Vol.685 自転車を安全・安心に利用するために
5月は「自転車月間」です。日常生活における自転車は、幼児から高齢者まで幅広い層が多様な用途で利用できる、身近で環境にやさしい移動手段です。
しかし、全交通事故に占める自転車関連事故の構成比や自転車対歩行者の事故の発生件数は増加傾向にあります。自転車を取り巻くこのような状況の中、令和8年4月から16歳以上の者による自転車の一定の交通違反に対して、いわゆる青切符(交通反則通告制度)が導入されており、自転車の交通ルールを理解することが一層求められています。
転倒・転落・衝突などの自転車にまつわる事故にも注意し、安全・安心に利用できるように、最近の事故事例や注意ポイントをご紹介します。
事故事例
消費者庁には、自転車に関する様々な事故情報が医療機関から寄せられています(※1)。
- 「自転車走行中に傘をハンドルなどに掛けていたら引っかかり、顔面から転倒した。左眼の下側の骨折、また上顎の骨、ほおの骨の骨折があり、複数の切傷、顔面の腫れがみられた。ヘルメットは未着用だった。」(30歳代)
- 「買い物のためイヤホンを装着しながら自転車で出かけた。電柱に激突し、路上で倒れていたため、通行人が救急要請。ヘルメットの着用なし。意識障害を伴う複数箇所の顔面の骨折、手足に複数の擦り傷がみられた。」(10歳代)
- 「夕方、道路を一人で走行中、歩道と車道に段差があり、そこでパンっと前輪がパンクして、中のチューブが飛び出し前輪にからまって、倒れているところを発見された。日頃よりヘルメットは着用していた。脳しんとうがみられたが、診察中、しっかり受け答えもできるようになってきた。」(10歳代)
- 「保護者と自転車の練習をしていた。補助輪なしで保護者が支えた状態で走行中、右足をペダルから踏み外してしまい前輪に巻き込まれた。転倒はしなかったが、外せなくなり、救急要請。救急隊が自転車の前輪のスポークを3本切除して足を解放した。右ふくらはぎからかかと付近を損傷。」(5歳)
- 「自転車の前座席にこどもを乗せたまま停車。保護者が離れて知人宅のインターホンを鳴らそうとしたところ、ハンドルが右に曲がり自転車ごと転倒。こどもは横方向に1回転するようにおでこの左側からコンクリートの地面にぶつかった。ヘルメット装着。左顔面骨骨折のため5日間入院。」(3歳)
注意ポイント
自転車の安全・安心な利用に向けて、以下のポイントを参考にしてください。
- 交通ルールを守りましょう
自転車の利用者が守るべき最も基本的な自転車の交通ルールとして、「自転車安全利用五則」がまとめられています(※2)。 自転車の交通違反は重大な事故につながる可能性があり、自転車を安全・安心に利用するため、「夜間はライトを点灯」「飲酒運転は禁止」「ヘルメットを着用」などの自転車安全利用五則を守ることが大切です。また、いわゆる「ながらスマホ」や傘差し運転、イヤホン等をつけて周りの音が聞こえない状態での運転も禁止されており、いわゆる青切符の対象となっています。その他、万一の場合に備えて「自転車損害賠償責任保険等」へ忘れずに加入しましょう。 - ハンドルに物をぶら下げないようにしましょう
ハンドルに買い物袋、かばん、傘などをぶら下げていると、車輪に巻き込まれてロックし、そのまま滑走するうちにバランスを崩して転倒するため危険です。荷物はハンドルにぶら下げたりせず、かごに入れてください。また、かごからも紐などが出て巻き込まれないように注意しましょう。 - 未就学児を同乗させるときには停車中も注意しましょう
幼児用座席の使用に当たっては、こどもにシートベルトとヘルメットを適切に装着させ、座席から足など身体の一部をはみ出さないよう声がけしましょう。また、狭い通路は自転車から降りて通行するようにしましょう。
停車中にもこどもが転倒・転落する事故も発生しているため、こどもを座席に乗せたまま自転車から離れないようにしてください。 - 定期的に自転車の状態等を確認しましょう
タイヤの摩耗はスリップによる転倒につながるほか、制動距離に影響を与え、また、ブレーキの不具合は衝突回避に影響を与えます。乗車前には車輪やペダルなどに異常がないか点検しましょう。さらに、定期的に販売店などで、自転車整備士による点検を受けるようにしてください。
使用する自転車及び付属品がリコール対象でないかについても、リコール情報サイトや事業者のホームページなどで確認しましょう。
自転車が「軽車両」であるという意識のもとに、車道通行の原則等の交通ルールを遵守し、自身や周囲の方の安全を確保するとともに、歩行者へ思いやりをもって自転車に乗るようにしましょう。
そして、幅広い年齢層で手軽に運動の楽しさなどを感じることのできる自転車を、安全に活用していきましょう。
- ※1:医療機関ネットワーク事業:消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和8年5月時点で28機関が参画)から事故情報の提供を受けています。
- ※2:「自転車安全利用五則」(令和4年11月1日付け中央交通安全対策会議交通対策本部決定)
- 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
- 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
- 夜間はライトを点灯
- 飲酒運転は禁止
- ヘルメットを着用
- (参考)
- (関連公表資料)
- (関連メール)
担当:消費者安全課
