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Vol.620 耳掃除中のけがに注意!

親が、子どもの耳掃除をしている後ろから、別の子どもが近づいているイラスト

3月3日は「耳の日」です(1)。東京消防庁が毎年この時期に行っている耳掃除中の事故に関する注意喚起(2)によると、東京消防庁管内では過去5年間に200人を超える人が救急搬送されており、中でも4歳以下の事故が他の年代に比べて突出して多くなっています。

消費者庁・国民生活センターには、耳掃除中に子どもが不意に動いたり、周囲と接触するなどして、綿棒や耳かき棒が奥に入り、鼓膜などを傷つけてしまう事故の情報が、医療機関(3)から寄せられています。

  • 「竹製の耳かきを使って保護者が子どもの耳かきをしていて、他の子どもが接触した拍子に奥まで入ってしまった。出血、嘔吐、ふらつきなどがあり受診したところ、鼓膜に穴が開き、内耳や耳小骨も損傷しており入院となった。聴力が低下した。」(3歳)
  • 「保護者が子どもの耳掃除をしていたところ、急に動いたため綿棒が奥に入り、出血したため受診した。鼓膜に穴が開いており、通院が必要となった。」(6歳)
  • 「泣き声で気付くと、耳に綿棒が刺さっていた。抜いた綿棒に血液が付いていたため受診したところ、外耳道に傷があった。遊んでいた綿棒を片付けていなかった。」(1歳)
  • 「ライト付きの耳かきを使用していたところ、耳の中で折れた。折れた部分は取り出せたが、出血が止まらないため受診した。外耳道に傷があり、通院が必要となった。」(11歳)
<耳掃除での事故を防ぐポイント>
  • 家庭で無理に耳掃除をする必要はありません。気になる場合は受診しましょう。
    人には耳垢を自然に排出する機能があり、耳垢には耳を保護する役割もあることから、多少の耳垢であれば家庭で無理に取る必要はないとされています(※4)。耳垢が気になる場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
  • もし、ご家庭内で耳掃除をする場合は、以下の点を注意しましょう。
    • 耳の入り口付近の目で見える範囲を、綿棒でそっと拭う程度にしましょう。
      奥まで入れると耳の中を傷つけたり、耳垢を押し込んだりするおそれがあります。また、強く擦ることや、頻繁に行うことは外耳道を傷つけるおそれがあります。
    • 安定した姿勢・場所で行い、動いたらけがをする危険性があることを教えましょう。
      教えても動いてしまう可能性があれば、家庭で無理に行うことは控えましょう。周囲にも声をかけて注意を促しましょう。
    • 綿棒や耳かき棒の一部が外れて耳の中に残った場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
      無理に取ろうとすると押し込んでしまう可能性があります。耳や鼻におもちゃなど小さなものを入れてしまった場合も同様です。
    • 綿棒や耳かき棒を乳幼児の手が届く場所に放置しないようにしましょう。
  1. (1)(一社)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「「耳の日」とは」(別ウィンドウで表示します)
  2. (2)東京消防庁「耳かき中の事故に注意!」(別ウィンドウで表示します)
  3. (3)消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和5年2月現在で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)
  4. (4)(一社)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「子どものみみ・はな・のどの病気Q&A」耳垢(別ウィンドウで表示します)
(参考)
過去の関連メール

担当:消費者安全課