Vol.641 油断大敵! 暖房器具によるやけどにご注意ください

11月も半ばを過ぎ、朝晩の冷え込みを感じる日も増えてきました。冬本番を前に、そろそろ暖房器具の出番とお考えの方も多いのではないでしょうか。
わたしたちの暮らしに暖をもたらしてくれる暖房器具。寒い時期にはありがたい存在ですが、消費者庁には医療機関から、暖房器具による小さな子どものやけどに関する事故情報が複数寄せられています(※1)。
- 「リビングで子どもを一人にしていたところ、寝返りをしてハロゲンヒーターに触ってしまい、右手にやけどをした。流水と保冷剤で10分ほど冷やしたが、手指や手のひらに水疱ができかけている状態で、通院が必要となった。ヒーターの周囲に柵はなかった。」(0歳6か月)
- 「ストーブの柵につかまり立ちをした際、ストーブの上に置いていたやかんが倒れ、熱湯が下半身にかかった。両脚と尻に重症のやけどを負い入院となった。」(0歳10か月)
- 「保護者が子どもを抱っこしながらテレビを観ていた際、子どもの両脚がハロゲンヒーターの近く(20~30cmの距離)にあり、ヒーターの熱が肌に直接30分間くらい当たっていた。気づくと脚が赤くなっており、濡れタオルで冷やしたが、赤みは受診時にも残っていた。」(0歳1か月)
子どもは大人よりも皮膚が薄く、やけどのダメージが皮膚の奥深くまで影響するおそれがあります。さほど高温ではなくても、長時間接することで低温やけどになることもありますので注意が必要です。
小さな子どもは様々なものに興味を示し、危険かどうか分からないまま近づいたり触れたりすることがあるため、暖房器具を使用する際は、以下のポイントも参考に、設置の仕方や使い方を今一度確認しましょう。
- 床置きタイプの暖房器具は、小さな子どもの手が届かない場所に設置するか、安全柵などで囲みましょう。
- 上にやかんを置くことができるタイプのストーブでも、小さな子どもがいる場所で使う場合には、やかんを置くことを控えましょう。
- ストーブやヒーターに直接触れなくても、熱気や熱風によりやけどをする場合があります。器具からは十分に距離をとり、長時間当たり続けないようにしましょう。
- ◆万が一、やけどをしてしまったら...
- すぐに10分以上冷やしましょう。刺激を避けるため、蛇口やシャワーの水を患部に直接当てないようにしてください。服の上から熱湯などがかかった場合は、脱がさずに服の上から冷やしてください。市販の冷却シートは、やけどの手当てには使えません(※2)。
- ※1: 消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和5年11月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(「医療機関ネットワーク事業」)。
- ※2: こども家庭庁「こどもの事故防止ハンドブックについて」>もしもの時の「応急手当方法」
担当:消費者安全課