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Vol.650 安全に海を満喫するために

画像: 海上保安庁「ウォーターセーフティガイドリーフレット」【消費者庁において、一部加工して作成したもの】

もうすぐ夏休みです。家族や友人と海に行く機会があるかもしれませんが、海上保安庁の資料(※1)によれば、平成26年から令和5年までの10年間における12歳未満のマリンレジャーに伴う海浜事故者数は630人となっています。このうち、遊泳中(スノーケリング中を含む。)の事故者数は389人(うち死者・行方不明者30人)で、事故発生月別の内訳を見ると、7月、8月の夏休みシーズンに多くなっています。
海での事故に遭わないためには、事前に海に関する知識、各種マリンレジャーに応じて利用する装備、習得すべき技術などについて十分理解し、しっかりと準備をすることが重要です。海上保安庁が公表している「ウォーターセーフティガイド(※2)」で知識と理解を深めましょう。

遊泳中の事故について

海上保安庁が公表している遊泳中の事故事例の一部をご紹介します。

  • 9歳と6歳の兄弟が両親とともに海水浴場を訪れた。両親が砂浜でテント等の準備をしている間にこどものみで泳いでいたところ、足のつかない海域まで行ってしまい溺れた。兄弟は、事故に気付いた付近遊泳者等により救助され、病院に緊急搬送されたが、兄は死亡が確認された(※3)。

上記のような事故に遭わないために、【遊泳編】を確認しましょう。

  • 10歳未満の男児と30代女性の親子がスノーケリング中、海岸から約20m離れた場所で波にのまれて溺れた。気づいた付近遊泳者数名により救助されたが、男児は、救助時に仰向けで心肺停止の状態で浮いており、ドクターヘリで病院に搬送されたが、死亡が確認され、母親は、海水の誤嚥により肺水腫となった。親子は、スノーケリングを開始する際はライフジャケットを着用していたものの、事故直前にライフジャケットを外して泳いていたところ溺水した(※4)。

上記のような事故に遭わないために、【スノーケリング編】を確認しましょう。

遊泳中のこどもの事故防止のポイント

  • 保護者の方は、常にこどもから離れないようにしましょう。こどもは大人に比べ危険に対する判断が出来ません。小さな波でも足をすくわれ、溺れることがあります。
  • 万が一に備え、身体に合ったライフジャケット等の浮力体を正しく着用させましょう。
  • ライフセーバーや監視員がおり、遊泳区域が定められている管理された海水浴場で泳ぎましょう。
  • 海に入るときは大人が先に入り、海から上がるときは大人が後から上がりましょう。
  • 海で遊ぶときは、大人は沖側(深い側)にいるようにしましょう。
  • フロート遊具やサンダルが流されても、こどもが追わないよう気をつけましょう。
  • 水辺にこどもが一人(又はこどものみ)でいるのを見かけたら、大人が注意するようにしましょう。
  • 波打ち際でも、こどもが波にさらわれ沖に流される事故が発生しています。海に入っていなくても油断は禁物です。

なお、スノーケリングの際は、ライフジャケット、フィン、マスク、スノーケルを必ず着用させましょう。また、自然海岸での独自のスノーケリングは危険が伴うため、スノーケルガイドを有する事業者に申し込むようにし、安全に楽しみましょう。

ウォーターセーフティガイドでは、モーターボート、水上オートバイ、遊泳、スノーケリングなど8つのマリンレジャーに関して適切な情報や問題発生時の解決策、必要な装備などが紹介されています。海に行く前には、保護者の方はこどもと一緒に必要な項目を確認し、マリンレジャーでの事故防止に努めましょう。

担当:消費者安全課