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COLUMN2 食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーション

 2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故後、科学的知見に基づき食品中の放射性物質に関する基準値が設定されました。その際、合理的な検査体制の下で食品の安全が確保されているにもかかわらず、被災県産の農林水産物を買い控えるという消費行動がみられました。

 このことから消費者庁は、風評被害払拭のためには、消費者を含む関係者が正確な理解に基づき行動することが必要であると考え、食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションを重点的に実施しています。また、リスクコミュニケーションを始めとする消費者理解の増進に関する取組に役立てるために、食品中の放射性物質に関する消費者意識の実態等を調べています。

 「風評被害に関する消費者意識の実態調査」は、被災地域及び都市圏の消費者約5,000人を対象とするインターネット調査として、2013年から継続的に実施しています(注1)。第14回調査(2021年1月)では、食品の産地を気にする理由において「放射性物質の含まれていない食品を買いたいから」と回答した人に、食品中の放射性物質を理由に購入をためらう産地を尋ねたところ、「東北全域産」、「茨城・栃木・群馬県産」、「岩手・宮城・福島県産」、「福島県産」のいずれも減少傾向を示しています。(図表1)

 消費者庁は、こうした意識調査の結果を踏まえ、引き続き消費者の理解増進に資する取組を進めていくこととしています。

放射性物質を意識して産地を気にする消費者が、購入をためらう産地


  • 注1:2013年2月に第1回調査を実施し、第10回までは年2回(2月・8月)実施。第11回(2018年2月)以降、年1回実施。

担当:参事官(調査研究・国際担当)