Vol.632 河川や海などでの「水の事故」に気を付けましょう!

本格的な夏も間近、水遊びを楽しむ機会も増えてくると思いますが、水の事故への一層の注意が必要です。警察庁によると、令和4年中に中学生以下の子ども198人が水難に遭い、うち死者・行方不明者は26人でした。このうち半数以上の14人が河川で、行為別では水遊びが11人で最も多くなっています(※1)。また、海上保安庁によると、12歳未満の海で遊泳中の事故は7~8月の夏休みシーズンに集中して発生しています(※2)。
水の事故は死亡事故につながる可能性も高く、溺れた状態が5分以上続くと脳に後遺症が残るおそれがあります。また、溺れるときは声や音を出さずに静かに沈むことがあり、近くにいたとしても気づくことができない場合もあります。
水辺では大人が子どもから目を離さず手の届く範囲で見守り、助けられる/周囲に助けを求められる状況を確保するようにしてください。
- 「4人家族のうち、子ども2人が川遊びをしているうち、1人が流された。助けようとした保護者は流され死亡。子どもはライフジャケットを着用しており、近くにいた人に助けられた。保護者は未着用だった。」(国土交通省、事故発生:不明、死亡)(※3)
- 「小学生の子どもが友人と川べりで遊んでいたところ、流された友人のサンダルを拾おうとして溺れて死亡したもの。これを目撃して救助しようとした大人2人のうち、1人も死亡した。」(警察庁、事故発生:令和3年4月、死亡)(※3)
- 「河口付近で遊泳中の男児2名が沖に流され、これに気付いた父親と付近で泳いでいた男性が救助に向かうも同様に沖に流されてしまい、計4名が行方不明となった。その後、4名は発見されるも死亡が確認された。なお、4名とも救命胴衣非着用であった。」(海上保安庁、事故発生:平成29年8月、死亡)(※3)
河川や海などで遊ぶ場合には、それぞれの自然環境の特徴を理解し、危険を把握して、安全な行動を心掛けましょう。
- 危険を把握しましょう
-
- 危険を示す掲示板がある場所、立入禁止の場所には近づかない。
- 河川は穏やかに見えても、地形などの影響で深みや急な流れがあることを認識。上流の雨などによる急な増水にも注意する。
- 岸から沖への流れ(離岸流)が発生しやすい河口付近、堤防沿い等の人工物付近、岩場などには入水しない。風の向きや波の高さ、潮汐を確認する。
- 安全な行動を心掛けましょう
-
- 水辺でのレジャーでは子どもだけでなく大人もライフジャケットを着用する。滑りにくく脱げにくいかかとのある履物を履く。
- 海水浴は、ライフセーバーや監視員等がいるなど適切に安全管理が行われている海水浴場で、指定された遊泳エリア内を利用する。
- 連絡手段を確保するため防水パック入り携帯電話等を携行する。
- 溺れている人を発見したら、無理に水に入らず、まずは通報する。
- 帽子やサンダルなどの持ち物が流されても取りに行かないことを約束しておく。
また、用水路やため池、プールなど、身近な場所も子どもにとっては危険な場合がありますので、同様に注意しましょう。
水辺の安全について学習できる資料やサイトを子どもと一緒に見たり、救命講習を受講するなど、夏休みシーズンに向けて準備を始めましょう。
- (※1)警察庁「令和4年における水難の概況」(PDF) (別ウィンドウで表示します)
警察庁「令和4年夏期における水難の概況」(PDF) (別ウィンドウで表示します) - (※2)令和4年度「こどもの事故防止に関する関係府省庁連絡会議」【資料5】海上保安庁の取組(こども家庭庁) (別ウィンドウで表示します)
- (※3)消費者庁「子どもの水の事故を防ごう!-7月25日は「世界溺水防止デー」、予防策を再確認して行動を!-」 消費者庁「もうすぐ夏本番!外出先での子どもの水の事故に御注意ください!-海水浴、水泳、釣り等で水辺へお出かけの際は、危険箇所等を事前に把握し、水辺で遊ぶときはライフジャケットを必ず着用しましょう-」
担当:消費者安全課