会社wonder、株式会社Kanael及び株式会社Super Beauty Laboに対する行政処分(2020年8月、同年12月及び2021年1月)
健康食品等の通信販売業者である株式会社wonder (ワンダー)に対し、特定商取引法に基づき、通信販売に関する業務の一部を6か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。加えて、当該業者が停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしている者に対して業務禁止命令を行いました。
また、健康食品等の通信販売業者である株式会社Kanael (カナエル)に対し、特定商取引法に基づき、通信販売に関する業務の一部を6か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。
さらに、健康食品の通信販売業者である株式会社Super Beauty Labo (スーパービューティーラボ)に対し、特定商取引法に基づき、通信販売に関する業務の一部を3か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。加えて、当該業者が停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしている者に対して業務禁止命令を行いました。
これらは、最近消費者トラブルが多く発生している定期購入に関する表示に関連して行政処分を行った事案です。
⑤ARIIX Japan合同会社に対する行政処分(2020年11月)
「ニュートリファイ」等と称する栄養補助食品、「ジョヴェイ」等と称する化粧品、「ピュリティ」と称する空気清浄機等の一連の自社商品の連鎖販売業者であるARIIX Japan合同会社に対し、特定商取引法に基づき、連鎖販売取引に係る取引の一部等を9か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。加えて、当該業者の業務執行社員であるアリックス・エルエルシーの職務執行者に対して業務禁止命令を行いました。
⑥株式会社アイエムエスジャパン及び佐藤彰芳に対する行政処分(2020年12月)
「BRIDGEファーストクラスA」と称する福利厚生サービスを掲載するオンラインモールである「BRIDGE」のうち会員専用部分を利用させる役務(以下「本件役務」という。)を提供している連鎖販売業者及び訪問販売業者である株式会社アイエムエスジャパン(以下「アイエムエス」という。)に対し、特定商取引法に基づき、訪問販売に関する業務の一部及び連鎖販売取引に関する取引の一部等を6か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。
また、アイエムエスの統率の下、アイエムエスと連携共同して、本件役務を提供している連鎖販売業者及び訪問販売業者である佐藤彰芳(以下「佐藤」という。)に対し、特定商取引法に基づき、訪問販売に関する業務の一部及び連鎖販売取引に関する取引の一部等を6か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。
加えて、アイエムエスが停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしている者等に対して業務禁止命令を行いました。
なお、アイエムエス及び佐藤が、消費者の利益を不当に害するおそれがある行為(不実告知及び書面交付義務違反)を行っていることが確認されたとともに、調査の結果、今後、同様の手口による取引が他の事業者(株式会社RS)によって繰り返し行われる可能性が高いと認められたことから、消費者安全法に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者に注意を呼び掛けました。
⑦株式会社Sign及び株式会社DEANに対する行政処分(2021年2月)
「Match-e」と称するバイナリーオプション取引を対象とした学習用プログラミングツールが内蔵されたUSBメモリ及び「keylock」と称する当該ツールを稼働させるためのUSBメモリ並びに「Core system」と称するFX (外国為替証拠金取引)を対象とした学習用プログラミングツールが内蔵されたUSBメモリの連鎖販売業者及び訪問販売業者である株式会社Signに対し、特定商取引法に基づき、訪問販売に関する業務の一部を6か月間、連鎖販売取引に関する取引の一部等を9か月間、それぞれ停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。加えて、当該業者の代表取締役に対して業務禁止命令を行いました。
また、「Elemental2.0」と称するバイナリーオプション取引を対象とした学習用プログラミングツールが内蔵されたUSBメモリ及び「Seculock」と称する当該ツールを稼働させるためのUSBメモリの訪問販売業者である株式会社DEANに対し、特定商取引法に基づき、訪問販売に関する業務の一部を3か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。加えて、当該業者の代表取締役に対して業務禁止命令を行いました。
⑧VISION株式会社及び株式会社レセプションに対する行政処分(2021年3月)
複数種類のアプリケーションが読み込まれたとされる「ライセンスパック」と称するUSBメモリを、購入した相手方から賃借した上で、これに読み込まれたアプリケーションを第三者に利用させることにより得られた収益から賃借料を当該相手方に支払うとされる役務を提供している訪問販売業者であるVISION株式会社及び株式会社レセプションに対し、特定商取引法に基づき、訪問販売に関する業務の一部を24か月間停止するよう命じるなどの行政処分を行いました。加えて、VISION株式会社が停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしている者に対して業務禁止命令を行いました。
VISION株式会社は、2018年12月及び2019年7月に消費者庁が特定商取引法に基づく行政処分を行ったWILL株式会社らの事業の承継会社です。また、株式会社レセプションに対しては、2019年7月に、消費者庁が特定商取引法に基づく行政処分を行ったところです。
2016年の特定商取引法改正により業務停止及び業務禁止を命ずることができる期間の上限が24か月間に引き上げられて以降、国が上限の行政処分を行ったのは、2019年7月のWILL株式会社に対する件以来2回目です。
特定商取引法及び預託法等の改正
日本においては、近時、少子高齢化が進展するとともに、各種技術の進歩を踏まえた様々な製品・サービスの普及等を背景として、こういった新製品・サービスの内容等を十分に理解できない消費者、特に高齢者のぜい弱性につけ込む、より巧妙な悪質商法による被害が増加しています。また、デジタル化の進展による消費者取引を取り巻く新たな環境が出現するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に向けた「新たな日常」が模索される中で、国民の消費行動も変容していくことが見込まれます。このような社会経済情勢の変化等を踏まえ、消費者取引の分野においても、新たな課題に機動的に対応していくことの重要性が一層高まっています。
これらを踏まえ、消費者庁としては、「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」を開催し、有識者による精力的な議論の結果、2020年8月に報告書を取りまとめました。
当該報告書を踏まえ、「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案」を第204回通常国会に提出しました。
具体的には、特定商取引法について、通信販売において定期購入ではないと消費者に誤認させる表示や契約の解除の妨害をするような「詐欺的な定期購入商法」や、売買契約に基づかずに一方的に商品を送り付けるような「送り付け商法」に関する対策等を行うとともに、預託法について、販売を伴う預託等取引を原則として禁止するほか、規制対象となる物品の範囲を拡大するなどの措置を講じることとしています。
このように、現下の社会情勢に鑑み、消費者の不安を払拭して取引の安全を確保するとともに、日本の消費者取引全体の信頼性、透明性、公正性を確保し、消費者被害の防止に向けた法改正に着実に対応しています(図表Ⅱ-1-2-4)。
消費者契約法の改正に向けた検討
①主な検討の経緯
2001年から施行された消費者契約法は、消費者と事業者との間で締結される契約を幅広く対象として、その適正化を図る民事ルールを規定しています。社会経済情勢の変化等を踏まえ、法の実効性を確保するため、2016年及び2018年に改正法が成立し(以下、それぞれ「2016年改正」(注5)、「2018年改正」(注6)という。)、取消しの対象となる不当な勧誘行為や無効となる不当な契約条項の拡充等が行われてきました(図表Ⅱ-1-2-5)。具体的には、初めての民事ルール部分の改正となった2016年改正では、社会の高齢化の進展を背景に、いわゆる過量契約に関する取消権の創設等がなされました。また、2018年改正では、主として若年者に発生している被害事例を念頭に置き、消費者の不安をあおる告知(いわゆる就職セミナー商法等)、好意の感情の不当な利用(いわゆるデート商法等)といった若年者にも被害が発生している不当勧誘行為に対する取消権の創設等がなされ、2019年6月に施行されました。引き続き、改正内容の周知・啓発活動の一環として、リーフレットの関係機関への配布、各種説明会での説明等を行っているところです。
②更なる見直しの検討
2018年改正の際の衆参両院の委員会における附帯決議の趣旨を踏まえ、2019年2月から「消費者契約法改正に向けた専門技術的側面の研究会」において、いわゆる「つけ込み型」勧誘、「平均的な損害の額」の立証責任の軽減、契約条項の事前開示及び消費者への情報提供の考慮要素について、法制的・法技術的な観点から民法、商法、民事手続法及び経済学の研究者による検討が行われ、2019年9月に研究会報告書が取りまとめられました。
さらに、同報告書を踏まえつつ、2019年12月から「消費者契約に関する検討会」において、実効性の確保や実務への影響の観点から、消費者・事業者の関係者を含めて検討が行われています。同検討会においては、高齢者や若年者等の判断力の不足等を利用した消費者トラブルへの対応、いわゆる解約料条項の「平均的な損害の額」の立証負担の軽減など、「消費者契約法改正に向けた専門技術的側面の研究会」における議論を踏まえた検討を行っています。また、情報通信技術の進展によりオンライン取引がより普及し、デジタル・プラットフォーム企業が関与するものも増加しているなどの消費者契約をめぐる環境の変化・消費者被害の多様化を踏まえて、同時期に開催された「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」とも連携しながら、不当条項についても検討を行っています。さらに、新型コロナウイルス感染症関連の消費生活相談において解約や解約料に関する相談が多くみられたこと等を受け、不測の事態における消費者契約のキャンセルについても実態調査・専門家のヒアリングを踏まえ意見交換を行いました。
景品表示法の厳正な運用
2016年度から課徴金制度の運用が開始されるなど、景品表示法の重要性は一層高まっているところです。
2020年度は、新型コロナウイルス関連商品に関する不当表示等について、計33件の措置命令及び計15件の課徴金納付命令(合計11億7238万円)などを行いました。このうち、加熱式たばこに関する不当表示に対する課徴金額5億5274万円は、課徴金制度導入以来の最高額となりました。インターネット消費者取引に係る広告表示への対応を含め、引き続き同法の適切な執行に取り組みます(なお、新型コロナウイルス等への効果を標ぼうする表示への対応については、第1部第2章第6節(2)を参照。)。
携帯電話の広告表示に関する取組及び携帯電話料金の低廉化に向けた環境整備
電気通信サービスに関する適切な競争環境の整備や利用者利益の保護を図るため、消費者庁、公正取引委員会及び総務省は連携した取組を行っているところです。
2020年11月、消費者庁及び総務省は共同で、携帯電話業界における「頭金」表示や端末販売価格に関して、消費者に対する注意喚起を行いました。これは、携帯電話業界で行われている「頭金」の用法が、通常の分割払いと異なり、携帯電話業界独自のものであり、消費者が最終的な端末価格を誤解する可能性があるものとなっていたことなどから、携帯電話事業者から販売代理店に対する通知が行われることと並行して、消費者に注意を喚起したものです。
また、携帯電話が国民の生活必需品となる中、携帯電話料金の低廉化は消費生活における重要な課題となっています。消費者の立場からは、消費者が自らのニーズに合った多様な選択を行うための環境整備も必要です。
そのような観点から、2020年12月に、携帯電話料金の低廉化に向けた環境整備を図るため、総務省、公正取引委員会及び消費者庁が連携・協力してモバイル市場の健全な発展に向けた取組を強力に推進することを目的として、「携帯電話料金の低廉化に向けた二大臣会合」を開催しました。
この取組の一環として、消費者庁では、消費者が自分のニーズに合ったプランを選ぶことができる分かりやすい表示になっているかという新たな観点から、広告表示の総点検を行っています。この中で、大手携帯電話事業者各社に対して、基本料金に対して複数種類の割引が適用される料金プランを提供する場合に、各割引条件を満たすことによりいくらずつ値下げされるのかを一覧性がある形で明瞭に表示すべきことなどを指摘しています。
また、消費者が携帯料金プランについて正しく理解できることも大切です。この点について、総務省は、消費者が自身のニーズに合ったサービスを選択するために必要な情報をまとめた「携帯電話ポータルサイト」を開設するとともに、消費者が対面で相談できる「スマホ乗換相談所」の実現に向けた取組を進めています。消費者庁においても、消費者自身が契約しているプランや利用状況を今一度確認し、適切な事業者や料金プランを選択できるよう、携帯料金に関して消費者が知っておくべきことを整理の上、2020年12月に「自分に合った携帯料金プランになっていますか?」を公表しました。その後も、携帯電話事業者が新しい料金プランを公表したタイミングでその内容を更新し、消費者庁HPに掲載しています。
引き続き、関係省庁と連携し、広告表示の適正化に関する取組や携帯電話料金の低廉化に向けた環境整備を進めていくとともに、携帯電話のサービス品質や乗り換え手続に関する情報について消費者が正しく理解できるよう、情報提供を行っていきます。
食品表示制度の適切な運用
食品衛生法、JAS法及び健康増進法の食品の表示に関する規定を統合した食品表示法及び同法に基づき策定した「食品表示基準」(注7)が2015年4月に施行され、2020年3月末日をもって経過措置期間が終了し、新たな食品表示制度の運用を開始しました。
食品表示法及び同法に基づく食品表示基準の下、現在経過措置期間中の制度及び2020年度に実施した施策は以下のとおりです。
原料原産地表示制度
輸入品を除く全ての加工食品について、重量割合上位1位の原材料に、当該原材料の原産地(当該原材料が加工食品の場合は製造地)の表示を義務付けています。対象原材料の原産地が複数の場合は、国名を重量順に表示することが原則となりますが、一定の条件を満たす場合は、過去の実績等を踏まえた「又は表示」、「大括り表示」を認めることとしました。本制度は2017年9月に施行され、2022年3月まで経過措置期間を設けています(図表Ⅱ-1-2-6)。
遺伝子組換え食品表示制度
2019年4月に現行の制度のうち任意表示に関して見直しを行い、消費者の誤認防止等の観点から分別生産流通管理を実施し、遺伝子組換え農産物の混入を5%以下に抑えているものについては、適切に分別生産流通管理を実施している旨、遺伝子組換え農産物の混入がないと認められるものについては、「遺伝子組換えでない」旨の、より消費者に分かりやすい表示ができることとしました。本制度は2023年4月に施行されます。
玄米及び精米の表示制度
2021年3月には、玄米及び精米の表示事項に係る「食品表示基準」の改正を行いました。この改正は、「規制改革実施計画」(令和2年7月17日閣議決定)を踏まえ、農産物検査による証明を受けていない場合であっても、産地、品種及び産年の表示を可能とするとともに、「農産物検査証明による」、「自社基準による確認済み」等、表示事項の根拠の確認方法の表示を可能としました。一方で、根拠が不確かな米の流通を排除し、消費者の信頼を損ねるようなことがないようにするため、産地、品種及び産年を表示する際は、農産物検査による証明に代えて、その根拠を示す資料の保管を要件としました。また、生産者名等、消費者が食品を選択する上で適切な情報を枠内へ表示することが可能となります。本制度は2021年7月に施行予定です。
食品リコール情報の届出制度
2018年12月に「食品表示法の一部を改正する法律」(注8)が成立し、アレルゲン、消費期限等、食品の安全性に関係する表示の欠落や誤りのある食品を自主回収した食品関連事業者等に対し、その情報を行政機関へ届け出ることを義務付けるとともに、当該届出情報を消費者庁が公表することとしました。本制度は2021年6月に施行されます。
食品表示の分かりやすさなど新たな食品表示の課題への対応
消費者委員会食品表示部会が取りまとめた「食品表示の全体像に関する報告書」(2019年8月)に基づき、分かりやすい、活用される食品表示の検討を行うために、表示可能面積に対する一括表示面積の割合や、一括表示の文字サイズ等の情報量の把握等の科学的アプローチに基づく調査等を実施しました。また、分かりやすい食品表示による消費者自らの食品選択への活用の可能性を検討するため、アプリケーションを活用し、容器包装上の表示をデジタルツールで代替することが技術的に可能か検証を行うとともに、消費者の意向を調査することを目的として、2020年12月に首都圏2店舗で実証を行いました。
特定保健用食品制度(疾病リスク低減表示)に関する検討会
特定保健用食品(疾病リスク低減表示)については、2005年にカルシウム及び葉酸の基準を設定していますが、その運用については、制度開始以降、これまで特段の見直しは行われていませんでした。このため、消費者庁において「特定保健用食品制度(疾病リスク低減表示)に関する検討会」を開催し、疾病リスク低減表示の今後の運用について、許可の状況や現在の運用、諸外国の状況等を参考に、健康の維持増進に寄与することが期待される食品を消費者がより適切に選択できるよう検討を行い、2021年3月に方向性を取りまとめました。
COLUMN3
消費者における新洗濯表示に関する認知度等の調査
担当:参事官(調査研究・国際担当)