Vol.663 水辺のレジャーではライフジャケットを正しく着用しましょう

本格的な夏も近づき、海や川でのレジャーも楽しみな季節となってきました。楽しい体験ができる一方で、溺れたり、流されたりといった危険とも隣り合わせです。事故対策としてライフジャケットの着用が大切ですが、正しく着用しないと効果が見込めないことも。海や川での楽しい思い出のためにも、ライフジャケットを正しく着用しましょう。
ライフジャケットの効果
令和6年の海上保安庁の報告(※1)によると、釣り中の海中転落者の死亡・行方不明率が、ライフジャケット非着用者では約46%(126人中58人)となったのに対し、着用者では約19%(54人中10人)となったなど、着用により死亡・行方不明率が低くなることが示されています。

(出典:海上保安庁の報告(※1)を元に消費者庁作成)
また、事故情報データバンク(※2)や東京都生活文化局の報告(※3)からは、次のようなライフジャケットを着用していて助かった具体的な事例も示されています。
- ミニボートが転覆したが、ライフジャケットを着ていたので、溺れることなく、友人に助けられ怪我などは負わなかった。(※2)
- 流木に当たってバランスを崩し落水した時、救助されるまで浮いていられた。(※3)
- 不注意で沖合に流された時、救助されるまで浮いていられた。(※3)
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<注意! ライフジャケットは適切に着用しないと効果が発揮できません>
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ライフジャケットの効果の1つは、鼻や口を水面上に出し呼吸を確保することです。しかしながら、東京都生活文化局から報告されている、調節ベルトが緩んでいる、過大なサイズを使用している場合などの検証実験の結果(※3)では、適切に着用できていないと口が水面上に出ない場合があることが示されています。ライフジャケットは適切に着用することが重要です。

(出典:東京都生活文化局(※3))
ライフジャケット使用のポイント
海や川に出かける前に、ライフジャケットを使用する際のポイントを確認しましょう。
- 大人も着用しましょう、また、常時着用するようにしましょう
こどもだけではなく大人も着用するようにしましょう。また、いつ水に入っても良いように、水辺では常に着用していましょう。 - 適切なサイズのものを体に密着させるように着用しましょう
体格に合ったものを選び、ベルトや股紐を緩みがないようにしっかりと締めましょう。また、肩部を持ち上げてもずり上がらないなど、適切に着用できていることを確認しましょう。

(写真はイメージ)
- ライフジャケット着用の練習をしましょう
着用しても上手に浮くことができない、いざという時にこどもが着用をいやがるといったこともあります。事前にプールで練習したり、体験教室に参加したりすることをお勧めします。 - 保守・点検をしましょう
浮力体・生地・ベルトなどに破損がないか、膨張式のものであれば、ボンベが適切に取り付けられているか、使用済みではないかなどを着用前にしっかりと確認しましょう。破損や装置の期限切れなどがあった場合は、適切に交換しましょう。 - 機能が担保されたライフジャケットを購入しましょう
ライフジャケットを選ぶ際は、検定などにより機能が担保されているマーク付きのものを目安にしましょう。また、購入する際には、試着した上で購入することがお勧めです。
マーク | 概要 |
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【桜マーク】 小型船舶の法定備品として要求される基準を満たすライフジャケットに表示されているマーク。国土交通省の型式承認を受け、検定機関による検定に合格したことを示す。 |
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【CSマーク】 関係機関・救命胴衣製造事業者などにより構成された技術委員会が制定した基準をもとに、日本小型船舶検査機構が実施する性能鑑定に合格したことを示すマーク。 |
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【RAC川育ライフジャケット認定マーク】 NPO法人川に学ぶ体験活動協議会(RAC)が定めた「RAC川育ライフジャケット認定規則」に基づき、製造者が自己認証したものをRACが認定した製品に表示されているマーク。 |
表 マークの例
- ※1:海上保安庁「令和6年 海難の現況と対策~大切な命を守るために~」(PDF)
- ※2:消費者庁が(独)国民生活センターと連携し、関係機関から「事故情報」「危険情報」を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ収集・提供システム(2010年4月運用開始)。
- ※3:東京都生活文化局「東京都商品等安全対策協議会報告書 水辺のレジャーにおけるライフジャケットの着用と安全な使用」(PDF)
- (参考)
- (過去の関連メール)
担当:消費者安全課