Vol.602 9月4日から9月10日は「救急医療週間」- もしもの時の応急手当方法について確認を!

毎年9月9日は「救急の日」です。今年度は9月4日から9月10日が「救急医療週間」とされ、全国の消防署等では救急医療業務や応急手当に関する正しい知識の普及啓発のため、イベントや講習会が開催されています(※1)。
普段からさまざまな工夫を凝らして対策していても、事故が起きてしまうことがあります。子どもが食べ物やおもちゃの部品などをのどに詰まらせた場合や、溺れて意識を失ってしまった場合などには、一刻も早い対処が求められますが、みなさんは適切な応急手当ができますか。救急隊の到着までに応急手当を行うことで、救命や治療の経過の向上につながります。
消費者庁・国民生活センターに医療機関(※2)から寄せられている事故情報の中にも、子どもへの応急手当が行われ一命を取り留めた事例があります。
- 「かまぼこを食べた直後に顔が紫色になった。保護者が背中を叩くなどしたが改善せず救急要請した。その後呼吸がなくなったように見えたため、胸骨圧迫を実施したところ約1分後に呼吸が再開した。救急隊が到着後、口の中に残っていた2.5cm程のかまぼこを除去した。経過観察のため入院となった。」(1歳)
- 「入浴中、保護者が髪を洗っている間、子どもから目を離していた。気が付くと、子どもが浴槽の中で顔面を水につけた状態で浮いており、引き上げたが反応がなかった。駆け付けたもう一人の保護者が、呼吸停止に気付き人工呼吸を実施したところ水を吐き出したが、心拍が確認できないため胸骨圧迫を開始した。救急要請したタイミングで泣き出し、搬送後、溺水後の全身状態の経過観察と誤嚥性肺炎のため入院となった。」(2歳)
また、日本小児科学会の傷害速報(※3)では、周囲の人の協力により助かった事例が紹介されています。
- 「直径3cm大のぶどうを皮をむいてまるごと1個与えたところ、突然咳き込んだ後に、泡を吹いて意識消失した。保護者は取り出せず、救急要請をして、子どもを抱いて外に出たところで、通行人が腹部突き上げ法を施行し、ぶどうのかたまりが排出された。この間約5分だった。経過観察のため入院となった。」(2歳)
いざという時のため、この機会に応急手当の方法について確認してみてください。お近くの消防署で受講できる救命講習では、心肺蘇生法やAEDの使い方、異物除去、止血法など、実践的な知識と技術を学べます。また、総務省消防庁が応急手当WEB講習を公開しています。
- (※1)新型コロナウイルス感染症の影響により、実施状況は自治体等によって異なりますので、事前にインターネット等での確認をお願いします。
- (※2)消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和4年9月現在で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
- (※3)(公社)日本小児科学会Injury Alert(傷害速報)「No.049 ブドウの誤嚥による窒息(事例1)」
担当:消費者安全課